「一緒に仕事できて良かった!」企業文化とは?


本の題名が『「一緒に仕事できて良かった!」と部下が喜んで働くチームを作る52の方法』(エイドリアン・ゴスティック/チェスター・エルトン共著、匝瑳玲子訳、日本経済新聞出版。2013.5.24)と言う本がある。

企業の競争優位は「社員」から生まれる、好業績をあげるカギは「企業文化」だ、など言い古された言葉でありながら、かつ誰もが分かっていながら、そのための具体的な方策に悩んでいるマネージャー、経営者が多いのではないかとの問題提起に基づく提言本だ。著者の会社で、2009-2010の2年で、700社800万人分のデータを集積し、高業績を誇る25社(社員30万3000人)を抽出、分析したそうだ。すると、このような高業績企業の文化には例外なく「愛着心、活躍の支援、活気づけ」の3要素が見つかったと言う。

このような企業文化を作る7ステップを示す。

①危機を定義する:最高のマネージャーは、自らミッションを根拠も含めて明確に定義・説明し、そこに危機感を吹き込む。(ただ単に会社の方針だとの説明では納得も賛同もしない)
②顧客に焦点を合わせる:社員がその時々で正しい決断をし、自主的に動くようにするために、社員に気迫のこもった顧客本位の姿勢を要求する。
③俊敏になる:将来を見据えて来るべき困難に取り組み、新たな機会に投資するマネージャーを社員は求めている。
④すべてを共有化する:マネージャーは厳しい事実さえも一刻も早く社員に伝え、議論を奨励する。マネージャーとの信頼関係醸成のためにも。
⑤部下の才能を見出す:偉大なマネージャーは、成功とは自身が偉いのではなく、部下の創意工夫と力量の結果だと信じている。社員を真のパートナーとして彼らが成長できるような機会を作る。
⑥互いに応援しあう:同僚同士が頻繁にお礼を言いあっている。
⑦責任を明確化する:社員に目標達成のための責任と手段を与え、目標達成時には見返りを与える。

この7ステップいずれかが欠けても企業文化の構築は成功しないと著者は言う。

一流の業績を生み出す要素「愛着心」「活躍の支援」「活気づけ」に関しての方策や、社員が喜んで全力を尽くしてくれる方法などにも言及している。要は、マネージャーが、如何に部下の成長をのぞみ、その可能性を適切な指導や適材適所の配置によって実現に向けて支援してやる、その心が通じれば、「一緒に仕事が出来て良かった」と部下が喜ぶ上司になれるということ。

私にも、「この恩師、この上司のお蔭で今がある」と今でも感謝している方々が多くいる。いずれも厳しい方ばかりだが、その指導のお蔭で私は成長でき、今があると信じて疑わない方ばかりだ。恩師は既に亡くなられたが、上司とは今でも親しくして頂いている。

「「一緒に仕事できて良かった!」企業文化とは?」への1件のフィードバック

  1. 初めまして。企業変革、企業文化変革に取り組んでいるものです。上司が部下の成長を望む。全くその通りだと思います。自分の価値観で部下の悪い所を探し、否定する上司の多い実態に、どうすればこの価値観を転換できるのか?今今の私の一番大きな課題です。大変勉強になりました。さっそく本を読んでみたいと思います。機会を頂ければ、是非沖中様にお会いし、お話をお聞かせいただければと思います。重ねてお礼申し上げます。ありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です