日露戦争で、大国ロシアに勝ったことで、東南アジアの植民地各国が独立機運になったことは有名であるが、なかでもインドネシアは、オランダの植民地として350年低賃金で奴隷のようにこき使われた時代を乗り越え独立したのは、まさに日本のお陰と感謝する国民が多いと言う。第二次世界大戦で、エネルギー資源を確保するためのルートを確保するためにいち早く日本軍は東南アジアに進出。インドネシアでは日本軍はたった8日間でオランダ軍を追い払い統治した(1942.3~1945.8)。その時の日本軍のトップは、陸軍大尉の柳川宗成。その柳川大尉が“インドネシア独立の父”と呼ばれて、いまなお現地で讃えられているそうだ。統治開始時、居並ぶインドネシア人を前に挨拶した。“”我々日本軍はインドネシアの独立のためにやってきた。“”日本の進んだ文化や教育、その制度や仕組みをこのインドネシアの地で再現するから“”あなた達は来るべき独立の日に備えて、いち早くそれを身につけなさい。“”あらゆる民族にとって大切なことは“独立”なのです。350年間虐げられてきたインドネシアの人達は、なかなかこの言葉を信じることが出来なかったそうだが、日本人が学校を作って教育の機会を与えたり、道路の建設や、ひいては議会制度、裁判制度など近代国家に必要なものを整備し、導入を図った。さらには独立に備えて軍隊も組織化させ、厳しく鍛えあげたそうだ。オランダ統治下で決起し投獄されていた屈強の若者を開放しリーダーに仕上げていった(後の大統領スカルノ氏もその一人)。
終戦を迎えて、普通なら喜んで帰国するところ、多くの日本兵が、インドネシア独立の為にやり残したことがあると残ったそうだ。案の定、日本敗戦の報を受けて、オランダの攻撃を受けることになったが、日本兵も加わったインドネシア軍が4年半に及ぶ戦争の末に独立を果たしたのだ(日本人も数多く戦死)。
「戦争を起こしたこと自体も悪いことだし、ましてや同胞アジアの民族を支配するなんて絶対許されない事」という白駒氏に、インドネシアの私立大学の教授曰く「日本が長年統治していた台湾と韓国は、今は共に先進国になった。欧米が植民地支配していた国のどこが先進国になっていますか?」と。
白駒氏は「歴史上の出来事にはプラスだけの出来事もないし、マイナスだけの出来事もない。どんな出来事でも功罪相半ばするのだと言うことを学んだ」と総括し、戦争は絶対悪いことだが、日本人にしかできない行動が国内外で評価されていることも事実だ。
日韓関係が悪化している。お互いに戦争時のプラス面、マイナス面を素直に見詰めつつ冷静に議論できないものかと思うが、そう簡単ではないのだろう。いがみ合っていても、双方に何のメリットもない。