日経ビジネス(インターネット)の記事で、こんなタイトルの記事があった(http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121019/238306/)。ここ数年、居酒屋のデフレぶりがすさまじく、つぶれていく居酒屋も多い中で、一人あたりの単価が通常の倍以上(4000円前後)で、しかも客であふれている居酒屋チェーンがあるとの出だしだ。その名は、宮崎産地鶏「みやざき地頭鶏(じとっこ)」を使用した料理をメインに提供する居酒屋“塚田農場”だ。私も新宿の店に行ったことがあり、印象深かったため、一気に記事を読んだ。
社長は、まだ40歳を超したばかりの米山久氏。2004年に八王子に「じとっこ」を使う「我が家」を開店。2006年には、宮崎県日南市に自社養鶏場を開設。現在様々なブランドで128店舗を運営。運営の基本は「生産者の気持ちと苦労を消費者に伝え、お金儲けではなく、事業に関わる全ての人たちをハッピーにすること」と言う。生産者と消費者をつなげる、これが“塚田農場”のビジネスモデルだ。生産者のリアルを感ずるために、新人はもちろん、役員、事業部長、店長も現場に送り込み、生産者との交流を図ることとしている。掴んだリアルがパート主体の店員にも浸透していく。それが店舗でのサプライズにつながっていく。
この店では、アルバイトスタッフの裁量で、客一人当たり400円まで自由にサービスしてよいとのルールがあるそうだ。例えば「じとっこ炭火焼」を食べ終わったら、「炭火焼の脂がおいしく、その脂で焼き飯作っちゃいました」と、持ってくる。ゆっくり炭火焼を食べていると「冷めちゃいましたね。ポン酢をつけると冷めても、タタキ風においしく食べられますよ」とポン酢を持ってくる。こんな風なサービスを受けると、お客はリピーターになるのも分かる。リピーター率50~70%とか。
接客店員の7割がアルバイトだそうだ。研修制度も充実しているが、研修では「お客様と生産者のためのお店であり、それが世の中のためになる」との基本を教え、自ら考える研修だそうだ。100%満足に出来ているのは錦糸町店だけだが、他の店でも他店との差別化は出来ている。たしかに、新宿店に行った時、気軽に接客スタッフが話しかけ、雰囲気が良かったとの記憶がある。
先日「新幹線お掃除の天使たち(http://blog.jolls.jp/jasipa/nsd/date/2012/11/3)」を紹介したが、パートの方やアルバイトの方々も、明確な企業方針の元で「喜び」や「感動」に生きがいを感ずれば、いい仕事が出来、結果として、処遇も含めていい循環が出来ることを示してくれている。社員が仕事に生きがいを持って働くことが出来ないはずがないと思うが如何?