我が家のベランダ花盛り(5月)

コロナ禍で巣ごもりが続きます。人と会う場はすべてキャンセルとなり、3か月鉄道・バスにも一切乗らず、散歩以外は家に閉じこもる生活が続いています。やっと今日、全国緊急事態宣言がほとんどのところで解除されるとの事ですが、外出制限は続きそうです。緊急事態宣言が継続される東京も昨日感染者10人と宣言中の最低を記録しました。しかし、まだまだ安心はできない状態が続きます。秋以降、第二波、第三波が確実に来ると言われています。テレワーク中の方も多いと思いますが、今の生活スタイルが長く続くことも覚悟しつつ、楽しめるように変えていく努力が求められますね。

毎年今の時期ブログにもアップしていますが、我が家のベランダは花いっぱいになります。その主役は“ペラルゴニウム”です。今年も、挿し木したものも増えて、濃いピンク色、淡いピンク色、紫色と数種類の花が満開近くとなり、巣ごもりの憂鬱さを吹き飛ばし、ひと時目と心を楽しませてくれています。これから2~3か月は楽しめます。

“ブーゲンビリア”も、4月頃からいち早く花を開きました。“ニオイバンマツリ”が満開となり、独特の香りをまき散らしています。”ベゴニア”も色を添えてくれています。

”薔薇”がひときわ目立った存在感を表しています。

2月末からほぼ毎日、近くの公園や、親水公園など5㎞四方を早足で散歩しながら、時々の花を観賞できるのも外出制限のお陰です。桜はもちろん、ボタンやチューリップ、つつじ、今は“シラン“の赤や白の花が見事です。

コロナ感染者、公表値の10倍も!?

25日の日経3面の記事の標題「米欧感染 公表値の10倍も」(コロナ抗体検査で判明)とのショッキングな記事に驚いた。感染しても無症状の人がいることで今回のコロナウイルスの怖さを感じてはいたが、抗体検査の精度は別にしても定量的にこんな数値を突き付けられると今まで以上に怖さを感じる。ニューヨーク州は約10倍だが、カリフォルニア州ロサンゼルス郡が28-55倍、同州サンタクララ郡は50-85倍、オランダ約15倍、イタリア約30倍とある。
今日から、小池知事の言う「ステイホーム週間」が始まった。5月6日までの特に厳しい外出規制の要請だ。昨日まで東京の感染者数の公表値は4000人弱だが、各国の抗体検査結果の10倍から50倍のデータに照らし合わせると東京人口(1400万弱)の0.4%~2%いることになる。100人に1~2人くらいはいることになる。
私は、2月末から、スポーツジム通いを止め、ほぼ毎日1時間半程度の早歩き散歩をしている。もちろん人手が少ない道や、親水公園などの整備された散歩道などが主体である。しかし、人の数は少ないが、散歩やジョギングを楽しんでいる人たちとたまにすれ違うこともある。最近ジョギングしている人の息の怖さも言われており、マスクをしていても、すれ違う時には少し距離を空けることにしているが、人は少なくても道幅の狭いところは避けなければならないのではと思う。ましてやスーパーでは厳重な注意が必要だろう。

当該記事では、「感染して免疫をつけた人が人口の6割以上になれば理論上は集団免疫となり、コロナウィルスの感染流行は終息に向かうとされる」とある。東京で言うと800万人以上に免疫がつけばいうことになるが、そんなことが可能なのだろうか?
抗体検査はアメリカや中国など各国で大規模に実施する動きとなっている。日本も検討に入ったと聞く。韓国や中国で再感染者が発生し、抗体が再感染を本当に防ぐのかとの基本的な問題もあり、科学的な知見の蓄積と精度の向上が課題となっている。が、抗体が免疫に効果ありとなると、英国が計画している「証明書」を発行し、免疫のある人から外出を許可しながら経済活動を再開する明るい見通しが開けることになる。

6割が抗体を持つ状態を作るには、感染者を増やすと言うことは現実的ではなく、やはりワクチン開発を待つしかないのだろう。感染しても無症状が確約できれば率先して感染して抗体を作ることもありうるが、これは現実的ではない。しかし、精度の高い抗体検査を大規模に実施し、部分的にでも今の不安から逃れることが出来れば、対策にも幅が出来る。今重要なのは、無症状の感染者で治癒した人も含めて公表値よりはるかに多い人がいることを認識し、不要・普及の外出は控えること、そして出かけるときはマスクをし、人と人の距離を守ること、手洗い・うがいの励行などの呼びかけを守ることだ。苦しい日々だが、これに耐えなければ未来は遠い。

北里柴三郎がテルモの創業者!コロナ対策に日本は世界を主導せよ!

