5日の日経朝刊に今年8~9月に上場・連結従業員数1000人以上の企業とそれに準じる有力企業1553社を対象に実施したアンケート結果速報を掲載している(回答は436社http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD010G9_U3A101C1TJC000/)。女性や外国人など多様な人材の積極的な受けいれや、その能力をいかす仕組みづくりを問うアンケートだ(詳細は5日日経産業新聞、9日女性面に)。多様な人材を採用するための制度づくりや能力開発のための研修の充実度合い、人材の育成や活用への取り組み、人事評価などの状況、健康・職場環境への対策などをそれぞれ評価・点数化し、併せて働く側が「人を活かす会社」の条件として重視する項目を聞いている。「雇用・キャリア」「ダイバーシティ経営」「育児・介護」「職場環境・コミュニケーション」の4分野に分類し、総合と分野別のランキングを公表している。
総合首位は、富士フィルムホールディングスで2位にIT業界のSCSK(住商情報システム+CSK)が入っている。SCSKは、「育児・介護」「職場環境・コミュニケーション」分野でも2位にランクインされている。記事によると、SCSKは昨年7~9月から残業半減に取り組み、半数の部署で直近3カ月と比べほぼ半減させたとある。総合3位は日立製作所。外国人、女性の登用に力を入れている。女性の部課長職の人数は、回答企業全体で対前年1割増え、全体の4.5%を占めた。部長職は前年比で+13%、課長職は+9%。女性の部長職がいる企業は全体の6割、課長職は9割以上。
働く側の関心は、トップが「休暇の取りやすさ(48%)、2位は「労働時間の適正さ(42.4%)。回答企業全体の有給休暇取得率は55.9%。総合と「育児・介護」でトップの富士フィルムホールディングスでは、育児、介護共に最長2年間休職できる制度や、出産祝い金の充実を行っている。
今年8月の記事だが、プレジデントオンライン記事に「65歳以上が4割、2050年の日本人の働き方、仕事の未来図」というのがあった(http://president.jp/articles/-/10320?utm_source=0821)。2050年の人口は1億人を割り、労働力人口も現在の6500万人から4400万人程度へ大幅減少すると言われている。人口減社会において働く人を確保するには。女性と高齢者、外交人高度人材の活用が必至であり、働き方もフルタイムから短時間正社員、無限定型から限定型正社員などフレキシブルな雇用形態の転換ができる制度も必要になってくる。
確実に来つつある大きな変化に対して、警鐘を発するための日経調査結果発表と言える。