イギリス旅行~その2 リバプール~チェスター

今日(6月1日)は、18世紀に海商都市として発展した港町であり、タイタニック号など豪華客船を製造した町、そしてビートルズ誕生の町でもあるリバプールに向かう。大英帝国絶頂期にマンチェスターと共に栄えたリバプールで、その当時の建物が残っている港の完全耐火倉庫のある地域が世界遺産となっている。アルバート・ドックと呼ばれる地域で、海洋博物館や、ビートルズ・ストーリー(ビートルズの歴史を伝えるミュジアム)など観光名所が集まった場所となっている。港には大型客船がとまり、近くには“3美神”と言われる3つの歴史的な建物群もある。DSC01184

海洋博物館は、タイタニック号の模型や乗組員の写真や遺品などタイタニック一色でした(バスにカメラを忘れ、アルバート・ドックの写真は残念ながらありません)。

その後、ビートルズの足跡が残っているビートルズ通り(正式名はマシュー通り)に行く。デビュー前のビートルズが300回以上演奏したライブハウス「キャバン・クラブ」や、ビートルズが通っていたバー「The Grapes」や「White Star」もあります。ビートルズの像があったり、ポスターや写真が飾られていたりとこの通りはビートルズ一色です。

DSC01192DSC01188DSC01191

DSC01194DSC01193DSC01186

リバプールから少し下がったところにある、ローマ時代に作られた町全体が石塀で囲まれている城塞都市チェスターに向かう。南ドイツのローテンブルグに似た都市で、白と黒を基調としたチューダー様式の建物が中世の美しい街並み”ザ・ローズ“を作っている。10世紀に源を発するチェスター大聖堂、19世紀建立のゴシック様式の市庁舎、城壁のイーストゲートにある19世紀建立の時計台(街並みの奥に見える時計台)などがチェスターのシンボルとなっている。城壁を歩いている時に遭遇した、羊の群れと今回の旅ではあちこちで見る黄フジ(本名キングサリで藤とは別種らしい)だ。

DSC01210DSC01209DSC01195

DSC01197DSC01201DSC01202DSC01204DSC01207DSC01213DSC01198DSC01199

今日の最後は、トレヴァーにある世界遺産の水道橋と運河に行く。1805年完成の高さ38m,長さ307m,幅3.4mのイギリスで最も長い水道橋で、2009年に世界遺産に登録された。「ポントカサルテ水道橋」と言う。狭い水路をナローボートが通る。行って見ると、高所恐怖症の人は怖くて戻る位高く、チェスターの壁の外も流れていたディー川の上に水道橋はかけられている。

DSC01221DSC01216DSC01220

今日の宿泊都市バーミンガムに向かう。

イギリス旅行~その1 湖水地方

イングリッシュガーデンや、コッツウェルズのような小さな田舎の風情に憧れて、イギリス(6泊8日)に家内と行ってきた。出発前の天気予報では、ほとんどが雨で、時には風が強く嵐のような日もあるとの事だったが、予想に反して雨は1滴も降らず、晴れ間も時々見えるイギリスでは珍しい天気に恵まれ(フランスやドイツでは大雨で洪水も発生していたが)、最高の旅行だった。

5月30日12時35分成田発でロンドン・ヒースロー空港到着が17時(時差がサマータイムで8時間)、その後、5時間かけて本日宿泊のブラックバーン(マンチェスターの北30Kmほどの地)へ。中世イギリスの荘園(マナー)領主の邸宅跡を改造したホテルで、1275年築のメルキュール・ダンケンハルフ・ホテル&スパに夜11時頃到着。

DSC01150DSC01177DSC01181

翌朝は、さらに北44kmにある小説家ブロンテ3姉妹で有名な小さな村ハワースに行く。ブロンテ家が住んだ家は今は博物館になり、エミリーが「嵐が丘」を執筆した部屋や台所など当時の様子が伺える展示となっている。姉妹の父がこの街で牧師をやっていた「パリッシュ教会」もすぐ近くにある。細い道を辿っていくと、エミリー姉妹の小説(嵐が丘、ジェーンエアなど)にも出てくるヒースの丘にたどり着く。ヒースはスコットランド特有のものらしく、今は枯れた小木だが、7月頃から10月頃までピンクの色になるそうだ。

