笑顔の効用については、何度か当ブログでも紹介してきた(”笑顔“あるいは”笑い“で検索してください)。古い記事ですが、「PRESIDENT Online2016.4.30」に「”笑顔を取り戻す“哲学者の言葉」との記事があった。リード文には「獏として不安。湧かぬ意欲。取れない疲れ・・・・。そんな心の病巣を開くメスのように的確に探り当てるのは、古今の碩学の紡いだ英知の言葉。小説家須藤靖貴氏にその珠玉の数々を選び抜いていただいた」とある。
まずは今人気のオーストリアの心理学者アドラーの言葉。
楽観的であれ。
過去を悔やむのではなく、
未来を不安視するのではなく、
今現在の「ここ」だけを見るのだ。
勇気のある人は楽観的である。過去のことをグズグズ考えたり、先行きを心配したりせず、気持ちをただ今、できることだけに集中する(当ブログでも同じ意味合いの“いま、ここ“を消化している)。フランスの哲学者アランの言葉。
悲観主義は気分によるものであり、
楽観主義は意思によるものである。
僕は幸せだから笑っているのではない。
逆である。
笑うから幸せなのだ。
気分屋は、すぐ悲しみや怒りに捉われる。
怒りは無謀をもって始まり、
後悔をもって終わる。
あの「ピタゴラスの定理」の古代ギリシアの数学者・哲学者ピタゴラスの言葉。怒りに任せて動くと、おおかたよくない結果が待っているとの戒めだ。
5年前当ブログを始めたときに掲載した「ブスの25か条(運を逃す)」(元宝塚貴城けい氏作http://okinaka.jasipa.jp/archives/6)は、男女共通の運をつかむための人間のあるべき資質を逆説的に説いたものとして今回のテーマと相通じるものがあると思う(宝塚歌劇団の壁に貼られているそうだ)。一度見ていただければと思う。私も家にいる時間が増えた今、家内から「口はへの字ではなくスマイルに」とよく言われる。それが、自分の健康にも、家庭の平和にもつながるものと実感している。
「心に響く言葉」カテゴリーアーカイブ
生命は利己的ではなく、本質は利他的のはず!
朝日新聞12月3日朝刊から、動的平衡理論で有名な生物学者で青山学院大学教授福岡伸一氏のコラムが始まった。最初のテーマは「生命の惜しみない利他性」だ。
「横浜みなとみらい駅で降りて、長いエスカレーターを上っていく。すると黒い大きな壁一面に端正な碑文が刻まれている。独語の詩とその和文。これはいいたい何だろう。」で始まるコラムだ(インターネットで調べると、クイーンズスクエア横浜のステーションコアにあるパブリックアートで“The Boundaries of the Limitless”というタイトルの作品だ)。
この詩は18世紀のドイツの詩人フリードリッヒ・フォン・シラーの詩で、壁面自体は米国の現代アート作家ジョセフ・コスースの作品とか。コラムで紹介された詩を下記する。
- 樹木は、この溢れんばかりの過剰を、使うことも、享受する事も無く自然に還す
- 動物はこの溢れる養分を、自由で、嬉嬉とした自らの運動に使用する
福岡氏は、上記詩の「過剰」にハッとする。「そのとおりだ。もし植物が、利己的に振る舞い、自分の生存に必要最小限の光合成しか行わなかったら、われら地球の生命にこうした多様性は生まれなかった」と言う。さらに「一次生産者としての植物が、太陽のエネルギーを過剰なまでに固定し、惜しみなく虫や鳥に与え、水と土を豊かにしてくれたからこそ今の私たちがある。生命の循環の核心をここまで過不足なくとらえた言葉を私は知らない。生命は利己的ではなく、本質的に利他的なのだ。その利他性を絶えず他の生命に手渡すことで、私たちは地球の上に共存している。動的平衡とは、この営みを指す言葉である。」と。
殆どの人が急ぎ足で通り過ぎるなか、碑文に心打たれる人も多いようだ。インターネットで調べると多くの記事が出てくる。その中には、「植物は無事芽吹くことができるよりはるかに膨大な種を実らせ、魚は成魚にまでならない卵を大量に生むが自然は産み出したものをただのごみにすることはなく、余った種や卵は他の生物に食べられたり、分解されてまた養分になったりすることで、次の生命の滋養となる。人間はその大量生産だけを真似ていますが、人間の創るものはいつも不完全で、使われなかったものはごみになってしまう。」と人間社会の不合理性を説く方もいる。
地球も人口がいずれ100億人を超え、食糧危機に陥ることが懸念されている。厳しい自然淘汰の世界を生き抜いてきた植物や、動物の知恵に学ぶことも多いと思うが・・・。
「積極的プラス思考型人間」になれ!
「致知2005.11」に掲載された東北の古川商業高等学校女子バレーボール部を全国制覇12回の強豪チームに変えた国分秀男氏の言葉が、最近致知出版社より出された『プロフェッショナル100人の流儀』(藤尾秀昭・監修)に取り上げられている。この本には、稲盛和夫氏、王貞治氏、宮本輝氏、道場六三郎氏、山中伸弥氏など、各界第一線で活躍するプロフェッショナルをはじめ、土光敏夫氏、ドラッカー氏、西堀栄三郎氏、小林秀雄氏、松下幸之助氏ら人生の達人たちの残した言葉も掲載されている。
国分氏の言葉は、当ブログでも以前紹介した(http://okinaka.jasipa.jp/archives/571)が、今回紹介する言葉も味わい深い。
これまでたくさんの人を見てきましたが、概ね3つのタイプに分かれると思います。
- ・1つは苦しくなると“もうダメだ、無理だ”と思う“絶望諦め型”
- ・2つ目は“いやだけど、しょうがないからやるか”という“消極的納得型”
- ・そして3つ目は“この苦しみが俺を磨いてくれる。これを乗り越えれば一つ賢くなれる”と考える“積極的プラス思考型”
結局、歴史に名を残すような偉人や成功者は、3番目の人間からしか生まれません。
1、2、3のどのタイプの人間になるかは考え方一つです。
- ・お金がかかるわけじゃない。
- ・努力がいるわけでもない。
- ・時間もかからない。
- ・物事の見方をちょっと変えるだけでいいのです。
何でもない言葉だが、これまでの自らの過去を振り返ってみると、日々「積極的プラス思考型」で様々な課題にあたっていたかどうか、反省すべき点が多々出てくる。「積極的プラス思考」を遂行するためには、日頃から偉人の話を聞き、良書を読み、“知の探索”をし、大きな視点で自信を持って困難に突き進む覚悟を創り上げねばならない。
国分氏は言う。「過去に事を成し遂げた人たちがどうやって困難を乗り越えてきたか、それに触れることで考え方を変えることができると思います。」と。さらに「ピンチになった時、逃げない心を鍛えるチャンス!!くじけそうな仲間を見つけた時、その壁を一緒に乗り越えて自信を持たせるチャンス!!」と。
リーダーの姿勢が良いチームを作り、人材の育成につながり、良きスパイラルが形成でき、チームの成果がますます上がることになる。身をもって、実を挙げた国分氏の言葉だけに心に響く。リーダーの責任は重大だ。