ベルギー・オランダ旅行~その3~世界遺産都市巡り


次に紹介するのは、鐘楼以外の世界遺産を持つ都市だ。
まずは、ベルギーのど真ん中に位置するブリュッセル。 “グラン・プラス(grand place)”は、主として17世紀の歴史的建造物群(ギルドハウス、市庁舎、王の家、ブラバン公の館)に囲まれ、世界遺産に指定されている。ヴィクトール・ユーゴーが“世界で最も美しい広場”、ジャン・コクトーが“豊饒なる劇場”と称賛した世界で最も美しい広場のひとつだそうだ。
市庁舎は15世紀に建てられた高さ96mを誇るゴシック建築で、グラン・プラスのシンボルだ。尖塔の上の大天使ミカエル(フランス、モンサンミッシェルの天使と同じ)がブリュッセルの守護天使として街を見下ろしている。市庁舎の反対側に立つ重厚な建物は”王の家“。15世紀にブラバント公の行政庁が置かれ、これを理由に人々は“公の家”と呼び始めた。 その後、公がスペイン王になると“王の家”と呼ぶようになった。現在市立私立博物館で小便小僧の衣装コレクションも飾られているそうだ。広場の北側には18世紀ビール醸造所だった建物で、現在はビール博物館のギルドハウスがある。次は“ブラバン公の館”。正面にはブラバン侯爵歴代19人の像が並んでいて、金箔があしらわれた豪華な装飾がされている。現在はレストランやホテルとなっている。

すぐ近くに男性の横たわった金のブロンズ像がある。14世紀フランドル公に乗っ取られそうになったブリュッセルをもとのブラバン公に戻した立役者セルクラースの像だ。触ると幸せになると言われ、像の全身がピカピカだ。その先に行くと”小便小僧“の像に人だかりだ。ちなみに別の場所に”小便少女”もあるのには驚いた。

次に紹介するのは、ベルギー北部地方にあるアントワープ。ヨーロッパ第2の港を持ち、賑やかで活気溢れる工業都市で「フランダースの犬」の舞台、画家ルーベンスの故郷としても有名だ。はじめに紹介するのは「聖母大聖堂(ノートルダム大寺院)」。毎時、高さ123mの優美な鐘楼から美しい鐘の音色を響かせる、アントワープのランドマーク的存在の大聖堂。白を基調とした女性的な美しさの聖堂内には、「フランダースの犬」の少年ネロが憧れてやまなかったバロックの巨匠ルーベンスの祭壇画が複数奉られている。中でも特に注目したいのが、中央祭壇に掲げられた「聖母被昇天」と、左右の翼廊に飾られた「キリストの昇架」「キリストの降架」の連作だ。ステンドグラス、柏の木でできたバロック風の”真実の説経台“(ベルギーでは多くの教会に立派な説経台がある)、そして阪神大震災で神戸の教会にレプリカが送られた”アントワープの聖母“の木像がある。

アントワープの名前の由来が語られる像が、市庁舎が面するグローテ・マルクト広場にある。市庁舎は1561年から1565年にかけて建設され、ベルギー国内で最大のルネサンス建築だ。その前に立つ古代ローマの兵士ブラボー(ブラバント)の像。ブラボーは、その昔、町を救ったとされる人物で、街の近くで猛威を奮っていた“巨人の手ant”を切り取って“投げたwerpen”という伝説があり、「アントワープAntwerpen」という町の名前は、この伝説に由来しているといわれている。

次に紹介するのは、ゲント。ブリュッセルの西北に位置するベルギー有数の古都で、12世紀からフランダース州の州都として栄えた街だ。街を歩くと、教会やギルトハウスなど中世の多くの建造物に出会う。“聖バーフ大聖堂”は、ベルギー7大秘宝の一つである「神秘の子羊」(15世紀に描かれたファン・エイク兄弟による祭壇画)がある。聖堂内の一角に飾られているが、その一角に入るのも有料、撮影も禁止だ。イエスを象徴する子羊の周囲に聖書の中の登場人物が緻密に描かれた大作だ。近くに”市庁舎“、”聖ニコラス教会“がある。

一番のビューポイントは、レイエ河の両岸に並ぶ壮麗な表飾りが施されたギルドハウスが立ち並び(真ん中のピンクの建物がマリオットホテル)、中世のゲントの栄光を感じる“コーレンレイ(西側)、グラスレイ(東岸)”だ。レイエ河にかかる聖ミハエル橋から見たレイエ河の両岸だ。岸から見た聖ミハエル橋で、その奥に聖ミハエル教会が見える。

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