WBC優勝で日本が沸いた!知将栗山監督に学ぶこと


1週間前の22日のアメリカとの優勝戦、いまだに強烈にその残像が残っている。今回のWBCは、日本のすべての試合が印象に残るものだった。代表選手がなぜこうも最大の力を発揮したのか、できたのか?栗山監督の采配に注目が集まっている。

まず、キャプテンを置かなかったこと。そして選手を信ずること。「チームジャパンではなく、あなたがジャパンだ」との考え方には驚いた。たしかに毎試合、交代で選手が試合前に挨拶して、チームを鼓舞していた。決勝戦の大谷の言葉が印象的だ。そうそうたるアメリカMLBの選手たちとの決戦を控えて

「憧れるのをやめましょう。誰しもが聞いたことのあるような選手たちが一杯いると思うけど、今日一日だけは憧れてしまったら超えられない。僕らは今日、超えるために、トップになるために来た。今日一日だけは、彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう。さぁ、いこう!」これでみんなの気持ちを入れ替えさせたと言う。選手を信ずることでは、不調の村上を打たせて逆転勝ち。ほんとに選手がやる気一杯だった。

「キャプテンを置かない、みんなが主役」は経営にも役立つ考え方だ。当ブログでも紹介したカーネギー専属の「オルフェウス室内管弦楽団」は指揮者をその日の演奏曲により選ぶことで、名を馳せたそうだ。プロジェクト結成時、そのプロジェクトにあった人を都度リーダーにする方式で業績を上げた企業もある。今回のWBCのように全員にやる気を如何に起こさせるか、生産性向上の基本を野球でも実践したということと思える。

栗山監督は、日本ハム監督時代、1年目の選手に渋沢栄一著「論語と算盤」の本を渡したそうだ。大谷は、この本を精読し、大リーグ行きの目標も達成したという(詳しくはインターネットで)。栗山監督は当該本の「見えない未来を信じる力」の言葉に惹かれたと言う。

さらに栗山監督は経営の神様稲盛和夫氏にも心酔されていたことも有名だ。「いいリーダーとは“現場の力”を引き出すリーダーだ」、選手全員に心から感謝の意を表するのも稲盛氏の教えか。

最後に、栗山監督の気持ちを刺激した渋沢栄一の言葉を紹介する。「目先にすぐ成果が出ないとしても、それはまだ機が熟していないだけで、タイミングがまだあっていないだけだ。事をあきらめることなく、忍耐強くすすめるべき」。日本ハム監督時必ずしも目標達成とはいかない苦しい時期も、稲盛氏の教え、渋沢氏の教えを信じ、目標に向かって進み、今回のWBC優勝で目標を完璧に達成された。お見事だ。

日本の野球がアメリカを超えた。そのプロ野球が間もなく始まる。楽しみだ。