「細菌学の父」と言われ、ノーベル賞の候補にもなった北里柴三郎(1853~1931)が、医療機器大手のテルモの起業家の一人だと知って驚いた。4月4日の日経8面「Deep Insight」「起業家北里柴三郎に学ぶ」のタイトルの記事(日経コメンテーター梶原誠氏)だ。北里はペストの流行で崖っぷちにあった香港に1894年に乗り込んで菌を発見、対処法を割りだした。14世紀に欧州で大流行し、世界人口の2割が死亡し、それ以降も致死率30%~60%の年率で流行を繰り返していたが、北里の発見が功を奏し、今では(今もペスト流行はつづいているそうだ)世界では8%程度に抑え込まれていると言う。この経験から北里は、「社会に役立ってこそ研究の意味はある」と確信し、その理念実現のために創業を手伝ったのがテルモだそうだ。
同じ時期に三共を創設した高峰譲吉(1854-1922)がいた。高峰は米国在住中に当時日本人への反発が強い米国要人との関係つくりに奔走し、「無冠の大使」とも言われた。さらにこの時代に、北里と高峰の活動を支えた実業家で{資本主義の父」と言われた、渋沢栄一(1840-1931)がいた。妻をコレラで亡くした渋沢は、結核を予防する北里の事業のトップに就いて資金を集めた。高峰にも呼応し、日米企業が合弁や人材交流で共に成長することを米国に提案、緊張の緩和を目指した。

今、コロナ危機で「健康の危機」「グローバル化後退の危機」「資本主義の危機」に遭遇している。梶原氏は、今3人がいれば、今の状況をどう立て直すだろうかと問いかける。北里が感染の現場に飛び、ウィルスへの対処法を見つけて事業化の道を探るのは想像に難くない。高峰も治療薬の開発を急ぐだろう。そのためにも、世界の感染症の専門家が反グローバル化の壁を乗り越えて情報を共有できる仕組みを作ろうと奔走するに違いない。そして「会社は社会の公器」との持論を持つ渋沢は、資本を集めて企業に流す「キャピタリスト」として、二人やそれに続く社会的な企業を支えるだろう。医療や医薬のビジネスには莫大な投資が欠かせない。ましてや数年に一度の未知の感染症への対策は、研究開発投資への支持が得にくい。こんな状況下でも渋沢は資金集めに奔走するだろうと言う。

4月12日の日経朝刊2面「コロナ危機―私の提言」にビル・ゲイツ氏が「G20首脳世界的視野をーワクチン投資惜しむな」との提言をしている。多くの低・中所得国をいま支援しなければ、感染者数と死亡者数が現在の水準を超える可能性は高い。このままでは数百万人が命を落とす危険性がある。先進諸国が今後数ヵ月で抑え込みに成功しても、このパンデミックがどこかで猛威を振るう限り、新型コロナが再び襲ってくることはある。この点こそ、この感染症との闘いにグローバルに取り組むべき理由であると指摘する。ビル・ゲイツ氏は3年前から多くの政府と共に感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)を立ち上げ既に少なくとも8種類の新型コロナ用のワクチン開発に取り組み、研究者らは18か月以内に少なくとも1種類は用意できると確信していると言う。CFPIには少なくとも20億ドルの資金が必要で、G20首脳に直ちに意義ある拠出を要求する。

1年延期された東京オリンピック・パラリンピックを実現するには、日本だけが克服できても成立しない。全世界が克服できて初めて実現できる。「新型コロナに打ち勝った証として開催」と唱えるだけではなく、この際日本がリーダーシップを発揮して、北里、高峰、渋沢の役割を果たす人材ネットワークを世界的に作り出し、ワクチンの一刻も早い開発を実現させなければならない。紛争が続くイスラエルとパレスチナでは、コロナ対策においては、医師の相互派遣などで協調しているとの情報も12日の日経には掲載されている。コロナ禍での米国と中国との争い、トランプ大統領のWHOに対する攻撃など、黙ってみていると、ますます来年のオリンピック・パラリンピックの開催が遠のくのではと危惧する。世界の北里、高峰、渋沢を見つけ、オリンピック・パラリンピックを安心して開催できるよう、今が日本の出番ではなかろうか。ビル・ゲイツも大きな力になってくれるだろう。

冲中一郎