10月1日安倍総理は来年4月からの消費税3%増税を決断した。合わせて景気の下振れを懸念した経済対策も合わせて発表した。その中で、今年12月中に決定するとした復興特別法人税の1年前倒し廃止が議論を呼んでいる。
私も、なぜ法人税の中の復興税を前倒し廃止することにしたのか?与党の中でも議論があるように、国民すべてが復興支援する「絆の増税」だったのが、個人に対する課税はそのままにし、法人だけ前倒しにすることに、国民の多くが疑問を呈しているのではないだろうか。なぜ、国民の不評を買う復興法人税に手を付けたのだろうか?1日の記者会見の説明では理解できない、というか、むりやりこじつけた論理としか受け取れない。安倍総理は、「個人対法人の考え方はとらない。(企業の)収益が伸びれば雇用が増え、さらに賃金が増えれば家計も潤う。」と説明している。また「日本の法人税を下げて、外資が進出しやすい環境を作る」とも言っている。その理屈からすると、何も復興法人税分を廃止するのではなく(復興税分は2年すればなくなる暫定税)、法人税そのものを減税するのが自然の論理ではないかと思うがいかがなものか?
要は、安倍総理も法人税減税が本丸と思いつつ、国民より怖い何かがあるため、とりあえず復興税減税とせざるを得なかったということと推測できる。それを無理して説明するため論理矛盾を起こす。あるいは継続的財源確保が難しいからとりあえず復興税にしたのか?しかし、それも、今回の復興税減税の財源としては、主に経済成長による法人税増分を充当すると言っているが、それなら「経済成長に関して絶対達成しなければならない。私を信用してくれ」とのこれまでの自信に満ちた言葉からすると、法人税減税は経済成長による税金増分で十分財源を賄えると自信を持って言えないのだろうか?
今回の復興税減税分を賃金に使えと言っているが、経営者は、暫定的な減税ではなく、永続的な減税でなければ、一時金はともかく、給与UPに踏み切れないのではなかろうか。トヨタの社長が言うように、成長戦略の3本目の矢をきっちりやって頂くことが肝要」との発言も、まさに継続的な経済成長実感が欲しいと言うことだと思う。
「脱デフレ」は国民の悲願だし、賃金UPに対しても期待大だと思う。その兆しは出ているが、今は期待感が主体だ。今回の5兆円の経済対策も金額ありきで、中身はほとんどない。今回窮余の策として復興法人税前倒しを選択したが、これが成長戦略の1丁目1番地と総理が言う規制緩和に向けて、打ち破れない岩盤の存在を認めざるをえないと言うことだとすると成長戦略にも暗雲が立ち込める。安倍総理のリーダーシップと覚悟に対する期待は大きい。今回のような辻褄合わせの論理を強弁するのは辞めて、素直に国民が納得できる政策を推し進めてほしい。
同感です。消費税を上げても、またバラマキその他の無駄遣いにまわされてしまわないかとちょっと心配しています。