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新型コロナウィルス(COVID-19)で世界は大騒ぎ!

今、世界は“新型コロナウイルス”で大騒ぎだ。一方で、アメリカでは今インフルエンザ患者が2000万人、死者が12000人と過去最大の被害状況らしい。2月初めに中国湖南省や四川省で鳥インフルエンザが発生とのニュースもあった。

8年前に、13000年に渡る人類史の謎「銃・病原菌・鉄」(ジャレド・ダイアモンド著。倉骨彰訳、草思社文庫)が発売され、ピュリッツアー賞を受賞するなど、発売1か月で26万部突破と人気を博した本がある。読み切ってはいなかったが、今回のこの騒ぎを契機に、その第11章「家畜がくれた死の贈り物」を読み直した。

世界の歴史は、人間と病原菌の戦いであり、いまだにその戦が続いていることになる。第二次世界大戦までは、負傷して死亡する兵士よりも戦場でかかった病気で死亡する兵士のほうが多かったと言う。過去の戦争において勝利できたのは、タチの悪い病原菌に対して免疫を持っていて、免疫のない相手側にその病気を移すことが出来た側で、コロンブスの1492年の航海にはじまるヨーロッパ人のアメリカ大陸制服において、もっともおぞましい歴史的役割を果たした。アメリカ先住民は、大概少数民族で、付き合う動物の種類もヨーロッパに比して各段に少ない。従って、病原菌の種類によっては、免疫ができておらず、感染する度合いが高まる。戦争以外でも、第一次世界大戦が終結した頃インフルエンザの大流行があり世界で2000万人が命を落としたり、14世紀から16世紀にかけて流行した腺ペストではヨーロッパの全人口の四分の一が失われた。
病原菌も、人間と同様、自然淘汰の産物と言う。生物は進化の過程で、自分の子孫を適正な環境にばらまく事によって生き残る。感染症にかかった場合の様々な症状は、病原菌が感染を広げ拡大して生き残れるかの巧妙な仕掛けだ。例えば狂犬病ウィルスは、感染した犬の唾液に入り込み、犬を凶暴にして人に噛みつかせ新たな犠牲者に伝搬させる。インフルエンザのように、抗体ができても変種を生み、ワクチンも効かないようにして広げるものもあるが、麻疹ウィルスは、一旦抗体が出来れば死ぬまで有効のため、流行は抗体のない子供たちが成長するころまで流行しない。感染症で死なせることは、病原菌の真意ではないと思えるが、一人が二人にうつせば目的は達する。病原菌も生き残るために必死なのだ。その意味でも、病原菌と人間の戦いは永遠に続く。

今回も、過去に例のないウィルスでワクチンも、治療方法も検査キットもない状態故に大きな騒ぎとなっている。中国では死者も出ているが、幸い重症者は日本では発生していない。東京オリンピック、パラリンピックへの影響は、今中国で発生している鳥インフルエンザのほうが怖いと言う専門家もいる。アメリカのインフルエンザの猛威に対してメディアは全く取り扱わず、外務省のホームページを見ても何の情報もない。
「正しく恐れる」と専門家は言うが、基本はどんな感染症が来ても、「手を丁寧に洗う、うがいをする、マスクをする、手で口、鼻、目を触らない」との基本を徹底し、日ごろの行動規範とするしかないのではと思う。それが病原菌との過酷な戦いに立ちむかう人間の対抗手段ではなかろうか。
今朝(2月12日)に新聞ニュースで、昨日急逝された野村克也氏のお父さんは、中国への出征時、疫病で亡くなられた由。日本人も過酷な環境下で多くの戦士が疫病で亡くなったことは間違いない事実だと思える。

ところで、企業にはBCP(事業継続計画)策定を政府は要請しているが、政府には国の継続計画として、地震や、災害、パンデミックなどに備えた計画は存在するのだろうか?省庁縦割りの弊害がいまだに残る現実の中で、大震災時を含めた政府の対応が場当たり的と思えるのは私だけだろうか。今回のウィルス対策でも、医療体制の不足が深刻になっている。事前に感染者の多寡により、診療体制をいかにするか計画を公表し、医療機関の対応力を確保しておくのは当たり前と思う。今回のようなことでバタバタしていては、首都直下地震が来た際の対応できるのだろうかと不安になる。時の政権の対応能力が日本の浮沈を左右する現実は企業より深刻と考えられるが、皆さんはどう考えるだろうか?

スマホが学力を破壊する??!!

