5日目、いよいよ花の都「フィレンツェ」へ。ミラノから約270km、4時間ほどの行程だ。フィレンツェはトスカーナ州の州都。紀元前59年にカエサルが退役兵士に土地を与え城壁をめぐらせて整然とした街を造ったことが起源と言われる。15世紀には織物と銀行で財を築いた豪商メディチ家がルネサンス文化の扉を開く。グッチやフェラガモはフィレンツェ生まれだ。
まずフィレンツェに入って、糸杉の並木を見ながら降り立ったのが「ミケランジェロ広場」。アルノ川とドゥーモ、そして赤い屋根のすばらしい眺めが我々を迎えてくれる。広場の真ん中に複製だが「ダヴィデ像」が立っている。
いよいよ街の中心に向かう。フィレンツエのシンボル「ドゥオーモ」。正式名称は「サンタマリア・デル・フィオーレ(花の聖母)大聖堂」、ドゥオーモ(大聖堂)、サン・ジョヴァンニ洗礼堂、ジョットの鐘楼の三つの建築物で構成される。ドォオーモは1296年にカンビオが建設を開始、1436年一応完成させたが、円蓋(クーポラ)についてはその大きさゆえに難航しミケランジェロが1471年に完成させたもの。ローマのサン・ピエトロ大聖堂、ロンドンのセント・ポール大聖堂に次ぐ世界で3番目の大きさを誇る。洗礼堂は修復中で内部には入れなかったが、ロレンツォ・ギベルティによる東側の扉(1452年完成)が特に有名で、後にミケランジェロが「天国への門」と呼んだと言われている白と緑の大理石を使ったモザイク画が見事。大聖堂は外観の荘厳さに比して、簡素なものとなっている。ステンドグラスも他の聖堂と比べると質素なものであるが、その中で天井のフレスコ画(最後の審判)が一際目立つ。
ドゥオーモ広場を南に下がり、ダヴィデなどの彫刻群があるシニョーリア広場、ゴシック様式のフィレンツェ共和国の政庁舎、メディチ家の宮殿でもあったヴェッキオ宮殿を通って、ベッキオ橋に出る。
最後はメディチ家が収集した3万点の絵画を所蔵する「ウッフィッツィ美術館」だ。ボッティチェリ、レオナルド・ダヴィンチなどの作品に注目だ。3月21日~6月28日に東京Bunkamuraで「ボッティチェリとルネサンスフィレンツェの富と美」が開催されているが、当美術館所蔵のものだ。受胎告知(レオナルド・ダヴィンチ)、ヴィーナスの誕生/プリマヴェーラ(ボッティチェリ)、ヒワの聖女(ラファエロ)、聖家族(ミケランジェロ)、ウルビーノのヴィーナス(テツィアーノ)など。彫刻群も多彩。
次回は、フィレンツェから1時間程度のピサ観光に関して紹介する。