パラリンピックも応援しよう!

先のオリンピックでは、過去最多のメダル数を獲得した日本人の活躍があり、応援も過熱した。終わったあともメダリストは大忙しだ。続いて行われているパラリンピックは、テレビ放送が少なく、わりと平静であるが、日本人も17競技、134名が参加して8月29日から始まっている。北京では27個のメダルをとり、今回の目標はこれを超えること。頑張ってほしい。

昨日行われた「ゴールボール」を見た。視覚障害選手が行う対戦型スポーツで、1チーム3名の選手が鈴の入ったボールを投球して攻撃したり、鈴の音を頼りに身体全体を使ってセービングをするなどの攻防を行い得点を競い合う競技だ。ほぼバレーボールコートと同じ広さで、縦18メートル、幅9メートルの広さの中で競技する。ゴールは幅9メートル、高さ1.3メートルでサッカーのゴールと同じような形となっている。そのゴールの前で、3人が投げてくるボールの行方を感知し、手足を一杯に広げて防御する。手足を伸ばしても3人で9メートルのゴールを守り抜くのは厳しい。そのためボールの中の鈴の音を聞いて、ボールの来る方向を如何に見定めるかが勝負となる。

練習風景を見て驚いた。敵のゴール前にいる選手が、味方のゴールの所でボールを持ったり、置いたりする時の鈴の音でボールの位置を言い当てるのだ。9メートルを18等分して、その場所を当てる。その的中精度がすごかった!「神経を研ぎ澄ませて鈴の音に集中するその緊張感が楽しい」と選手の浦田理恵さんは楽しそうに話していた。この浦田さんは教員になりたくて教員資格もとったが、20歳の時難病にかかり急に目が見えなくなった方だ。昨年10月にホテルニューオータニで開催された致知出版社主催の全国木鶏会での浦田さんの話には感銘を受けた。「皆さんは私が目が見えないとは分からないと思いますが・・・」と笑顔で話す姿は、全く健常者と変わらない姿に見えた(ブログはhttp://blog.jolls.jp/jasipa/nsd/date/2011/10/26)。

障害者の方の前向きに明るく努力されている姿に、健常者も多くの刺激を受けると思います。健常者では想像だに出来ないスキルを身に着けている方も多いと聞く。是非ともパラリンピックもみんなで応援して、北京以上の成績を是非とも挙げてほしいと願う。

答はお客の中にある!

昨日は、あるJASIPA会員企業で、リーダー層を集めたサロンを実施した。4月からはじめている「JASIPA経営者サロン」の企業版である。7月28日にも別の企業で実施したが、昨日は2回目の試みであった。19時から開始し、終わったのが22時過ぎ。議論続出であっという間に時間が過ぎていった。

テーマはずばり「顧客から信頼される会社、社員となるためには」。出席者は10名。私の方から、JISAでも推進している「IT業界の構造改革」の必然性から、顧客へのサービス競争の激化を説き、これに打ち勝つためには何をせねばならないか、1時間ほどプレゼンをした。その後、「第2回JASIP経営者サロン」(http://jasipa.jp/blog-entry/7566)と同様、「顧客満足度」に関して意見交換をした。「如何にお客様からの期待、本音を聞き出すか」、「その期待に応える提案を如何にするか」、現場にいながら、お客様(一次請けベンダー含めて)と如何にコミュニケーション(言うべきことを言う)を取るか、皆さん悩んでいる実態も浮かび上がった。とかく、「お客様の指示通りにやっておればいい」となりがちだが、これではお客様からの信頼は勝ち取れない。「さすが○○さん!」「さすが△△社さん!」と言われる存在にならなければ、ますます激しくなるお客の奪い合いに勝てない。喧々諤々の議論から、何かを得てくれたのではないかと思う。

