最近とみに地球温暖化に関する記事が多くなってきた。11月のCOP19(国連気候変動枠組条約機構)が近づいてきたからだろうか。9月28日には6年ぶりに国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書が公表された。それによると、今世紀末には平均気温が4.8度上昇し、海面が82cm上昇する。そして「気温上昇が人間活動に起因する可能性は95%以上」「温暖化ガスの濃度は少なくとも最近80万年で前例のない水準」「CO2濃度は産業革命前から40%増加」などとも言っている(日経)。当ブログでも9.6に「世界的な異常気象への対応は?」(http://jasipa.jp/blog-entry/9033)で問題指摘したが、日本政府は環境省と経産省で調整がつかず、先進国の中で唯一温室効果ガス削減目標が決まっていない。新しいエネルギー構成が原発比率が定まらないため決められず削減目標は決められないと言うのが経産省の言い分と言うが、実現可能値を置くのが目標だろうか?地球規模の問題で、今の状態が続けば世界が崩壊するかも知れないと言うときに、実現可能値しか頭にないのでは、日本のリーダーシップは到底発揮できない。昨日の記事(朝日)では、2020年に2005年比6~7%減程度とする調整に入ったとある。元々京都議定書では1990年比での目標設定をしていたが、2005年の温室効果ガス排出量は90年より7%多いという。日本の今回調整に入った目標は、2020年に1990年並みに戻ることを意味し、国際社会の批判を受ける可能性を指摘している。今、省エネ技術では世界最先端を走っている日本に対する世界の期待は大きい。さらなる技術開発を促進し、アベノミクスの成長戦略を刺激するためにも、ある程度チャレンジングな目標を設定し、世界をリードする気概が求められるのではなかろうか。
「朝日地球環境フォーラム2013」が9月30日~10月1日に開かれた。世界の専門家に交じって中田英寿氏もスペシャルトークを行っているが、私はビデオメッセージを寄せたカナダの日経4世セバン・かリス・スズキ氏の話に興味を持った。タイトルが「我が子のために世界を動かそう」。21年前の12歳の時にリオの地球サミットで演説し有名になった方らしい。昨年もリオでの「国連持続可能な開発会議」に参加されたそうだが、この20年いろんな会議に参加しているが、最近持続可能性に対する政治や社会の力が失われている感じを受けていると言う。彼女は言う。「権力者の最重要課題は相変わらず経済成長だ。人類の存続を可能にしてきた地球環境のバランスを維持するために、今、何よりも必要なのは経済、社会的パラダイムシフトだ。子供に対する親の愛が社会を変える源泉になる。私たちが行動を起こさなければならない最大の道徳的責任は、子供の為、未来の為、愛の力を活用し、地球の現状に照らして自分の選択肢を決め、恩恵と責任をしっかり関連付けて考える社会に転換しなければならない」と。彼女は、「政府のトップに任せていては世界は変わらない」と環境活動家として世界を駆け巡っている。
日本でも、「経済成長」を第一義としたアベノミクスがもてはやされているが、「経済成長」のみではなく、未来の環境を考慮した日本の良さ(森の多さなど)を生かし、伸ばすための施策も合わせて必要ではないだろうか。当初安倍総理も言っていた「日本の里山文化も守っていく」との発言に対する施策が全く見えない。「日本の森を守る」ために地方でいろんな取り組みが行われているが規制の壁に阻まれ広がらないと聞く。木材チップを使ったエコストーブや、木材利用の技術革新など。「里山資本主義(藻谷浩介、NHK広島取材班共著、角川書店、2013.7.10)」に詳しい。別途ブログにUPしたいと思っている。
「朝日環境フォーラム2013~美しい星 つながる未来~」への1件のフィードバック