「心に響く言葉」カテゴリーアーカイブ

往年の大スター山本富士子の大事にした言葉

今月(10月号)の「致知」は創刊35周年記念号で特集「一言よく人を活かす」だ。表紙は山本富士子さんが飾る(9月2日、3日主要新聞に致知の宣伝広告が出され、表紙と共に各界有識者の応援メッセージが掲載された)。芸能生活60周年を迎えられ(80歳を超えられた)、いまだに映画や講演活動などを続けられている。その山本富士子さんが、牛尾治朗氏と対談された記事が掲載されている。記事のタイトルは「よい言葉が良い人生を創る」。以下、山本さんが生きる指針として大事にされている言葉を挙げる。

牛尾氏より教えてもらった言葉として

美点凝視(ブログでも紹介http://blog.jolls.jp/jasipa/nsd/date/2011/10/22

壮にして学べば、すなわち老いて衰えず。老いて学べば、即ち死して朽ちず(佐藤一斎)

ご主人(故山本丈晴氏)から教わった言葉として、まずバースデーカードに書いてくれた言葉『砂時計の詩(産経新聞への投稿詩)』

1㌧の砂が、時を刻む砂時計があるそうです。
その砂が、音もなく巨大な容器に積もって行くさまを見ていると、時は過ぎ去るものではなく、心のうちに、体のうちに、積りゆくもの、ということを、実感させられるそうです。
時は過ぎ去るものではなく、心のうちに、体のうちに積りゆくもの。

一瞬一瞬を大切に、一日一日を大切に、精一杯生きることの大切さを改めて実感させられ、以降財布に入れて持ち歩いておられるそうだ。この砂時計は島根県仁摩町(現太田市)に実際にあり1年の時を刻んでいる。

ご主人が古賀政男氏から教わった言葉。日常の些細なことにも関心を持ち、素直に感動する心の大事さを言っている(どの世界にも通じる話)。

音楽する心。それははっと驚く心です。
はっと驚く心。それは素直に感動する心です。

自ら感動した言葉として書き留めているもの。まずは有名なサミュエル・ウルマンの「青春」の詩(この言葉と出会ったのが平成2年)。

青春とは、人生の或る期間を言うのではなく、心の持ち方をいう。
年を重ねるだけで、人は老いない。
理想を失うとき、初めて老いる

部屋に貼っている言葉。

きのうという日は、二度とかえらぬ日
明日と言う日は、まだ見ぬ未来
今日と言う日を、大切に生きる

他にも市川昆監督や小津安二郎監督などから指導いただいた言葉なども書き留めておられる。人から頂いたり、自分で見つけた言葉をノートにメモリ、それを日常の生き方に活かされている。「やっぱり言葉の力って凄いなといつも思いますし、人生の指針になると思っています」と言われる。ますますお元気で、ご活躍を祈っています。

「掃除道」を説く鍵山秀三郎氏

イエローハット創業者であると共に、「社会の荒み(すさみ)を無くしたい」との思いで、全国に「掃除を学ぶ会」を作り、「鍵山塾」を通して経営者や教育者の教育を80歳の今も続けられている鍵山氏。「致知2013.7」に野村証券常務をやられ、その後退職して三洋証券の経営立て直しをされた後、公文教育研究所に入社、翌年社長になって世界中に「KUMON」ブランドを広められた杏中保夫氏と鍵山氏の対談記事がある。杏中氏は野村常務時代に部下の紹介で鍵山氏に会われ、鍵山氏の話に体が痺れたと言う。その対談の中での、印象的な言葉をいくつか紹介する。

大きな努力で小さな成果

「お客様第一」は名ばかりで、小さな努力で大きな成果を求められ、まさに生き馬の目を抜く社内で生きてきた杏中氏は、鍵山氏のこの言葉に体が痺れ、まるで神様に出会ったかのような感覚を覚えたと言う。鍵山氏も、証券業界にいる人が自分の考え方に共鳴してくれたことで驚き、以降お二人のご縁が続くことになる。杏中氏は、この時鍵山氏から頂いた「人間学言志録」(越川春樹)を読んで、陽明学に傾注することになったそうだ。これが三洋証券で、不安と恐怖、諦め、怒り、絶望の淵にいる社員を奮起させ、立て直しに成功することにつながる。

