JASIPA経営者サロン 第15回へ是非ご参加ください

JASIPA会員の皆様、今回は初めて外部専門講師を招いての経営者向けサロンです。テーマもIT業界の悩みの種でもあるメンタルヘルス系の「ポジティブ心理学」のお話です。経営者の皆さんの最大の関心事項と思います。講演して頂くのは、花王、ロータス、IBMなどの企業体験を経ながら、企業での人材育成の限界を感じ、「長期視点の人材育成」をするために自らNPO法人(ワーク&ライフ・デザイン研究所)を設立し、活躍されている落合氏です。

私も以前から「ポジティブな考え方」の効用については興味があり、関連記事をブログにアップしてきました。「ポジティブ心理学とは(日経)」(http://jasipa.jp/blog-entry/8442)、「仕事も人生も充実させるポイント」(http://blog.jolls.jp/jasipa/nsd/date/2011/11/22)、「“苦難は人生の肥やし”その生命力のすごさ」(http://blog.jolls.jp/jasipa/nsd/date/2011/12/10)などです。「ポジティブな考え方」がいいのは分かっているが、どうすれば、ネガティブ思考になりがちな人たちをポジティブ思考に変えるか、具体的なアプローチ方法はあるのか?実際に中央大学の就職直前の学生の指導に当たれら、その効果を実感されている落合氏の実体験とその方法論に、私自身も非常に興味深いものがあり、当日を楽しみにしています。JASIPA会員企業の皆様のご参加をお待ちしています。

日時:2013年6月27日(木) 19時00分~21時00分
場所:JASIPA事務局
住所:千代田区飯田橋 2-9-6 東西館ビル本館 3F 34号室
会費:2,000円(軽食費)
<内容>
第1部(19時00分~20時00分)
講師:NPO法人 ワーク&ライフ・デザイン研究所
代表理事 落合 美由紀 様
テーマ「今ある”人財”を活かそう!!
     ~ポジティブ心理学をビジネスに利用する~」

第2部(20時10分~21時00分)
ディスカッション
テーマ「今ある“人財”を最高に輝かせる」ためのアプローチ方法について意見交換する。

参加を希望される方は、6月24日(月)までにBSC林社長(JASIPA研修委員長)宛てに連絡ください。連絡先:hayashi@bsc-ltd.com

FBにも案内は掲載されています。

お客様の為と言いながら自分のためにやっている?!

多くの営業の猛者たちがしのぎを削る生保業界。トップの生保営業が集う世界的組織MDRT(Million Dollar Round Table)会員となることは一つのステータスと言われる。世界の生保業界のトップ数%のメンバーで構成されているMDRT会員を、ある外資系生保会社で育成している早川勝氏(「致知2013.7」インタビュー記事「人生に失敗はない、あるのは学びと成功だけ」より)。36歳の時支社長になり、100名中35名のMDRTを輩出し、支社をプロセールス集団に成長させた。

早川氏は大学卒業後、ある大手飲料メーカーに入り、営業の仕事で数々の新人記録を塗り替えるほどの成果を出した。が不公平な評価が気に入らず、退路を断ってフルコミッション(成果=評価)の外資系の保険会社に飛び込んだ。そこで、前職と同じようにガムシャラに働き、そこそこの成果を出したが、「そこそこの」域を脱することが出来ず行き詰った。自己流の営業スタイルやテクニックだけでやっていると限界が来る。「お客様のためにお勧めしています」なんて言っても、本当は「もっと評価されたい」、「もっと収入を得たい」といった自分の成績のための自己中心的な営業になっているから限界が来た。

「お客様のためと言いながら、実は自分のためにやっている」、人間は多くの仮面をかぶっている。その仮面(お客さまや自分に対するうしろめたさ)がいつも邪魔をして自分がやりたいようにはさせてくれない。そのひとつずつを剥がしていったら「そこそこ」を抜け出し、超売れるようになったと早川氏は言う。「保険の仕事は聖職で、究極の感動セールス」と。正直さ、高潔さをもって、お客さまにはデメリットも正直に説明する、無理に入ってもらおうとせず、自分を律して生きる。お客様の前に出ても恥ずかしくない自分であることが大切だと言う。これこそ「顧客サービスの神髄」と言えるのではなかろうか。

外資系生保では、マネージャーになるとチームは自分で作る。そのために人材を自分でスカウトする。採用の際、絶対媚びず、自らフルミッションの世界に飛び込みたい、挑戦したいと思う人を採用する。その見極めに全力を挙げる。チームとしての成果を挙げるために。

早川氏は、「人生には失敗はない。あるのは学びと成功のみ。人生のどんな局面も自分を成長させ、成功させる道場であると思って、まだまだ前進し続けていきたい」と語る。今は、国内大手生命保険会社にて機関長研修などに携わり、組織変革に尽力されているとのことだ。

「掃除道」を説く鍵山秀三郎氏

イエローハット創業者であると共に、「社会の荒み(すさみ)を無くしたい」との思いで、全国に「掃除を学ぶ会」を作り、「鍵山塾」を通して経営者や教育者の教育を80歳の今も続けられている鍵山氏。「致知2013.7」に野村証券常務をやられ、その後退職して三洋証券の経営立て直しをされた後、公文教育研究所に入社、翌年社長になって世界中に「KUMON」ブランドを広められた杏中保夫氏と鍵山氏の対談記事がある。杏中氏は野村常務時代に部下の紹介で鍵山氏に会われ、鍵山氏の話に体が痺れたと言う。その対談の中での、印象的な言葉をいくつか紹介する。

大きな努力で小さな成果

「お客様第一」は名ばかりで、小さな努力で大きな成果を求められ、まさに生き馬の目を抜く社内で生きてきた杏中氏は、鍵山氏のこの言葉に体が痺れ、まるで神様に出会ったかのような感覚を覚えたと言う。鍵山氏も、証券業界にいる人が自分の考え方に共鳴してくれたことで驚き、以降お二人のご縁が続くことになる。杏中氏は、この時鍵山氏から頂いた「人間学言志録」(越川春樹)を読んで、陽明学に傾注することになったそうだ。これが三洋証券で、不安と恐怖、諦め、怒り、絶望の淵にいる社員を奮起させ、立て直しに成功することにつながる。

「やっておけばよかった」ではなく「やっておいてよかった」の道を歩む

20歳でカー用品業界に入ったとき、なんとあくどい、質の悪い業界かと驚かれたそうだ。接客が乱暴、雪が降ればタイヤチェーンの価格を10倍、20倍にする、手形商売で支払いが遅いなど、自分の会社の収益はともかく、この業界の体質を変えることが第一義と、怖い目に何度も会いながら施策を実行された。その経験に基づいた言葉で、「言っておいてよかった」「会っておいてよかった」など含めて悔いを残さない人生を説かれている。同じような意味で“”ゼロから一への距離は、一から千までの距離より遠い(ユダヤ格言)

誰にでも出来る簡単なことを、誰にもできないほど続ける
自分に与えられた権限、権利、それを使い尽くしてはならない

前者は、「継続は力なり」と同じことで、何事も継続することの大事さを言われている。まさに掃除道を50年以上説かれている方の言葉だ。後者は、何でも自分の権利を精一杯使おうということが往々にして世の中を悪くしているとの主張だ。

トイレ掃除で世の中を変える運動は着実に企業や学校で広まっている。中国にも指導に行かれているそうだ。「世の中のために」粉骨砕身頑張っておられる方の言葉は心に響く。

冲中一郎