100万人の心を揺さぶる「感動のつくり方」(その5)


「演技力であなたをバージョンアップ」の章では、「あなたが大切にしている価値観に沿ってあなたがなりたい自分を演じ切ること」や「自分自慢力を磨け」と平野氏は言う。とかく、「どうせ自分なんか」とか、「自分には無理」、「自分には才能がない」と自分を低く見積もりがち。そこで、「人生で楽しいと感じた瞬間は?」、「あなたはなぜ生まれたと思いますか?」、「ワクワクすることは何ですか?」と自分に問いかけることによって自分の価値観を知ることの重要性を説く。そして自分の価値観をベースにした自分表現力を磨く。その際、表情にも気を使う事。どんなにうまく口で言っても、暗い表情では話の信憑性も疑われる。そして、今までは「日本人は自分をアピールするのは苦手」と言われていたのが、オリンピック招致最終プレゼンや、本田、イチローなどに見るように、見事に日本や、日本人、自分を世界に向けて発信できる人達が増えてきた。「自分自慢力」は、相手に共感を与えることで、アピールになる。あなたの心を動かした体験談を分かりやすく伝える。自分の心が動かないストーリーでは、他人の心は動かせない。

最後に、「感動の鏡を磨く方法」。人を感動させるためには、自分の中にある「感動の鏡」を磨けという教えだ。全く同じ体験をしても、「すごく楽しめる人」「普通に楽しめる人」「全く楽しめない人」がいる。この違いを平野氏は「満喫力(平野氏の造語)」と言う能力の違いだと言う。子供のころを思い出せば、ほんの些細なことに楽しさの要素を見つけ出し、飽きるまで遊び、そして全力で泣き、笑い、走り、寝ていた自分がいた。それがなぜ、大人になったら出来なくなったのだろう。それは昨日の事を悔やみ、明日の事を心配することに多くに時間を使っているから。子供は多くの時間を「今」に生きている。

昨日は、すでに過ぎ去った歴史
明日は、まだ分からない神秘
今日こそが、贈り物(アナ・エレノア・ルーズベルト)

今日そのものの価値に集中する、今ある当たり前の日常を存分に楽しむ姿勢が、「満喫力」を磨いていく。

当ブログでも、「感動できる人間」「些細なことにでも感動できる人間」を育てることによって成功した事例も多く紹介している(例えばhttp://jasipa.jp/blog-entry/7342)。平野氏の著作本「感動3.0」も紹介した(http://jasipa.jp/blog-entry/6163)。平野氏は「顧客に満足を与える」から「顧客に感動を与える」ビジネスへの転換を提言する。期待通りの実感を提供するのが「顧客満足型ビジネス」、期待以上の実感を提供するのが「顧客感動型ビジネス」。各企業が実施している「顧客満足度調査」の「大変満足、満足、まあまあ満足、不満」の選択肢を、「期待以上、期待通り、期待以下」に変えその理由を書いてもらうことで、意外な顧客の期待レベルや貴重な情報が次々と収集できている企業が続出していると言う。

たしかに「現状に満足」している状態から、「今以上に感動」する状態へ、視点を変えるだけで生き方も変わってくる。「顧客満足」から「顧客感動」へ視点を変えるだけで、また新たなものが見えてくるのではないだろうか。顧客へのサービス競争が激化する時代、今一度考えて見たい課題と思われる。

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