DSC01163DSC01160DSC01158

DSC01157DSC01154

その後、さらに北100kmほどのウィンダミア湖(ボウネス)に向かう。道中の車窓からは、はるかかなたに続く牧草地や、その中に見える美しい街の佇まいに心が和む。

DSC01165

ボウネスには、ハリーポッターの展示館があるが、湖畔を歩いていると白鳥が観光客の中で人なつっこく餌をもらっている姿に出くわし、家内が夢中になってしまい、展示館には行けなかった。その後、ボウネスからレイクサイドまで遊覧船でウィンダミア湖を渡った(40分ほど)。両岸に見える風景は素晴らしく、あっという間の遊覧だった。

DSC01168DSC01170DSC01171

DSC01173DSC01174

再度ブラックバーンへ戻って宿泊。

“最高の仕事ができる幸せな職場”とは!

最高の仕事ができる幸せな職場」というタイトルの本が目についた(ロン・フリードマン著、月沢李歌子訳、日経BP社、2015.11)。常々、会社と言うものは社員が付加価値源泉であり、社員が気持ちよく仕事が出来る職場つくりが経営者にとって重要な使命と思っている私にとって、手に取らざるを得ない題名だ。

従業員が幸せであれば、生産性や創造性に優れ、質の高い顧客サービスが提供できるということがある研究によって明らかになっていると言う。そしてそのような職場にするヒントが説明されている。その中で、ある種共感を覚えたり、興味を覚えた事項を列記する。

失敗を奨励する:このことは当ブログでも何度か書いているが、研究事例が面白い。病院での調査結果だ。「同僚と良い関係にある看護婦は失敗が少ないか?」とのテーマだ。常識的には「協調性の高い職場で有れば、看護婦はより仕事に集中でき、失敗も少ない」ということだが、結果は逆だった。なぜ?仲間との絆が強くなると失敗が増えるのではなく、失敗の報告が増えるのだ。失敗を報告した際に厳しく咎められれば誰も失敗を認めない。だが、失敗が学習の過程とみなされるなら失敗を隠す必要がない。失敗から多くを学べる風土を創り、他者の失敗からも多くを学べる協調性の高い職場つくりが大事という事。

遊びが問題解決を容易にする:難しい問題に取り組んだり、創造的な解決策を探ったりする時に頑張りすぎるのは良くない。先進的な会社では遊びの空間を設けているところもある。

モノより経験の方が価値がある:中国人の縛買いがモノ(商品)から、コトに移ったと報じられている。当書では、さまざまな商品やサービスと幸福感の研究に基づいて、「経験(旅行や気球に乗るなど)の提供は、同額の商品(テレビやスーツなど)の提供よりも人に対してより大きな幸福感を与える」ことが分かったと言う。モノは一人で使うことが多いが、経験は他者と関わることで視野が広がり、幸福感を増幅させる可能性が高く、企業でもモノより経験に予算を使った方がいいと説く。

小さな変化が、幸福感の維持に大きく影響する:人間は幸福な状態を維持するのが苦手。昇進も時間が経てばすぐあたりまえになってしまう。それを克服するには、楽しい喜びを、小さくても何度もあるようにする。月に一度の40ドルの花束よりも、毎週末に10ドルの花束を買って帰る方が幸福感を長引かせることが出来る。年末の一度のボーナスよりも年4回に分けて出す方が効果的と言う。

職場内コミュニティが形成される種をまく:重要な出来事(婚約、誕生日、昇進など)を皆で祝うような行事でグループの絆を強くすると、グループ員のストレスが減り、仕事の生産性も上がる。

効果的な称賛の方法:いいことをすればすぐ褒める(年に1回の表彰タイミングではなく)。人ではなく行為を褒める。公の場で褒める。

今朝の朝日新聞10面のコラム「経済気象台」に、「自分が働いている会社を信頼していると答えた日本人は4割で、主要28か国で最低」とあり、「日本経済の潜在力を上げるには、具体的な成長戦略に加えて、組織の改造も必要」と訴えている。上記のような考え方も参考にしながら「最高の仕事ができる幸せな職場」を目指してほしい。

DSC01437