SI企業が“絶滅危惧種”に指定される日!!!


2010年1月のJASIPA交流会で講演していただいた元日経BPの田中克己氏の衝撃的なタイトルの記事がITpro(2013.7.25)に掲載されていた(http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20130723/493403/?mle)。田中氏は従来から「IT産業崩壊の危機」「IT産業再生の針路」などの著作本や、日経BPの雑誌などでIT業界に対して警鐘を鳴らし続けておられる。当ブログでも以前「受託開発会社はもう終わり(http://jasipa.jp/blog-entry/7602)」とのITproの記事を紹介した。今回の記事では、「絶滅危惧種」という、ショッキングな言葉に驚いたが、田中氏はこのような言葉をわざと使いながら「日本のIT業界よ、目を覚ませ!そして頑張れ」と激を飛ばしておられるのだと思う。

今回はユニアデックスの戦略マーケティング部のエヴァンジェリスト高橋優亮氏の講演話として紹介している。高橋氏は「クラウドサービスの高度化で、誰でもインフラ環境を調達でき、SIを請け負える時代になり、SIは一人でも出来る時代になった」と。SI企業は今後、2種類に分かれると予想。「オーダーメイド型商品を作りこむSI企業」と「コモデティ商品を組み合わせて提供するSI企業」と言う。

前者の代表例は金融機関の勘定系システム。需要はなくならないが、極めて高い技術力、業務力、動員力を求められつつ、ピークダウンが激しい。顧客のニーズを把握できない、特徴ある技術力を持たないSI企業は排除される。かつこのような企業は内製化も進めている。後者は、その商品の利用価値を、家電量販店のように顧客に説明する力が求められる。そのためには、国内外の商品動向をウオッチし理解することも必要。「安く、早く」も求められる。

価格競争が激化する中で、如何に顧客にとっての利用価値を高め、それをアピールできる説明力、顧客と共に顧客の課題を解決する「強い思い」も不可欠だと言う。誰でもITインフラ環境を調達でき、SIを請け負える時代になった今だからこそ、違いを鮮明にできるSI企業だけが絶滅せずに生き残るのではないだろうかと締めくくる。

田中氏は、私が現役時代決算発表会には必ず顔を見せてくれ、いろんな話を聞かせて頂いた。IT業界は、確実にこれまでにない変化を受けている。国内マーケットは減り、グローバル競争に打ち勝たねばならない。田中氏の激に、何らかの答えを出さなければ「日本のIT業界に未来はない」との危機感をまずは持って、事に当たらなければならないと思う。

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