受託ソフト開発会社は、もう終わり!?


元日経BPで、今はフリーの田中克己氏が連載しているITpro「田中克己の針路IT」の最近(2012.5.31)の記事のタイトルである。JASIPAでも、2010.1の定期交流会で講演して頂いた方である。従来から「IT産業崩壊の危機」「IT産業再生の針路」などの著作本や、日経BPの雑誌などでIT業界に対して警鐘を鳴らし続けておられる。

2012.5.21にNRIとNTTデータの共催で開かれた「ITと新社会デザインフォーラム2012」の時の講演者の発言に基づいた記事である(http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20120530/399413/)。 5月に各社で開かれた11年度決算発表会の状況も交えた記事となっている(田中さんは主要なIT業界の決算発表会に出席されている)。NTTデータの山下社長の発言として「受託ソフト開発会社は生き残れない。当社だって、変わらなければ生き残れない」をまず紹介。07年度と11年度の受託ソフト開発会社の売上高比較では、JBIS-H26%、日本ユニシス24%、CEC24%、富士ソフト21%、NSD21%減と軒並み2ケタのマイナスとなっている。NTTデータが16%増と伸ばしているがこれはM&Aによるもの。

いつになっても不採算案件が無くならない事、ユーザーのニーズを的確につかんでいないためIT投資に見合う効果が表れていない、将来の成長に向けた具体的な施策が描けていないなど、受託ソフト開発会社の将来に期待が描けないと言う。ITホールディングス、富士ソフトなども決算発表会で構造改革を訴えるが、もう何年も前から指摘されながら実行されていない、実行できない状況を憂う。大手・中堅は舵を切るのは難しく、意識の変化にも時間がかかる?NRI藤沼会長も「ITゼネコンがじり貧になる」といい、多重下請構造の崩壊を予測する。

NTTデータ研究所の三谷さんは講演で、「一人でも、NTTデータを凌駕出来る」と中小ソフト会社に期待する話をされたとか。クラウドサービスを使えば、コストと時間をかけずに、ITインフラを構築できるから。事実、クラウドをITインフラに活用したサービス事業を展開する中小ソフト開発会社は増えつつあると田中さんは言う。

このまま、構造改革が進まなければ、「この産業がなくなっても、誰も不思議に思わないだろう」とNTTデータの山下社長は言われたそうだ。

今朝の日経2面に、「日本IBMに独から来たリストラ社長」との記事がある。日本IBMは、2011年の売上が10年前から半減し、日本IBMは1000人単位のリストラが必要との見方があるそうだ。そのような状況下で、ドイツIBMで大胆なリストラで経営を立て直したイェッター氏が日本IBMの社長に就任した為、社員は身構えていると言う。

「中小ベンダーの集まりであるJASIPA会員企業の頑張りで、日本のIT産業を立て直す」絶好のチャンス到来と考え、みんなで知恵を交換し合うためJASIPA会員企業同志の交流を活性化しよう!

「受託ソフト開発会社は、もう終わり!?」への3件のフィードバック

  1. 小が大を超える!(JASIPA会員企業に期待)

    BLOG_NAME JASIPA特別顧問ブログ
    6月5日の当ブログで、「クラウド時代は中小ベンダーの出番」という意味の記事を掲載すると同時に、日経記事の「日本IBMに独から来たリストラ社長」で日本IBMの厳しさを 紹介し..

  2. 今日の産経新聞に 「社員をコスト扱いするな」岐阜に日本一幸せな会社 というのがありました。以前読んだ 伊奈食品工業の社長さんも同じようなことを言っていたように思います。最初から人月で社員を売っているような業界には最初から未来はなかったのでしょうか?別件でご相談があります。ご連絡お待ちいたします。

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