スティーブ・ジョブス氏逝去を惜しみ、ショブ氏に学ぼう!


ジョブ氏がこの世ににいなかったら、どんな世界だったろうか?35年に渡って世界の情報産業をリードし、数十億人の生活を変えた功績は大である。なぜ次々と多くの人たちを魅了する商品を出し続けることが出来たのか?

「スティーブ・ジョブズ脅威のイノベーション(カーマイン・ガロ著、日経BP社)」がこの7月に出版された。副題は「人生・仕事・世界を変える7つの法則」。これを読むとヒット商品というのは生半可なことではダメというのがわかる。7つの法則を簡単に説明する。

  • ①大好きなことをする:情熱なしではイノベーションはあり得ない。取りつかれたと思うほど情熱を傾けなければ生まれない。アイディアに取りつかれれば他のことなど考えることはできない。
  • ②宇宙に衝撃を与える:ビジョンに賭ける。そして夢の実現に意欲を燃やす最高の人材を迎え入れる。ビジョンが「簡潔・具体的・徹底的」で、共感者を納得させるものでなければならない。その人たちがさらに伝道者(エバンジェリスト)になって世界に広がり、具現化の力になる。
  • ③頭に活を入れる:イノベーターは様々な疑問や課題を上手につなぎ合わる「連関力」と、「疑問力」「実験力」「ネットワーク力」「観察力」を持つ。これらを活かすことで創造的なプロセスを始動できる。
  • ④製品を売るな。夢を売れ:ジョブスは顧客のことをよく知っている。「僕等は、まず自分が欲しいものが何かを把握し、そして同じものを多くの人も欲しがるかどうか、きちんと考えること」がアップルは得意だと。他のマーケッティンググループに任せず自ら考える。
  • ⑤1000ものことにノーと言う:素晴らしいアイディアでも思い切って捨てる。そうして絞り込むことによって、選んだものに大きなエネルギーを注ぐ。
  • ⑥めちゃくちゃすごい体験を作る:明快で魅力的なビジョンがなければイノベーションは生まれない。「暮らしを豊かにする」、従来の常識を破り、アップルの小売販売店に来たお客の便宜を徹底的に図って大成功を収めた(すべての商品が)インターネットにつながる、レジではなく店員全員が持つクレジットカードリーダーで決済しレジがないなど)。
  • ⑦メッセージの名人になる:折角のものも、多くの人が好意的に取り上げてくれないとイノベーションには発展しない。効果的なプレゼンテーションは欠かせない。

我々の商品を、迷いなく、堂々と自信を持ってお客様に説明できていますか?松下幸之助氏は営業マンにこう言われた。「自分が販売している商品を抱いて寝ろ!そしたら商品からどう売ってほしいと話しかけてくる」と。近江商人は言った。「お客の欲しいものは売るな。お客のためになるものを売れ」と。取り憑かれるほどの情熱を持っての商品開発・販売、そしてプレゼン力など、ジョブ氏から自分の甘さを知る。今朝の日経社説「ジョブ氏の創造性に何を学ぶか」、ぜひこの機会に省みたい。

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