100万人の心を揺さぶる「感動のつくり方」(その2)


前回の記事(http://jasipa.jp/blog-entry/9271)で、「ビジネスアーティスト」と言う言葉を紹介した。P&Gの元グローバルマーケティング責任者のジム・ステンゲル氏も日本講演の際、「実績を上げているブランド企業には、必ずビジネスアーティストがいる」と言っていたそうだ。「他者へ影響を与え、感動を生み出し、技術を革新し、ビジネスを作品に昇華させるのがビジネスアーティスト」とも。具体的事例として、P&Gの主力製品であった紙オムツ「パンパース」の売り上げが低迷していた時、売上を3倍にしたというコマーシャルのエピソードが印象に残ったと言う。

吸水性、乾燥性に絶対の自信を持っていたP&Gは、その品質を前面に出した広告展開をしていた。その時、ビジネスアーティストは世界中のお母さんにインタビューした結果新しいコマーシャルを生み出した。それは、静かな讃美歌が流れる中、パンパースをつけた赤ちゃんがすやすや眠る映像がただ静かに流れる1本のCM.キャッチコピーは「赤ちゃんのアイデアに基づき、パンパースが作りました」。

このCMによって、世界中のお母さんたちは、P&Gが自分達と同じ価値観を持った企業だと共感した。吸水性や、乾燥性も大事だが、それ以上に赤ちゃんがすやすや眠れるかどうかが大切だったのだ(アップルのiPodの宣伝文句「1000曲をポケットに」(http://jasipa.jp/blog-entry/7415))も多くの人に共感を与え大ヒット)。

「人は説得されるよりは、共感したい」。そして、平野氏は「ビジネスアーティストになるために必要な才能は、人間であれば、もれなく標準装備されている」という。

純真無垢な子供のころ
笑ったり歩いたりしただけで、
まわりの人を感動させていた天然の表現力。
そこにいるというだけで、
まわりの人を幸せにしていた天然の共感力。

「感動したい人から、感動させる人へ」。そのシフトが、あなたの仕事と人生を、圧倒的な喜びと豊かさに満ちたレベルへと変えていく。あなたの中にある「標準装備を磨きだす」ことで誰にでも可能なこと。

商品を売り込むとき「こんなことも出来る、あんなことも出来る、性能はこんなに優れている」などと商品の説明に終始していませんか?「説得より、共感」を、そしてビジネスアーティストの意味を一度考えて見ませんか?

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