夏の風物詩、全国高校野球大会が、大阪桐蔭高校優勝で幕を閉じた(25日)。今年は家にいることが多く、高校野球観戦を存分に楽しむことが出来た。それにしても、逆転、逆転の連続で、信じられないサヨナラ試合も何度かあり、プロ野球とは違う魅力にあらためて引き付けられた。勝利にひたむきな高校生の前向きの姿勢には感心するとともに、感動を覚えることもしばしばだった。
大阪桐蔭高校も順風満帆どころか激戦続き、初戦の開星高校(島根)、準々決勝健大高崎高校(群馬)、準決勝の敦賀気比高校(福井)、決勝の三重高校戦も逆転勝ちだ。特に準決勝の敦賀気比戦では、1回に満塁本塁打含め5点先取された時は、これでほぼ決まったかなと思ったが、2回、3回ですぐ同点に追いつく。決勝戦でも常にリードを許し、7回に初めて逆転し、押し切った。その諦めずに戦う姿勢には、感動さえ覚えた。2年前には藤浪(阪神)、森(西武)の強力バッテリーを中心に春夏連覇を果たした大阪桐蔭高校。その時も夏はともかく春は、今年の夏と同じく逆転、逆転の連続で勝ち抜いている(現在の藤浪も先取点を取られるケースがほとんどだが、その後は粘り強く調子を上げていくスタイル?)。この粘り強さの原点は何だろうか?「致知2012.7」に二度目の全国制覇したところの大阪桐蔭西谷浩一監督と、習志野、流通経済大柏の両校で全国優勝4回と言う偉業を達成したサッカー界の名将本田祐一郎監督との対談記事があった。
西谷監督が掲げるテーマは“1球同心”(一つのボールに皆の心が一つ)。正式メンバー発表の後、外れた選手は意気消沈するため寮から出て家から通うのが決まりだった。が、ある時、キャプテンが相談に来た。「3年生はメンバー発表があっても全員寮に残してほしい」「監督の言う“一球同心”を本物にするためにも」と。背番号をつけてやれなかった子たちがワンワン泣きながら「チームのために何かやらせてほしい」と自ら言ってくれるようになった。春の決勝戦(対光星学院)、その前夜メンバーを外れた3年生が光星学院の1回戦から準決勝までのビデオを分析し、当日負傷で出られない4番打者の代役が、それまで全く打てなかったのが、その分析結果(1ストライク2ボールの後は8割以上スライダー)を受けて決勝ホームランを打つことができた。まさに全員野球の成果だと西谷監督は言う。選手もそうだが、アルプススタンドの応援団も逆転を信じ応援する、その心が選手たちと相通じる、そんな信頼関係が大きな力となっているのだろう。
ほんとに高校野球は面白い。三重高校の今井投手が投げた今夏の球数は814。連投の大阪桐蔭福島投手もそうだが、それ以上に今井投手の熱投に感銘を受けた。
大阪桐蔭優勝おめでとう!三重高校惜しかったが堂々の準優勝おめでとう!
大阪出身の身としては、うれしい限りでした!笑
高校野球はやはり胸にくるものがあります。