1年半前のIS同時テロ事件のせいで控えていたフランスに行ってきた(11日~18日)。ヨーロッパの主要国としては最後の国訪問だ(中欧、南ドイツ、イタリア、イギリス、スペイン)。事前に調べた天気予報では雨模様の日が多かったが、実際は晴れの日もあり、雨に降られたのは最後のパリの日のみで、それもぱらつく雨程度で済んだため、天候にも恵まれた旅となった。ご一緒した方々も気さくないい人ばかりでより旅を楽しくさせてくれた。6泊8日のフランス旅行記として、5~6回に分けて、モンサンミッシェル、ベルサイユ宮殿、オルセー美術館、ルーブル美術館などを紹介していきたい。
1日目は、フランスから西北西100㎞ほどのところにあるモネ(1840-1926)の愛した庭として有名なノルマンディーの《ジヴェルニーの庭園》。今の時期、この庭園は、まさに花盛り。チューリップ、桜、つつじ、水仙、ライラック、忘れな草など日本では2月から6月頃にかけての花が一斉に咲き誇っていた。それも暖色系、寒色系を使い分け、見事なコントラストで庭全体を飾っている。彼は43歳からちょうど生涯の半分をこの庭とアトリエのある邸宅で過ごし、創作以外のほとんどの時間を庭仕事にあてていたと言われる。
その中でも、モネが愛した日本の江戸浮世絵(庭園内の“モネの館”内に多く展示されている)の中で、広重が描いた亀戸天神の太鼓橋を見て、それを模したと言われている太鼓橋のある“睡蓮の池”は必見だ。日本風で竹や柳、つつじ、フジの花などで囲われており、案内板にはこの池を“Pont Japonais”(日本の池)と紹介されている。
今回の旅では、あちこちで花の乱舞を見た。1日目の三ツ星レストランでは、桐の花、ヤマブキの花、桜、ライラックの花が見事だった。バスの行程の中でも、あちこちで、菜の花畑と麦畑の黄色と緑のコントラストが見事な光景を演出していた。
その後、ノルマンディー地方セーヌ河口にある小さな港町オンフルールに寄って、宿泊地モンサンミッシェルに向かう。オンフルールは、百年戦争時代からの貿易の要衝で、栄枯盛衰を経ながらも、街並みは昔のまま維持されている(今は大型船時代となり、海に直結の隣のル・アーブルに貿易の主体は移っている)。木組みとスレート(粘板岩)の家の町並みが残り、港のヨットハーバーとの組み合わせが絵になるかわいい町だ。街のシンボル“サント・カトリーヌ教会”は、フランスで最大の木造の教会と鐘楼だ。ここでも花がきれいに咲いていた。