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脳に悪い七つの習慣(創造力、思考力を磨くために)

前掲で「北京オリンピック」関連の話をしましたが、今回はやはり2008年の北京オリンピックの水泳競技に関係する話です。久しぶりに北島選手など水泳陣が素晴らしい成績を残しました。その水泳選手を指導された脳神経外科医林成之博士の「脳に悪い7つの習慣(幻冬舎)」の紹介です。(昨年の社内向け「冲中ブログより)

脳に悪い七つの習慣とは、この習慣をひとつづつ止めることによって、”ここぞ”と言う時に最高のパフォーマンスを発揮し、独創的な思考を促すことになる、集中力を高め、記憶力をもよくなるそうです。七つの習慣とは

  • ①「興味がない」と物事を避ける  
  • ②「嫌だ」「疲れた」とグチを言う  
  • ③言われた事をコツコツやる 
  • ④常に効率を考えている  
  • ⑤やりたくないのに我慢して勉強する  
  • ⑥スポーツや絵の興味がない 
  • ⑦めったに人を褒めない

です。日本大学救命・救急センターで誰もがダメと思っている瞳孔が開いてしまった患者の40%の人を救ったという実績をお持ちの方で、北京オリンピックの競泳日本代表に勝つための脳の講義を行い、結果に大きく貢献したことで有名な方です。救命チーム全員に、上記7つの習慣を日々なくするよう納得させる努力をした結果、世間でもあっと驚く成果をあげることになったとの事です。

七つの内、ちょっと違和感があるのは、「③言われた事をコツコツやる」と思いますが、これは失敗を恐れて慎重にやる、失敗したらどうしようという否定的な考え方と表裏一体のものとの前提に基づいています。

脳神経細胞には「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」の3つの本能があり、上記七つの習慣はこの本能に逆らう行動なのです。「もっと、もっと」がいいので、ある仕事で「だいたい出来た」と思ってしまうと思考をとめてしまうことになるらしい。

北京オリンピックの北島選手などへのアドバイスで、ゴール近くになって「そろそろゴールだ」と思ってしまうと、脳は「もう頑張らなくていい」と判断してしまうため、血流が落ちてしまうことが証明されているそうです。「まだゴールは遠い、もっと頑張ってブッチギリで勝つ」と思えばより力になるとの事です。バンクーバーオリンピックでスケート女子団体で最後の1週まで1秒近く離していたのに逆転されて金を逃したレースがありましたが、選手も勝ったと思ってしまったからよもやの逆転になってしまったとも思えます。アテネで100メートル競争で75メートルまでブッチギリのトップだった選手が負けた事例も、選手の談話で「勝ったと思ったら、横を走る選手の足が見えまずいと思った」とありました。

④もちょっと分かりにくいと思いますが、これは思考力を養うためには、くりかえし考えることが必要で、効率最優先ではダメとの事です(結果的には思考力がつくことにより、正しい決断を促進することになり、決断の迅速さとは相反しはしない)。日記とかブログも思考力を養うためにはいいそうです。実際、当ブログを書くために、本を何度も確認しながら、何を書くのがいいか整理しながら書いていますが、これは脳にもいいのでしょうね。

若いお母さんに一言。脳の構造が決まる4歳までは「ダメよ」「やめなさい」のような否定語は使わす、やりたいきことをやらせた方がいいとの事です。分別を教えるのは4歳以降からで十分だそうです。