「自己改革2011」カテゴリーアーカイブ

あなたが選ばれる人になるには?

TOPPOINT2011.12号に一読の価値ある新刊書として、「選ばれる人になる34の習慣(門田由貴子著、ダイヤモンド社)」の要旨が掲載された。参考になると思うので、その一部を紹介する。

あなたは、チャンスに恵まれて、仕事にヤリガイや喜びを感じて毎日をすごせているだろうか?もしも今、そうでないなら、あなたに何かが不足していて、「選ばれていない」のかもしれない。「選ばれる人」になるには、備えておくべき能力があり、下記のような事を習慣化することで身につけられる。門田氏は「人生は、毎日がオーディション」と言う。すなわち、いろんな局面であなたに白羽の矢が立つかどうかが、あなたの人生を決める。

  • 「聞き上手になること。人の話を聞く時は、豊かな表情で、リアクションも交えながら聞くようにする。(あなたが話し手の時、相手が「聞き上手」であれば、嬉しく相手に好感を抱くだろう)
  • モチベーションを高めるには、自分の意志と理性で静かに上げる。急にテンションをあげても、すぐに冷める。(目標や行動について、それをすることのメリット・デメリット、しないことのメリット・デメリット、目標に挙げた理由や動機などを理性的に考えること)
  • テーマを決めて集中的に勉強し、職場№1のスキルを手に入れる。(社内で有名になる)
  • 自分より優れた人、レベルの高い人に積極的に会って、優れた点を学ぶと同時に、わが身を振り返る。(相手との信頼関係構築が鍵か)
  • アイディア増幅機構を備えている。思いついた時に、メモり、後で反復する。今は携帯電話などのいろんなツールがある。そのツールを最大限利用する。
  • 「専門バカ」ではなく、「プロフェッショナル」になる。「専門バカ」とは、何かあると「NO」という人たちである。プロフェッショナルは「誰もが不可能と思うことを可能にする人」を言う。専門性を磨き、チャレンジ精神を忘れない事。
  • 自分のココロと向き合い、自己理解を深める。自分に自信のない人はとかく仕事を一人で抱え込んで誰にも相談せずガムシャラに頑張る傾向がある。自分に自信がないため他人への相談を恥と思うから。自分を知り、自分の限界を知れば、自然と他人に教えを請うことが出来、人間関係も構築できる。
  • 情報に対する感受性、情報を読み説く洞察力を磨く。そのためには、新聞・本などを読んで、情報を自分のココロの中で味わい、自由な連想やイメージで増幅しながら、自分と関連付けて考える習慣を持つ。

門田氏は、組織改革コンサルタントとして、大手企業を中心に毎年2000人以上のビジネスリーダーの問題解決とスキルアップを指導されている方だ。上記をじっくり読み説けば、その神髄が見えてくるものと思う。

一途一心(いちずいっしん)

「致知」2012.2月号の特集のテーマは「一途一心」。その説明に「ひたすら、ひたむきと言うことである。一つ事に命を掛けることでもある。物事の成就はこのコア(核)なくしてはあり得ない。」とある。つづいて思想家安岡正篤氏の言葉が紹介されている。終戦の「玉音放送」の加筆訂正、「平成」の年号の起案、田中角栄など昭和の総理のアドバイザーなど政財界、皇室への影響力が大だった人である。

「何物にも真剣になれず、したがって、何事にも己を忘れることが出来ない。満足することが出来ない。楽しむことが出来ない。常に不平を抱き、不満を持って、何か陰口を叩いたり、やけのようなことを言って、その日その日をいかにも雑然、漫然と暮らすということは、人間として一種の自殺行為です。社会にとって非常に有害です。毒であります。」

「いかにすればいつまでも進歩向上していくことができるのか。第一に絶えず精神を仕事に打ち込んでいくということです。純一無雑の工夫をするーーー近代的に言うと、全力を挙げて仕事に打ち込んでいくということです。」

甲子園常連校になった福島の聖光学院高の斎藤野球部監督は、選手指導に安岡正篤氏の教えを使ったそうだ。その教えを書いた各選手のノートは凄いらしい。その斎藤監督の言葉。

