2月7日から23日までの17日間、ソチで開かれた冬季オリンピックも閉会式を迎えた。日本は長野オリンピックを超えるメダル獲得10個以上を目指したが、残念ながら8個に終わった。しかし、今回のオリンピックで、感動の数はメダルの数だけではないことを多くの方が感じたのではなかろうか。確かにメダル獲得者では、スノボ男子ハーフパイプで見事な技で銀、銅を獲得した平野、平岡君の10代ペア(特に15歳最年少メダルの平野君)に感動をもらい、ジャンプ男子ノーマルヒルでの最年長葛西の銀メダルには日本国中歓喜の渦が沸き起こったものと思う。フィギュア男子の羽生君の前評判通りの金メダル、それも19歳と言う若さで極めた頂点、ノルディック複合の日本の伝統を復活させた渡部選手、種目で初のメダルを獲得した竹内、小野塚選手、いずれもメダル獲得に向けての刻苦精励、私のような凡人には想像もつかない努力も含めて感動をもらった。
しかし、スキー女子ジャンプの高梨沙羅選手、誰もが金メダル間違いなしと思っていたが、4位となった。しかし、日本中の皆さんは沙羅ちゃんの大健闘に大きな拍手を送った。微妙な風の影響もあったそうだが、気丈に「たくさんの方々に応援していただけたのに、ベストを尽くせず、結果を残すことができなかったので、今は申し訳ない気持ちでいっぱい」、「技術はもちろん、精神面も磨いて、もっともっと練習して、レベルアップしたい」と語る17歳の姿に、ほとんどの方は涙し「よく頑張った」と褒めたたえた事と思う。
特筆すべきは浅田真央ちゃんだ。ショートプログラムで誰もが信じられない16位。私も、フリーはショートの成績を引きづり、期待できないのかなと思っていたが、それを見事に裏切り、自己ベストの演技を行った。この凄さに、日本だけではなく世界が驚き、賞賛の言葉を贈った。可憐な少女が、なぜこんな芸当が出来るのか?「今回の演技を最高レベルで終える」との思いと、それに向かっての過酷で不断の努力による自分に対する信頼感、そして一夜にして前を向くしかないと決断し、まさに心をそのように持って行った、その精神力に脱帽だ。観戦していた高橋大輔も、演技を終えた浅田を見て号泣したと言う。浅田の苦しさを思い、それを見事に克服した姿に神を見たのかも知れない。
ともかく、オリンピックは選手にとっても最高の場でもあり、特別な場でもある。何が起こるかわからない怖さがあると思うが、全力でプレーに取り組む姿にほんとに元気をもらう。すべての選手に大きな拍手を送るとともに、「感動をありがとう!」と言いたい。
3月7日から16日はパラリンピックだ。前回バンクーバーでは42人の選手で11個のメダル(金3、銀3、銅5)を獲得し、今回のソチでは出場選手は20人と縮小されたが目標メダル数はバンクーバー以上に置いている。壮行会での安倍総理の発言「今までのさまざまな困難を乗り越えてきたものを、ソチパラリンピックの舞台で、大きな成果を出していただきたいと思います。日本中で皆さんの活躍を応援しています。日本から送る声援と熱意を力に変えて頑張ってほしいと思います。」とかく、メディアでの取り上げ方もオリンピックと比して静かに成りがちだが、2020年東京大会に向けて、みんなで応援し、大会を今まで以上に盛り上げたいものだ。ロンドンパラリンピック以上の盛り上がりを2020東京でも見せられるように(ブログhttp://jasipa.jp/blog-entry/9205「車椅子だったら日本に住みたくない~佐藤真海~」参照ください)。
私もソチオリンピックで活躍した選手の皆さんからたくさんの元気をいただきました。メダルを獲得した選手からも惜しくもメダルを逃した選手からも・・・沙羅ちゃんの試合後のインタビューは、「そっとしておいてあげて・・・彼女の気持ちわかってるじゃん」と思いましたが、涙をこらえ、一言一言かみしめるように答える姿に感動し、真央ちゃんの素晴らしいフリーの演技には泣けました。