「やっておけばよかった」ではなく「やっておいてよかった」の道を歩む

20歳でカー用品業界に入ったとき、なんとあくどい、質の悪い業界かと驚かれたそうだ。接客が乱暴、雪が降ればタイヤチェーンの価格を10倍、20倍にする、手形商売で支払いが遅いなど、自分の会社の収益はともかく、この業界の体質を変えることが第一義と、怖い目に何度も会いながら施策を実行された。その経験に基づいた言葉で、「言っておいてよかった」「会っておいてよかった」など含めて悔いを残さない人生を説かれている。同じような意味で“”ゼロから一への距離は、一から千までの距離より遠い(ユダヤ格言)

誰にでも出来る簡単なことを、誰にもできないほど続ける
自分に与えられた権限、権利、それを使い尽くしてはならない

前者は、「継続は力なり」と同じことで、何事も継続することの大事さを言われている。まさに掃除道を50年以上説かれている方の言葉だ。後者は、何でも自分の権利を精一杯使おうということが往々にして世の中を悪くしているとの主張だ。

トイレ掃除で世の中を変える運動は着実に企業や学校で広まっている。中国にも指導に行かれているそうだ。「世の中のために」粉骨砕身頑張っておられる方の言葉は心に響く。

心に響く言葉(5月5日日経朝刊より)

今日は子供の日。「端午の節句」でもある。朝いちばんに致知出版社の「おかみさん便り(メルマガ)」から、「坂村真民の一日一言」より心に響く言葉が届いた。

大いなる一人のひととのめぐりあいが,わたしをすっかり変えてしまった
暗いものが明るいものとなり
信ぜられなかったものが、信ぜられるようになり
何もかもがわたしに呼びかけ
わたしとつながりを持つ、親しい存在となった

人とのめぐりあいの大切さを説く。

日経の1面「春秋」より、本田宗一郎氏の言葉。

研究所は人間の気持ちを研究するところであって、技術を研究するところではない

とかく先端技術を追求したがる開発者たちに言った言葉として紹介されている。「マーケティングの神髄」ではないだろうか。

日経9面「日曜に考える~日本の個性 世界にどう売り込む」で工業デザイナーの奥山清行氏の言葉。ものづくりで世界に勝つためには創造力とビジョンが必要との主張で、アップルのiPhoneやダイソンの羽根のない扇風機など、ヒットの多くが海外で生まれていることが残念と言いつつ

想像力は日本人の得意分野。相手の心情を推し量る能力は世界でもトップ級だ。自己中心的ではない客目線のものづくりが求められている。海外に出で自分を客観視する訓練を積まなければ日本のものづくりに未来はない

と言う。

同じく11面「日曜に考える~経済史を歩く」で世界初の即席めん「チキンラーメン」を生んだ日清食品創業者安藤百福氏の言葉。

ラーメンを得るな。食文化を売れ

「チキンラーメン」を出したのが東京タワーが出来た昭和33年。世界ラーメン協会の発表では、インスタントラーメンの世界需要が2012年初めて1000億食を超えたと。

20面「リーダーの本棚」で、出光興産で初めて創業者以外で社長になった天坊昭彦氏(現相談役)が「菜根譚講話」の中から心にとめてきた言葉を紹介している。

人定まれば天に勝ち、志一なれば気を動かす
(人心を掌握して政治が落ち着けば天災があっても打ち勝てる。志が一つになれば何事も動かせる)

経営者として、企業理念の大切さ、そして全員経営の精神を説いているのだと思う。

日々、言葉以外にも心に響くものが一杯ある。冒頭の「おかみさん便り」のおかみさんから。「緑燃える好季節・・・。自然のエネルギーが溢れる緑の散歩道の中で、光のシャワーと、木漏れ日のワルツを充分お楽しみくださいませ。」