「一瞬一瞬の生き方を粗末にしている人間はグラウンドに立っても佇まいが悪く、凛々しいプレーが出来ない。逆に言えば人間性がきちっとしていて、いい歩みをしているものであれば、下手でも人の胸を打つプレーができるんですよ。」さらに

「自分の身の回りに起こる不具合や逆境、試練はその人に何かを気付かせようとして必然的に起こる。人間的成長を促すために神様が用意して下さったその試練にしっかり心を開いて向き合えば、どんな不条理なことが起こっても、前向きに物事を捉えられるようになる。そうすればいつの間にか不平、不満は消えていきますね。その段階を超えていくと、試練そのものに対しても逆に感謝の気持ちを持てるようになる。」

今春の選抜に「21世紀枠」で出る佐渡高校の深井監督との対談記事から抜粋したが、先哲の教えを素直に心に読み込み、それを実行して成功を収めた人の話だから、胸に響く。

「仕事」に満足している人は長生きする?

「幸福の習慣~世界150カ国調査でわかった人生を価値あるものにする5つの要素~」(トム・ラス/ジム・ハーター共著、森川里美訳・ディスカバー・トゥエンティワン出版)が、一読の価値ある新刊書を紹介する「TOPPOINT誌(パーソナルブレインズ社)」で紹介されている。著者は世界的に有名な調査会社ギャラップ社の社員。

どうすれば幸福が手に入るのかーーー。ギャラップ社は、1950年代からこの問題に取り組んできたが、近年は経済学者や心理学者らと共同で、国や文化の枠を超えて共通する幸福の構成要素についての研究に力を入れている。その一環で150カ国にわたるグローバル調査を実施し、「人が活き活きした人生を送るのか、それとも悩み多き人生を送るのか、どちらの道に進むのかを決定づける「5つの要素」を絞り出したそうだ。

①仕事の幸福:人は日々「何かすべきこと」を求めている。それがワクワクするものであれば理想的である。人の人生いろんなことが起こる。離婚、配偶者の死、失業・・・。これらが人生にどのような影響を与えるか13万人を10年間追跡調査した結果、最も幸福に影響を与えるのは「長期にわたる失業状態」だったとの事。配偶者を亡くしても多くの人は数年後には以前の幸福レベルを回復できるが、長い失業経験はそうはいかない。人が長生きできるかどうかは「仕事の幸福」次第であることも明らかになっている。さらには自分の強みを活かせる仕事をしている人は幸福度が高いそうだ。

②人間関係の幸福:人とのつながりが、どれほど自分の人生への影響があるかを過小評価しがちだが、周囲の人との人間関係が与える影響は大きい。ハーバード大学が12000人以上を対象に30年以上追跡調査した結果、家族や友人が幸せを感じていると、自分が幸せを感じる可能性が15%高まるという。年収が1万ドル増えても幸福度は2%しか増えない。人間関係は健康にも影響を与えることが分かった。夫婦関係がいい人と悪い人では、傷の治る期間が倍違うということも実証したそうだ。夫婦関係が悪いと老化も早いらしい。そして人間関係の幸福度を高めるためには、まず親友を持つことを薦めている。

③経済的な幸福:誰かと食事や旅行に行くなど、「物」ではなく「体験」にお金をつかうことは、自分の幸福度に加えて、一緒に過ごした人の幸福度も高める。物を買っても、買った当初の嬉しい気分は時間と共に色あせる。「思い出」は時間がたっても色あせることはない。だから「物」より「思い出」にお金を使うことは理にかなっている。

④身体的な幸福:身体的な幸福度が高い人は、定期的な運動を欠かさず、その結果、1日を気持ちよく過ごしている。また睡眠をしっかりとり、健康的な食べ物を選ぶ工夫も怠りない。

⑤地域社会の幸福:地域の活動に参加することで自分自身の幸福度が向上する。これは言うまでもないので説明は省略する。

相当大がかりな調査であり、自分自身の人生に照らし合わせて考えれば、ヒントになることも多いと思う。長生きはともかく、幸福な人生は誰もが望んでいるのだから・・・。