クリエイティブ・ディレクタ佐藤可士和氏は、ユニクロ、セブン・イレブン、楽天、ホンダなどの広告キャンペーンや、オフィスデザインなどで企業のブランドを挙げている方だ。よくも次から次へとアイディアが出てくるものと思うが、佐藤尾氏曰く「アイディアは自分がひねり出すものではなく、相手の中にある。たとえ初めて経験することであっても、対象と真剣に対峙すれば答えは見つかる」と。ヒット商品を生む秘訣は「前提を疑う」ことと、「人の話を聞く」こと。「デザインとは、一つのソリューション。一般的には表層的な形や美しさを作ることだと思われがちだが、クライアントの言葉にならない熱い思いやビジョンを引き出し、最適な形に具現化していくことだ。何人ものクライアントを抱えていると、つい目の前のクライアントを大勢の中の一人と考えがちだが、それは違う。クライアントにとっては、1回、1回は真剣勝負で、社運をかけて臨んでいるわけだから、失敗なんて許されないのだ」。(致知2012.9号より)

成功者は、お客様の視点に立ち、徹底してお客様の問題解決にあたっている。佐藤氏は打率10割、すべてホームランを目標にしているそうだ。我々にも大いに参考になる話だ。

勇志国際高等学校(天草市)

以前、当ブログで日本人の矜持を育む学校、海陽学園(http://jasipa.jp/blog-entry/7196)を紹介した。教育改革に取り組む人は数多くおられるが、今回も荒廃する一方の日本の教育界において、日本人の誇りを徹底して植え付けることで、子供たちを問題行動から立ち直らせている教育者を紹介する。熊本県の勇志国際高等学校長・野田将晴氏である。「致知2012.9」に青森県で現役の中学校教師時代、日教組と戦い、多くの非行少年たちを更生させてこられた木村将人氏との対談記事がある。タイトルは「日本人の誇りを取り戻せば子供たちは変わる」。

勇志国際高等学校は、広域通信制高等学校としてH17年に熊本県天草市(御所浦町)に設立された(小泉内閣時代の教育特区指定を受けて)。全体の7~8割が不登校経験者、2~3割がやんちゃではみだしてしまった生徒との事。そこの校長として、元警察官、熊本市会議員、県会議員だった野田氏が要請を受け着任された。基本は自宅学習と、4泊5日の集中スクリーニングだが、ここの生徒たちの特性に応じたカリキュラムが特徴だそうだ。一に生徒の長所を見て、それを伸ばす教育に徹していること。二つ目は日本人としての誇りを取り戻すこと。この2本柱が評判となって、入校する生徒は毎年増え、114名でスタートしたが、今は1000名を超える規模になっているとか。教育方針は

一、親孝行する青年たれ
二、志ある人間たれ
三、誇りある日本人たれ
四、役に立つ国民たれ
五、尊敬される国際人たれ

全国から集まるスクリーニングの際に、如何に心のバリアを無くしてあげられるかが勝負と言う。漁業体験やマリンスポーツもあるが、最も力をいれているのが、明治維新から大東亜戦争に至る近現代史の教育だ。GHQ占領時代の「歴史、修身」を教育課程から外し、日本の罪意識を植え付ける教育で、最も疎かにされていたのが近現代史。教師にも徹底的に近現代史を勉強させ、生徒と「日本は自ら戦争に突入していった戦犯なのか」や、「天皇陛下の存在意義」などについて議論させる。そして、日本人の誇りを感じた生徒は、目の前で明らかに変わっていくと言う。

野田氏が「日本人の誇り」を感じたのは、24歳の時JAICAからマレーシアに派遣された時。東京での事前研修の際、「マレーシアに赴任後は、戦争の話は厳禁。すれば石が飛んでくる」と諭された。が行って見ると相手から戦争の話をされ「ありがとう」の連発。柔道を指導した若者からは「日本軍がイギリスを追い払ってくれたお蔭で独立できた。日本の天皇を尊敬している」と家族で家に招待され歓待されたとか。この時、子供たちに正しい歴史観を伝えるのが自分の役割と認識されたたそうだ。そして、「教育の本質とは、祖国の尊い歴史と文化を次世代に語り継ぐ営みだ。生徒と教師が祖国への誇りを取り戻せば、いまマスコミを騒がせる問題の多くは解決できる」と確信を持っておられる。

(「日本人の誇り」についてはhttp://jasipa.jp/blog-entry/6662の記事も参照ください)

冲中一郎