スペイン旅行~その2~バルセロナ


今回バルセロナは、時々弱い雨が降る天気だった。いよいよ待望のサグラダファミアリア(聖家族教会)見学です。バルセロナでは、サグラダファミリア建築にあたったアントニ・ガウディが注目されるが、当時(19世紀末ごろ)ガウディより著名なバルセロナの建築家リュイス・ドメネク・イ・モンタネールという天才もおり、二人は“いいライバル”関係だったそうだ。実はガウディはバルセロナの建築学校では、モンタネールの教え子だった。19世紀初頭モンタネール建築のサンパウ病院。イスラム建築様式とキリスト教建築様式が融合したムデハル様式、世界遺産です。「芸術は人を癒す力がある。」と患者を建築の力で癒そうと建てられたそう。実際2009年まで診療に使われていたとの事。

もう一つモンタネールの最高傑作建築物「カタルーニャ音楽堂」(1908)。当時フランスで花開いた「アールヌーヴォー」のスペイン版「モデルニスモ」という芸術様式だ。モデルニスモの中で最も美しく、モンタネールの最高傑作と言われており、1997年には世界遺産にも登録されている。残念ながら中には入れなかったが、毎夜21時以降、クラシック以外にもフラメンコやスパニッシュギターなどの演奏も行われているそうだ。

一方、ガウディの建築物も街のあちこちに特徴ある姿で存在している。1900年初頭建築の山をモチーフにした「カサ・ミラ(邸)」や、海をイメージした「カサ・バトリョ(邸)」が、山や海を表す独特の曲線をタイルやガラスを組み合わせて作られている。共に世界遺産だ。普通の通りに突如として現れるため、写真のタイミングを逸してしまった。
いよいよガウディのサグラダファミリア見学だ(予約時間に合わせて訪れる)。完成時には18本の塔からなる今世紀最後のモデルニスモ建築だ。
入場は“生誕の門”から。彫刻は「生誕のファザード」。キリストの誕生から幼少期を表現している。“生誕の門”の主任彫刻家が外尾悦郎氏。当ブログでも紹介(http://okinaka.jasipa.jp/archives/317)したが、25歳から40年近く掘り続けておられ、”生誕の門“の彫刻は外尾氏に任されている。“ハーブを奏でる天使”と“天使の合唱隊”を外尾氏が彫った。“生誕の門”の左にある小さな先頭の先にある色付きの果物も外尾氏のもの。

反対側にある“受難の門”はイエスの最後の晩餐からキリストの磔刑、キリストの昇天までの有名な場面が彫刻されている。もう一つの”栄光の門“は建設中だ。

内部に入る。
2010年には祭壇のあるメイン部分が完成したため、ローマ法王を招いてミサが行われ、教会がスタートした。自然を敬愛していたガウディは、教会の厳格な雰囲気を和らげるために、森のようにイメージした聖堂内はまるで白い杉林のよう。花形にくり抜いた窓にはめ込まれた色彩豊かなステンドガラスは、自然光を受けて万華鏡のように輝いている。完成モデル像を見ると、茶色の部分が既完成部、白色部分が今後10年で完成させる部分だ。白色部分が多く残っておりほんとに10年後完成するのか心配だ。

並木の美しいランプラス通りと、通りに面するバルセロナ最大の市場サン・ジョセップ市場や、ピカソなど19世紀末活躍の芸術家が集ったカフェ“クワトロガッツ(4GATS)”、13-15世紀に建設のカタルーニャ・ゴシック様式のカテドラルなどバルセロナには見どころは多い。ピカソの絵が建物の壁に何気なく書かれている。

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バルセロナからバスでバレンシアへ向かう(360km)。途中タラゴナでローマ時代紀元前1世紀に建設された水道橋を見学。2000年以上も経ってもいまだに立派に存在するのに驚く。当時の技術でしかも短期に作られたため悪魔の仕業と考えられ“悪魔の橋”とも呼ばれている。

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