南ドイツ旅行~その5~


朝8時ミュンヘンのホテルを出て、ロマンチック街道を一路北に進み、ディンケルスビュールに向かう。ロマンチック街道は、ドイツ南部の中央を縦断し、マイン川に面したヴュルツブルク(翌日訪問)から、オーストリアとの国境付近のフュッセンを結ぶ約350kmの、ドイツ観光では最も人気のある街道である。街道には中世の趣を残す街が数多く存在する。紀元15年ローマ人が建設したドイツ最古の都市アウクスブルク、「ロマンチック街道の宝石」と謳われる中世の町並みがそのまま遺る美しい町ローテンブルクなどがある(日本でも小諸~日光230kmをロマンチック街道と命名している)。道中、中世の街並みと紅葉が美しい。毎朝の光景だが、朝は冷えるのか靄が立ち込める光景もロマンチックだ。

2時間少々でディンケルスビュールに着いた。この町は、中世都市として無傷で遺された城壁に囲まれた町である。ローテンブルクに比べ小規模であるが、そのため一層、中世の面影は色濃いと言われている。毎年7月中旬に行われるキンダーツェッヒェの祭りでも知られる。この祭りは三十年戦争の時に子供達が敵将に町を救ってくれるように懇願し、赦されたという故事に基づいて行われる子供達が主役の祭りだ。城の門を入り、町の中を歩くと聖ゲオルク教会に着いた。教会建築の名人ニコラウス・エーゼラーらによって1448年に建てられた。内陣はハレンキルヒェ(ホール型教会)という様式で、窓が大きく、内部はとても明るくなっている。教会の尖塔は13世紀に建てられたロマネスク様式。教会の前には、ドイチェ・ハウスがある。この建物は観光名所となっており、1440年頃に建てられた美しい木組みの家で、現在はホテルとして使用されている。このように三角屋根の高層建築が多く、ほんとに美しい街並みだ。

次に人気都市ローテンブルクに向かう。この街も城壁に囲まれた美しい街として観光客が多い。最初に城壁内のホテルにチェックイン。外観も内観も中世の風情で落ち着く。ホテルの看板も珍しい。ホテル名はゴルドナー・ヒルシュ(金色の鹿)で、看板は鹿を模している。ホテルの前から、ローテンブルクの有名な撮影ポイント、プレーンラインが見える。ローテンブルクで最も美しい一画と言われています。坂の上にある塔はジーバース塔。休憩後、町の中心マルクト広場に向かう。広場には、市庁舎があり、仕掛時計で有名な市議宴会館がある。残念ながら現在修理中で中には入れなかった。17世紀の30年戦争で、新教についたこの街はティリー将軍率いる旧教軍に敗退、将軍は街を焼き払えと言い渡した。街の女子供が泣いて懇願しても耳を貸さなかったが、元市長のヌッシュが一計を案じ、選帝侯の大ジョッキになみなみと白ワインをつぎ(3.25リットル)、「これを一気に飲み干したら街を助けてくれ」と申し出たところ、そんなことは出来ないと思ったティリー将軍は承諾。ところが必死の形相で10分で飲みほし、そのまま4日間眠り続けたが町は助かったとの伝説があった。その伝説を仕掛けにし、時計の左にティリー将軍、右にヌッシュが現れて“マイスターツリンク(天下無双の一気飲み)”を演ずるらしい。広場のすぐ近くに聖ヤコブ教会がある。15世紀に完成したプロテスタントの教会だ。有名なのは“聖血の祭壇”でキリストの聖なる血が3滴納められていると言われている。その祭壇の下には見事な最後の晩餐の彫刻がある。城壁越しにタウバー川と街並みが臨めるブルク公園に行った。城壁のも登ってみた。城壁から見た城壁内の景色だ。

夕食では、フランケン地方で有名な白ワインを戴いた。このあたりは8割が白ワインとのこと。おいしいワインだった。

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