中国事情など

ブログUPが8日ぶりと間が空いてしまった。NSD社長時代(2006.10)に始めたブログが10月で9年を迎えた。JASIPAブログとして公開したのが2011年3月で、これまで700通程度の発信をさせて頂いた。最近かなりペースが落ちてきたが、今回は久しぶりの仕事での中国出張(2日―5日)と私用での姫路行き(6日―8日)が重なり、8日も空いてしまった。

中国で訪れたのは無錫、株州、上海の会社で、その行程は、羽田→上海→無錫(車で2時間)→無錫泊→上海→長沙(飛行機で2時間)→湖南株州(車で1時間)→株州泊→長沙→上海(飛行機で2時間)→上海泊→羽田と老体にとっては強行軍だった。いずれも初めての都市だったが、あらためて中国の交通事情などの日本との違いに驚いた。信号のある交差点でも、右折は信号に関係なくフリー(車は右側通行)のため、青で横断歩道を渡る際、右折車に注意してないと危ないことこの上ない。おまけに荷物を抱えたり、子どもを抱っこした免許不要なバイクも遠慮なく横断歩道に突っ込んでくる。車優先の社会での怖さを痛感した。このような中で車道を平気で渡る中国人を見ると心配になる。もう一つ驚いたのは、無錫でのこと。夜の会食に向かう車から見えたのは、縦に長くネオンも明るい広告塔。そこには顔写真と何やら金額が罹れた駒が複数個、グルグル回りながら何人もが出てくる。金額は1000万元単位から1万元単位まで幅がある。聞いてみると、借金を踏み倒している人らしい。バスの中でもこのような表示が出ると言う。習近平総書記の汚職絶滅運動に呼応した動きなのかもしれない。上海で聞くと、こんな広告塔は見たことがないと言う。都市によって違うのかもしれないが、日本では考えられない光景だった。

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姫路行きは、広畑システム部門のOB会参加(毎年1回懐かしいメンバーと会えるのが楽しい)の機会を利用して、毎年行っている自宅の草引きをやってきた。毎年シルバー人材センターに頼んでいるが、今年は3人が来てくれ、4時間かけてきれいにしてくれた。機械でやるため、根が残るが仕方ない。玄関回りとか目につくところは私が手で行ったが、3~4時間かけても機械には全くかなわない。翌日は、墓まいりをした後、高校同級生が集まってくれ昼飯を一緒して東京へ帰ってきた。今日も腰が痛い。

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お客様の心をつかむ(「PHP松下幸之助塾」特集記事)

雑誌「PHP松下幸之助塾2015.11-12月号」の特集テーマが「お客様の心をつかむ」だ。そして、このテーマで登場されるのが下記4氏だ。

  • “携わる人々の「気」を集め感動を生み出す~日本初のクルーズトレーン「ななつ星in九州」がもたらした奇跡”(JR九州会長 唐池恒二氏)
  • “地域密着型の徹底が着実な成長に~半世紀を超えて地元住民に愛されるスーパー”平和堂社長夏原平和氏)
  • “商売とは長く愛され続けること~小さな電器店の脱「安売り」経営”(でんかの山口社長山口勉氏)
  • “「感動分岐点」が人と業績を動かす”(浜松フラワーパーク理事長塚本こなみ氏)

この方がたすべて、私が過去に感動し当ブログで紹介した方々だったので、驚くと同時に喜びを感じた。

タイトルにある「気」とは、“ななつ星”のすみずみまで染み込んでいるもので、そのエネルギーが感動に変換され見る人の心を揺さぶるものだと唐池氏は言う。その気を染み込ませるために、この車両つくりに関わった数千人の社員や職員さんが「お客様を喜ばせるためにやるんだ」という気持ちを込め、想像以上の手間をかけて作り上げたものだ。例えば、乗り込むクルー(乗務員)は一般から公募したが、JAL国際線に17年間乗っていたサービスのプロ、超一流ホテルのコンシェルジュなどを外部から13名、そして社員13名を加えて、徹底的にサービス研修をしたという。最高峰のプロ集団が、湯布院の旅館で布団の上げ下ろしを練習し、東京ディズニーランドで「サービスとは何ぞや」を学び、ななつ星らしいオリジナルなサービスを創りだすと言う研修だ。まさに人を含めて「世界一の豪華列車」を創り上げている(JR九州が元気だ!(http://okinaka.jasipa.jp/archives/284))。

近江商人の「三方よし」の精神も踏襲し、「買い手よし」、つまりお客さまにどうすれば喜んで貰えるか、ずっと工夫を重ねてきた「平和堂」。昭和36年に今のポイントカードの先駆け「ハトの謝恩券」や、「芸能ショー」などの当時では画期的なイベントも実施した。お客さまに喜んで貰えるサービス追求姿勢は生半可なものではない。心のこもった挨拶(なじみの客には名前で呼ぶなど)、また来たくなるサービス(レジ掛にトレーナーを配置して教育)、そして従業員自らの発想での手書きPOPや、行事の飾りつけで「はずむ心のお買いもの」を目指す。最近は。これまで支えてくれた高齢者の方々に対して恩返しをするために「平和堂ホーム・サポートサービス」(日常生活の困りごとサポート)を始めている。そして創業時からのこのような理念を従業員に徹底して百年起業を目指して「平和堂経営者育成塾」を開始した(中国暴動で破壊された平和堂(http://okinaka.jasipa.jp/archives/383))。

今年創業50周年を迎えた「でんかのヤマグチ」。20年前、町田市に押し寄せた家電量販店が契機になり「脱安売り」経営に脱皮した。それも社員を守るため、それまでのお客様の数を3分の一に減らし、絞ったお客さまへのサービスを3倍にする。その結果、お客様の幸せが社員の幸せになったと言う。店の規模もこれ以上増やすつもりはないとのこと。それは現在のお客さまへのサービスレベルを落とさないため(「さらば安売り」でんかのヤマグチ山口社長の連載記事始まる(http://okinaka.jasipa.jp/archives/387))。

「足利フラワーパーク」の藤の移植を成功させ、浜松フラワーパークに「ここしかなくて、何処にも負けないもの」として数十万球のチューリップと1300本の桜を組み合わせた世界一美しい「桜とチューリップの園」を作り、入園者を飛躍的に増やすことに成功した塚本氏。お客さまに「わぁーきれい」と言ってもらえるパーク。そのためには「そこそこ美しい」ではダメ。圧倒的に美しくなければいけない。経営に損益分岐点があるように、人の心には「感動の分岐点」があるそれを超えたら涙するくらいの感動を覚える(感動分岐点を超えた時人も経営も変わる!(http://okinaka.jasipa.jp/archives/1583))。

共通するのは、「お客様視点でものを考えること」、そして「それを実現するためのプロセスに妥協がない」ということ。さらに、「その理念を関係者全員が共有できること」。参考にしてほしい。