6月2日朝日新聞の声欄に16歳の女高校生が投稿していた。表題は「スマホのない時代だったらなあ」。小学5年の時、オーストラリアへ家族と旅行した時には、いろんな人にレストランやお店までの道を聞くなど、現地の人とのコミュニケーヨンを楽しめた。が今年行ったときは、すべてスマホで調べることが出来たが、何か物足りなさが残ったという。現地の人との対話が恋しくなり、私たちから大切なことを奪っているのではとの疑問が沸き、スマホのない時代に生まれてきたかったと締めている。

表題の「スマホが学力を破壊する」というのは、本の題名だ(集英社新書、2018.3.21刊、川島隆太著)。著者はニンテンドーDS用ソフト「脳トレ」シリーズの監修者で、現在は東北大学加齢医学研究所所長をされている。仙台市の市立中学校の生徒を対象(2万2390名)にした調査結果に基づいて「スマホの長時間使用は子供たちの学力や脳に悪影響を及ぼす」との警告を発している。特に自宅での勉強の合間に動画を見るというマルチタスクは、どちらにも集中できず、学力、認知機能、記憶力などの低下を招くと論じる論文が多いそうだ。また、人の脳で最も大切な前頭前野は、人と直接会って話をすると大いに働くことが脳活動計測で分かっている。文章を手書きで書くことも、パソコンなどで書くより前頭前野はたくさん働くという。スマホを使いこなす子供は、対面型のリアルコミュニケーションの機会が減り、前頭前野を使う頻度も減る。そのため、脳が健全に発達せず、学力が低下するという。

もう一冊、「子どもがネットに壊される~いまの科学が証明した子育てへの影響の真実~」(メアリー・エイケン著、小林啓倫訳、2018.4.11刊、ダイヤモンド社)でも警告している。ここでは、若者のソーシャルメディアの行き過ぎた使用がメンタルヘルスの問題を引き起こす可能性を指摘する。また、赤ちゃんにとっては、親とのアイコンタクトが健全な愛着の心を生み、他人との交流ができる個人への成長を助けると言う。授乳するときに片手でスマホや携帯電話に夢中になり、赤ちゃんと目を合わせる機会を減らすことなどに警鐘を発している。

6月4日の日経朝刊、池上彰の“大岡山通信”では、就活中の学生や働き始めた若者へのアドバイスとして、組織や社会で生きていくための人間関係の重要性を説いている。そのためには、SNSや電子メールでの対話も便利だが、直接相手の顔を見ながら話をすることが大切だと言っている。

電車に乗ると、7~8割の人がスマホに集中している姿に異様な感じを覚えることが多い。“歩きスマホ”を警告する駅の放送も多く聞かれるようになったが、大人たちがスマホに没頭する姿が子供に与える影響も大きいのではないかと危惧する。スマホを使えない(使わない?)1老人の戯言ですめばいいのだが、少子高齢化を迎える次代を担う若者の成長に影響を与えるとなると問題は大きい。国としても何らかの対策を打たねばならないとも思うが、やはり我々大人が規範を子供に見せることも重要ではないだろうか。

「新日鉄誕生(日経記事)」

1970年に八幡製鉄と富士製鉄が合併してから42年、今年10月に新日鉄と住友金属が合併する。今朝の日経11面、「日曜に考える」欄の『経済史を歩く』2回目の記事が「新日鉄誕生」だったが、1971年入社の私としては、一番に目に留まった記事だった。今年の3月に入社後初めての同期会(http://blog.jolls.jp/jasipa/nsd/date/2012/3/23)があったが、我々同期は純粋に「新日鉄」に生きてきた1期生とも言える(採用時から退職時までほとんどの人が純粋に新日鉄。ただ、いまだに子会社の社長などで活躍している人もいる)。

当時は、米国も鉄鋼生産がピッツバーグを中心に盛んで、世界の鉄鋼業をリードしていた。1967年の粗鋼生産世界一位はUSスチールで八幡、富士は4位、5位に甘んじていた。国内では需要は急増していたが、各社が過当競争の中で溶鉱炉を次々と新設(新日鉄も君津に続き大分も建設)し、製品市況は低迷していた。世界と競争するためには、合併して粗鋼生産世界一、売上高日本一の巨大企業を作り、業界内で強力なリーダーシップを発揮し、過当競争を防ぐこと、それが求められていた。合併直後オイルショックなどの激変があり、粗鋼生産は1973年をピークに頭打ちとなったが、新日鉄はシェアを譲りながら業界秩序を守ったとある。

その後も日産ゴーンショックが契機と言われる、川鉄・日本鋼管の合併(JFE)もあったが、ミタルがアルセロールを買収し、ダントツの粗鋼生産世界一になった頃から、新日鉄はじめ日本の鉄鋼業も買収の危機感から、再編が再度言われ始めた。今回の新日鉄・住金の合併もその流れにあると思われる。日本全体のシェアが頭打ちの状態の中、この合併により粗鋼生産世界2位に浮上できる。

「あの時合併していなかったら、日本の鉄鋼業界は大変なことになっていた」と当時秘書課長や鉱石課長だった勝俣孝雄氏、今井敬氏は言う。当時合併を推進し、多くの反対を押し切った稲山、永野氏の決断は素晴らしいものだったと思う。合併と共に入社した我々は、風土・文化の違いにたびたび遭遇し、苦い思い出も多いが、今となっては、統合に貢献できたことが懐かしくかつ誇らしく思い出される。「先を見た決断」、リーダーシップの重さをつくづく思い知らされる。

当シリーズの3回目は「東京通信工業(現ソニー)」だそうだ。