今年の正月は春を思わせる暖かさで、箱根駅伝も、富士山の美しい姿が時々映し出される絶好の天気に恵まれました。昨年は手帳を見ると2日に京都で20cmの積雪とあり、確か箱根駅伝山登りも雪景色だったと思います。これもエルニーニョ現象、温暖化の影響としたら、喜んでばかりはおれない。
正月には年初めの金言的なものに目に触れるチャンスが多い。愛読している致知出版社のメルマガに「吉田松陰1日1言」の中のひと言が紹介されていた。松陰が妹千代に出した書簡。
- 正月にはいづくにも、つまらぬ遊事(あそびごと)をするものに候間(そうろうあいだ)、
- 夫(そ)れよりは何か心得になる本なりとも読んでもらひ候(そうら)へ
この言葉にならった訳ではないが、今年の正月は、暮れに買い込んだ本を読んだ。近くの本屋も秋葉原の本屋も在庫切れで、東京まで行ってやっと買えた本、「第三世代の経営力」(横田尚哉著、致知出版社、2015.11刊)と、常々GDP競争には限界があると思っていたところに「脱・成長神話」(武田晴人著、朝日新書、2014.12刊)と言う本などが目に留まり買い込んだ。
前者は、速度を重視した第1世代(1945~1973)、情報を重視した第2世代(1973~1997)、切り替えを重視した第3世代(1997~)とそれぞれの経営力は、次代に応じて当然変化している中で、時々の変化に柔軟に対応できる企業だけが生き残るとの主張を展開している。そして第三世代の経営力に関して解説している。
後者は、アベノミクスをそれなりに評価しつつ、ある統計データ(2005年ダイアモンド社による15~75歳6000人程度の標本調査)、「日本における国民一人当たり実質GDPと生活満足度の推移」に基づいて、1958年を100とすると実質GDPは6倍になっているのに生活満足度はほとんど変化なしとの実態を経済学者は認識すべしと主張している。このことから経済成長に代わるものとして各種考え方を提言している。暮れのNHKの番組で、東大を出てリーマンブラザーズに就職し、それなりの富を得ていた青年が、会社が破綻したその日に退職し、今は小豆島中心に地方を元気にするために活躍している姿が映し出されていた。その青年の「都会では笑っている人の姿を見ることは少ない。地方に来るとほとんどの人が笑顔で暮らしている」との言葉が印象に残っている。いずれ上記本に関しては当ブログでも紹介したい。
平均63歳のシニア集団を率いて、製造業中心にコンサルを続け毎年成長を続け、いずれ上場の夢を追いかけられている社長から毎年年賀メールが来る。その中で
「始めることを忘れなければ歳をとらない」日野原重明(聖路加国際病院理事長)
との言葉が紹介されていた。ご本人は社業だけでなく、個人的にも忙しい日々の中、趣味などにも積極的に挑戦されている。私よりかなり年上の方だが、見習いたいものだが、趣味音痴なもので、なかなか何をすればいいのか定まらない。今年は何か社会貢献の面で、あるいは趣味の面で新たに身に付けるものを探したい。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。JASIPAのますますの発展を祈りつつ。