復興・ニッポン・シンポに参加して

昨日(7日)、日経BP 主催のシンポジウムが八芳園であった。目玉講演は、多方面で御活躍の寺島実郎様。他に阪神大震災当時兵庫県知事だった貝原俊民氏、仙台が本社のアイリスオーヤマ大山健太郎社長、ガートナージャパン足立祐子氏。

寺島氏の講演は、地震・津波被災地における日本創生に向けた提案もされている(道州制の先行実施で、日本海側も含めた総合的な産業再生、首都機能の那須地域への分散など)が、今回の講演は原発問題に端を発する今後のエネルギー問題が主体であった。

興味ある視点は、14万人がなくなった関東大地震(1923年)時代とは比べ物にならない等身大ではない(人がコントロールできない?)技術に身を委ね、その恩恵をあたりまえのように享受している現実である。原子力はもちろんのこと、超高速新幹線(今回の地震発生時、88本が走行中だったが無事故で停車)、超高層建築物(スカイツリーそのものはともかく、工事中の人の転落事故もなかった。東海村では転落で死傷事故あり。大林組の人の弁―スカイツリーが壊れる時は東京の全ビル崩壊の時―だそうだ。地震の時スカイツリーが最も安全?)など、安全性を信じ、その便益を享受しているうちに、自分自身の足で歩くこと、汗をかいて炭を作り窯をたくなどの、自分の身の丈の目線で生きることの健全性を忘れてしまった。今回の事態に直面して、新幹線の安全性にほっとしつつ、原子力の光と影に戸惑い、思い知らされた。今は、自分達が日頃享受している便益を継続して受けるなら、最大限の努力をしてその安全性と安定性を図り続ける「技術」を追求せねばならない。

寺島氏は従来から自然エネルギー、再生エネルギー推進派と見られているが、原子力技術の維持・向上は必要と説く。周辺の中国、韓国、北朝鮮などが原発、核兵器を推進している中で、アジア、ひいては世界のエネルギー施策や原子力の安全性に関して、日本が寄与し、発言できるためには技術基盤は強化していくべしとの意見には同意できる。

貝原氏は、現在も「ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長」として、東日本大震災の対策にも関与されている(当機構の副理事長が復興構想会議議長の五百旗頭氏)。「創造的復興」のスローガンを掲げ(この標語は四川地震でも、東日本大震災でも使われている)、長期間(2カ月?)県庁に寝泊まりしつつ施策を打たれたことで有名な方です。神戸市の人口は震災直前より若干増える状態までになっている(2011.3時点)。

アイリス(本社:仙台)の大山社長は、3現主義、情報共有、トップの明確な指針で、予想以上の早期復帰を実現。現地の評判を呼び、売り上げも震災の影響を吹き飛ばして増加しているとの事。社員の「お客視点」での復興支援(ガソリンのサービスなど)が徹底されている。

家庭崩壊を食育で食い止める!

子供の虐待、無差別殺人事件、高齢者の行方不明事件を日本の文化崩壊三大事件と言っている評論家がいました。子供の虐待では、その親が子供時代に虐待を受けた人が起こす傾向にあると言う。

 このような風潮の中、日本の文化再興を願う服部幸應氏(服部栄養専門学校校長)が「食育ではぐくむ心と体」の提言をしている。

家庭における食卓を囲んだ親子のコミュニケーションの復活が必要

との提言です。

子供の育成上、三歳までは徹底的なスキンシップ、3歳から8歳までは動物脳と言われる小脳が感性する間に獣から人間に変える躾をしなければならないとのこと。食育の一番の基本は、8歳まできちっと家庭の食卓で躾をすること、そしてこの間に子供に対する親の威厳を植え付けることが重要と説いています。

10数年前の調査らしいのですが、世界20カ国の中学生に、「先生を尊敬していますか?」「親を尊敬していますか?」との質問をしたら、中国、アメリカ、EU12カ国は、80%以上がYES。韓国は儒教の国ゆえかトップの85%。日本は21%!世界の平均は72.3%です。親に対しては他国は80%以上あるのに対し、日本が25,2%。驚くべきショッキングな数字です。冒頭の3大事件の根源はこんなところにあるのではないでしょうか?

 「いただきます」「ご馳走様でした」は、いただく動植物への感謝、作ってくれた人への感謝、天地への感謝、あらゆる存在への感謝の気持ちが含まれている言葉だということです。このような言葉は、外国語にはないそうです。米国でも、食事の時はテレビを見ないとの事。家族のコミュニケーションを楽しみ、その中で子供に対しては褒めて叱る、叱って褒める、両親の威厳を示すことが重要だと思います(米国では親が寝なさいと言えば黙って寝室に行くのが一般的とか)。私も家内と二人の時はテレビを見ながら食事することが多いのですが(よく怒られますが)、孫が来た時はテレビは絶対見ないよう心がけています。

飲んでばかりおらず(失礼!仕事ばかりしないで?)、時には早く帰って食卓を囲むことを心がけてはいかがでしょうか。日本復興のために!

これからは「プラチナカラー」の資質!

昨日、クレディセゾン社長林野宏氏の講演を聞いた。西武から、つぶれかかっていた旧緑屋の立て直しのために1982年に派遣され、2002年にクレジット業界トップの会社にした方である。

講演のテーマは「企業が勝ち残るための人材育成」。高度成長時代は、日本の多くの企業は「優しいけれど冷たい」制度で運営してきたが、今後は「厳しいけれど暖かい」制度に変えるべき、「サラリーマン」から「ビジネスパーソン」へ脱皮する人材育成をすべしと説く。終身雇用、年功序列で守られながら、結局は1企業でしか勤まらないスキルしかない人材ではこれからの世の中生きて行くことは出来ないし、そんな人材ばかりでは企業も衰退しかないと言う。

林野氏独特の方程式

BQ(ビジネス感度)=IQ(知性) X EQ(理性・人間性) X SQ(感性)

で感性の必要性を説き、この感性を磨くためには好奇心や遊びが必要と言う。これからの時代の能力の本質は、これまでの「ホワイトカラー」に求められたものではなく、下記の様なスキルを求める「プラチナカラー」だと。

  • ①大きな夢を抱き、情熱を傾け続ける
  • ②自分の能力や運を信じている
  • ③反骨精神が強い
  • ④苦手なものはやらない
  • ⑤好奇心が強く、趣味・遊びに熱中する
  • ⑥行動はスピード至上主義

管理者は、部下に「良質の経験」を常に意識してさせることができること。

何にでも関心を持つ。

  • おいちょかぶ:「おいちょ」は8、「カブ」は9のこと、ただ語源不明(外来語?)
  • 唱歌「雪やこんこん、・・・犬は喜び、庭駆け回る・・・」:犬はなぜ?雪で縄張りのしるし(小便)が消えたため大慌てで縄張りを再設定するために走り回る。

林野氏は疑問が生じたらWikiPediaらしい。

この3月末に致知出版社より「運とツキの法則」出版。林野氏はマージャンがめっぽう強いらしい。その秘訣とも言える本???いや、れっきとした経営の本です。