アルゼンチンが日露戦争で日本を支援!!!

日露戦争の日本海海戦で勝利した連合艦隊6隻の内2隻の装甲艦(日進、春日)はアルゼンチンから購入したものだと知っていましたか?

バルチック艦隊に対峙した日本の連合艦隊は東郷司令官が指揮をとった「三笠」を先頭に、しんがりを巡洋艦「日進」が務めました。北進してくる敵の艦隊に対し、左へ敵前回答して迎え撃つ丁字戦法をとったことで、しんがりの「日進」は集中的な砲火を受け大きな打撃を受けました。その「日進」には、アルゼンチン海軍所属のガルシア大佐(後にアルゼンチンの海軍大臣)が乗船し、砲撃を支援したとのことです。日進は大きなダメージを受けたにも関わらず、その後も整然と艦隊の陣容を乱さず露軍に迫ってきたため露軍は戦意を失ったと言います。

「致知」11月号の連載記事「語り継ぎたい美しい日本人の物語(中村学園大学教授占部賢志作)」の記事で知りました。平成11年にブエノスアイレスに「秋篠宮文庫」が設立され、そこに明治天皇からガルシア大佐に贈られた金蒔絵の文箱などが飾られているそうです。

なぜ、アルゼンチンが日本を支援したのだろうか?スペインの支配から脱し、独立国家として周囲の国と緊張関係にあったとき、日本と修好通商航海条約を締結(1895)。その後、日本への関心を急速に深め、日本を勉強したそうです。「日本は道徳によって社会を律し、国家への忠、親への孝、夫婦の和、兄弟の愛が、宗教人としてではなく、社会人、家庭人としての義務とされている」と称え、日露戦争においても「この戦争は日本に義あり」として支援したのです。そして、この歴史に根差した高い倫理観こそが日本を勝利に導いた根本の理由なのだとアルゼンチンは合点したのです。「勝利をもたらすのは爆薬の威力ではなく、人間なのである。」とまで言っているそうです。

占部氏は最後に「私たちはかってのアルゼンチンほどの日本認識を持っているでしょうか?現状を見るに恥ずかしい限りです。今こそ、自国の国柄を学ぶ機運を興したいものと願わずにはいられません」と。

このブログにもUPしました「ユダヤ人を助けた杉原千畝氏」や「台湾でアジア最大級のダムを作り、不毛の地を台湾最大の米作地帯にした八田興一氏」など、当該の国の方々の方が日本人よりはるかに知り、感謝している話が数多くあります。グローバル人材になるためには、歴史も学ぶ必要がありそうです。

NHK総合「神様の女房」放映中

神様とは、経営の神様「松下幸之助」をいうが、その神様を支えた妻「むめの」夫人に焦点をあてたドラマである。両親も既になく、八人兄弟も姉一人残してすべて夭折。さらには病弱で借家住まいで財産の一欠片もない大阪の電燈会社の電気工である幸之助氏(20歳)に淡路島の船乗りの会社社長の愛娘むめの(19歳)が嫁ぐ。当時「むめの」の縁談話で最も条件が悪かったと言います。しかし、「むめの」の生来の挑戦魂と行動力が、かえって何もない幸之助氏を選ばせたのです(実は「むめの」の弟が三洋電機創始者の井植歳男氏で、幸之助氏がソケット製造会社を創った苦しい時に手伝った)。

電燈会社で、自分の提案が上司に受け入れられず、生活の目途もたっていないのに勝手に会社を辞めてきた時、自分の会社を創ることを後押ししたり、家族経営で社員のための寮制を取り入れたりしたのも「むめの」である。この寮制を敷き、食事など一切の世話をしたのはもちろんですが、躾教育にも自らかなり力を入れ、そのお陰で、社員の行儀の良さが評判を呼び、事業にも大きく貢献したと言われています。幸之助氏が後世「松下電器は何を作っているかと聞かれたら“人をつくる会社です。あわせて電気製品も作っています”と言いなさい」と言われたのも、その原点は「むめの」の考え方にあったのです。

NHKでは10月1日から3回シリーズで放映中です(毎週土曜日9時~)。後1回だけとなりました。松下家の執事を長年務められた高橋誠之助氏が著した「神様の女房(ダイアモンド社)」をドラマ化したものです。その高橋氏曰く「松下電器の創業者は幸之助さんだけではない。もう一人創業者がいらっしゃったのだ」と。

「内助の功」の力は大きい!

国際成人力調査実施中???

9日の朝日新聞朝刊13面の「ザ・コラム」に「いま日本各地で無作為に選ばれた大人5千人が難しい国際試験に挑んでいる、というか挑まされている。国際成人力調査」PIAAC)世呼ばれるテストだ。」とあった。これは2000年から2009年にかけて各国の15歳の生徒に国語、数学、理科の同一問題を解かせ国別ランクを発表する経済協力開発機構(OECD)が実施する国際学習度到達度調査(PISA)の大人版らしい。PISAでは日本の学力が中国、韓国などアジア勢にも負けているとのショッキングな結果となってショックを受けた記憶を思い出される方もいると思う。が、今大人版で5千人がチャレンジしていることをご存じだろうか?

OECDの仕掛け人に成人力とはと聞いたところ「企業が国籍を問わずに社員を採用する時代、国の枠を超えて優秀とされる人材が持つ力」とか。試験でわかるの?「筆記試験では無理。対象者の自宅を調査員が訪ね、実社会に即した設問を示す。その成績と各人の職歴・収入の連関を探る」。

コラム氏(山中季広ニューヨーク支局長)曰く「世界の労働市場から見ると日本型の人材は魅力を欠いている。上司からの指示には忠実だが、提案力には欠ける。手本のある仕事なら得意だが、前例がないと二の足を踏む。自分と同質な集団には溶け込むが、異質な人々との協調は怖がる。海外市場が求めるこれからの人材とは対照的だ」。さらに続けて「日本の若者が就職氷河期に苦しんでいると知っても外国企業や国際機関は一向に手を伸ばしてこない。日本の高等教育がグローバル化に対応していないことを知っているから。海外に進出した日本企業も外国の採用に励む」。さらに知識偏重型の試験システムから、異質な人々とともに難題を解決できる突破型の人材育成への転換を主張している。知識はネットに接続すればだれでも得られる世界だから。

5日に開かれた「JISAコンベンション」で女流棋士で現日本棋院岸会長の小川誠子(ともこ)さんの話を聞いたが、数学オリンピックで上位の成績を収めた学生が、囲碁を覚えて言ったそうだ。「正解のない世界を知ることが出来た」と。

今朝の日経に「社長100人アンケート」が掲載されている。その中で外国人の起用や日本人の海外駐在などで「グローバル人材を拡充する」という回答は85.6%となったことが報告されている。

この成人力調査は26か国が参加し2年後に結果が発表されるらしい。 日本の成績がどうなるか不安だが、大きな問題提起として捉えたい。

冲中一郎