凡事徹底


3月13日日経朝刊掲載中の「私の履歴書(大和ハウス工業樋口会長)」で、「凡事徹底」の言葉に惹かれた。業績を立て直した山口支店長から、赤字の福岡支店を立て直すために福岡支店長に異動した際の話だ。

沈滞ムードの事務所を歩き回った。電話の対応が気にくわない。ベルが何度も鳴ってから電話をとり、たらい回しする。明朗活発な女性社員3人を選び、社外からの電話を集中的に受けるように改めた。ベルが鳴ると一度でとり、「はい、大和ハウス工業福岡支店でございます」と答え、すぐ担当者につなぐ。不在なら代理の者が必ず要件を聞き、「私でよろしければ用件を承ります」と言う。これだけで「気持ちがいい」「元気が出る」と社外の評判がぐっと上がった。私はこれを「凡事徹底」と呼ぶ。こうした普段の積み重ねが信用につながる。

「支店がよくなるも悪くなるも、長の一念で決まる」と、スパルタ的運営を常とした樋口会長がこんなこともやっていたのだ。今後、IT業界はお客様に対するサービス競争は激化必至である。この「凡事徹底」の発想は、既存のお客様からの信頼を失わないためにも、新しいお客様からの信頼を得るためにも、凡事といえども重要だとの戒めと受け止めたい。

ヤマダ電機で、「一人のお客様を失うことは10人のお客様を失うことに等しい」との張り紙を見た。SNSなどのネットワークの進展で、一人のお客様の不評を買うことは、10人どころではない数のお客様を失うことにもなりかねない。「凡事徹底」の視点で、周辺を見直してみてはいかが・・・。

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