23日のブログに予告(http://jasipa.jp/blog-entry/8670)をしたが、11名の参加を得て実施した。飛び入りで京セラの子会社のバリバリの営業ウーマンにもご参加頂いた。
私の方から資料に基づいて、ナショナル・フラッグ・キャリアとしての意識が必要以上に企業全体を蝕んでいた状態から、如何に社員の心に火をつけ、「一人ひとりがJAL」の意識改革に至るプロセスを説明した。説明しながらも、企業改革は「リーダー」「企業文化(価値観)」「社員の共有」が揃ってはじめて実現できるものということを痛感出来た。80歳近い稲盛氏が、老体に身を打ちながら、現場に積極的に出向き社員との対話を始め、幹部層の収益などに対する責任意識のなさを叱責しつつ、JAL企業理念&フィロソフィーを打ち立て、それを全社員に浸透させていく。会長、社長が率先して現場に出向き、社員に直接メッセージを発し、「お客さま視点を貫き」、「マニュアル主義を脱し」「自ら考える現場」に変化していく。トップと現場との距離が短縮したことで機長組合の姿勢も大きく変化してきたと言う。
JALの新たな企業理念は
JALグループは、全社員の物心両面の幸福を追求し
一.お客様に最高のサービスを提供します。
一.企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します。
「全社員の物心両面の幸福」の文言は、まさに稲盛哲学だ。今回飛び入り参加の京セラ子会社の企業理念も「全従業員の物心両面の幸福を追求すると共に、人類・社会の進歩発展に貢献すること」だ。この会社でも年2回全社員対象に京セラフィロソフィー教育を実施しているそうだ(そのうち1回は合宿研修)。JALでも「JALフィロソフィー」の社員への徹底を図り続けるためにグループ会社含めた全社員対象に年4回フィロソフィー研修を実施している。
第二部では、このような過程で作られた「稲盛さん叱責の神髄」とも言われる「JALフィロソフィー」を一覧してもらい、意見交換をした。フィロソフィー第一部は、企業理念の「全社員の物心両面の幸福を追求する」を実現するための人としての心構えであり、第二部は、同じく企業理念の「お客様に最高のサービスを提供する」「企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献する」を実現するための社員としての心構えを示している。すべて「当たり前」の事とも捉えられるが、それぞれ自社の企業風土に照らし合わせて考えると、「当たり前の文言」がそうでもないことが分かると思う。トラブル(例えばバーストプロジェクトのような)発生の場合、もっと上の人に責任があるのに、下の人間が責任を取らされる文化はあちこちに見られるとの意見も出て、「見直すべき企業文化」を把握し、それを如何に変えていくかトップのリーダーシップの重要性を認識して頂けたと思う。(JALフィロソフィーに関してはJALホームページをご覧下さい)
次回の経営者サロンは5月30日(木)を予定している。テーマは別途連絡する。