中欧4か国人気都市めぐりの旅~その6~

「ドナウの真珠」ブダペストへ(ハンガリー)

ブラチスラバから、3時間ほどでハンガリーの首都で、「ドナウの真珠」と讃えられる美しい街ブダペストに着いた。チェコと同じく夕食の場で生演奏があった。それぞれのテーブルを訪れて、日本人なら日本の歌を演奏してくれる(チップを渡し損ねた!?)。そして20時30分まだ西の空に多少茜色が残る(暮れるのが遅い)頃、ドナウ河のクルーズ船に乗り込む(13人専用)。

ドナウ河クルーズ

翌朝ブダペストの街の観光をすることになっているが、ドナウ河から先に夜景で見ることになる。よる8時30分と言うのにまだ空は明るい(船着場から見た光景)。ブダペストは、西岸のブダ地区(王宮のある街)と東岸のペスト地区(国会議事堂のある街)があり、その間にドナウ河がある。まず東岸の国会議事堂が見えてきた。ブダペストのシンボルと言われるように立派な建物だ。ハプスブル帝国の支配下にあったハンガリー王国が、1867年オーストリア・ハンガリー帝国となりオーストリアから自治を獲得。その時にブダ地区とペスト地区を統合してブダペスト市を作ると同時に国会議事堂建築に着手。20年近くかけ、4000万個のレンガ、50万の宝石と40kgの金を使ったバロックとネオゴシックの混じった独特の建築物となった。次の写真の奥にある尖塔がマーチャーシュ教会(翌朝見学)。次が王宮。9時頃になってやっと橋や建物のライトアップが始まった。エリザベート橋のライトアップの設計は日本人とか。両岸の建物と橋がほとんどライトアップされている。2段目の4枚目が鎖橋と王宮あたり。3段目最後が先ほどの国会議事堂。(不覚にもデジカメの充電器を忘れ、電池容量を気にしながらの撮影で思うような写真取れず―言い訳?)

市街観光

5日目は朝からブダペスト観光。まず、両側にライオン像のある鎖橋を渡ってペスト地区へ。まず行ったのが、英雄広場。1896年に建国1000年を祝って造られた広場。ハンガリーの英雄たちが飾られている。一段高い真ん中の塔の先端には、大天使ガブリエルが天に向かって十字架と王冠を掲げている。言い伝えによると、ローマ法王ジルヴェスター二世の前に大天使ガブリエルが現れ、イシュトヴァーンをキリスト教国の王として認知するように告げた。その初代の王イシュトバーン王など14人の像が並んでいる。次に向かったのは、聖イシュトバーン大聖堂。1851年から50年近い年月を要して、ハンガリー建国の王を祀るために建てられた。内部の写真中央で光る像がイシュトバーンだ。中央のドームには多くの窓があり、内部を明るく照らす仕組みになっている。描かれているモザイク画はハンガリーを代表する画家ロツ・カーロイ(1833~1904年)の作品だ。次に向かったのは、ブダ地区にある「漁夫の砦」。漁夫の砦は王宮の丘の一角にあり、ドナウ河の漁師がこのあたりを守っていたこと、このあたりに魚市場があったから名付けられたとのことだ。英雄広場と同様、建国1000年を記念して造られた。白い石造りのネオ・ロマネスク式の建物で、三角のとんがり屋根をもつ丸塔が7つある。ハンガリーを建国したマジャール人の7部族を表わしているとのことだ。像は初代国王イシュトバーン。その広場にゴシック様式のマーチャーシュ教会がある。内部に入るとステンドグラスが一際鮮やかに輝く。漁夫の砦からペスト地区を望む。ドナウ河の向うに国会議事堂や大聖堂が見える。

15時過ぎ、ブダペスト東駅から列車でウィーン西駅へ向かう。約3時間の工程だ。

いよいよ翌日6日目のウィーン観光が、今回の旅の終わりとなる。

第14回JASIPA経営者サロン実施(30日)

今回は、香取理事に「地方展開」についてアクティス殿(以降A社)の取り組みのご紹介を頂き、その後、地方展開の目的、課題などに関する意見交換を行った。今回の参加者は11名で、初参加者は2名。

この日は、香取さんの誕生日とは知らず、誠に申し訳ないことでしたが、懇切丁寧に話題の提供を頂いた。A社では、アライアンス先との事業展開や、採用の関係で創業以来10か所の地方事業所を持ち(現在は7か所)、積極的に地方展開を行っている。関西(大阪、神戸)、札幌、福岡ではビジネスパートナー含めてそれなりの規模の事業になっており、目的は達していると思われる。が、地方のマーケット規模、社員の処遇(給与・転勤)、管理コストなどの問題は、いずこも同じで悩ましい問題として存在する。当日、参加頂いた方の所属企業でも地方に事業所を持っている企業は、同じような問題を抱えている。一つ興味深かったのは、ある地方で事業所を立てながら採用にも大きな効果を出している企業が、地方採用者を東京に最初は勤務させて勉強させ、成長できた人間を地方に戻す形を取っているとの話。地方のお客さまへの信頼獲得だけではなく、採用面でもいい循環を廻す一つの知恵だと感じた。家の都合で、いずれ出身地の地元でとの思いを持つ若い経営者もいて、今日の議論は結論は出ないが、参考になったのではないかと思われる。香取さん、ありがとうございました。

折しも、当日朝日新聞に、都道府県ごとの経済的な豊かさを表わす「県民所得」(2010年度分)の内閣府発表データが掲載されていた。1位は東京で430.6万円、2位が滋賀で326.9万円、神奈川が7位で291万円、大阪は11位で282.1万円、最下位は沖縄の202.5万円。この格差をどう見るか?生活コストの差とも考えられるが、ここに地方事業の難しさが現れているとも言えるのではと思える。ますます東京一極集中が進む中、地方の活性化が喫緊の課題として存在するが、政府も民間も悩みは多い。

次回6月は27日(木)開催予定。