1ヵ月以上も前の8月9日の日経朝刊に「ハートが鼓動する~数学で読み解く錯視」という記事があった。リード文は「思わず息を飲んだ。止まっているはずの文字や絵が突然、動き始めたからだ。浮かぶ、回る、揺れる・・・。生命を宿したかのように画像が踊りだす。視覚がだまされる楽しみ。」とある。
半信半疑で、掲載のハートが散りばめられた図を見たらまさに図にあるハートがふわりと浮きあがり、斜めに動かすとドキドキと鼓動し始めた。円形の文字列画像の中心点を見つめながら顔を近づけたり遠ざけたりするとアルファベットの文字列がグルグルと回転する。掲載図は、携帯写真しか添付できませんが、翌日掲載された日経電子版の補足記事「静止画なのに絵が動く 錯視アートで異次元体験」(http://www.nikkei.com/article/DGXZZO44661610X00C12A8000000/)に図がありますので、体験してみてください。
古来から研究は続いているが、完全には解き明かされていない。一連の図は、数学者の東大新井仁之教授やその共同研究者がコンピューターで作成したものとか。新井先生は「人間はものを目で見ているのではなく、脳で見ている」と。さらに「錯視は資格の欠陥だという見方があるが、むしろものを良く見るための高度な情報処理の副産物だったのではないか。光や、色、線の向きなどから獲物が逃げる方向を予測したり、外敵からの攻撃を察知したり。厳しい条件下で生き残るのに必要な情報を素早く、的確にとらえるための能力では」と言う。つまり、目を通じてとらえた色合いや光の強弱などの情報を、脳が過去の経験を踏まえ、未来を予測しながら読み取っているという説だ。
この記事とは別に、文字列でも錯視が起きる。私が打った文字列だが、変ですね。
東大一高東大一高東大一高東大一高東大一高東大一高東大一高東大一高東大一高東大一高東大一高東大一高東大一高東大一高東大一高東大一高
高一大東高一大東高一大東高一大東高一大東高一大東高一大東高一大東高一大東高一大東高一大東高一大東高一大東高一大東高一大東高一大東
「文字列の水平な部分が徐々に右下がり(または左下がり)に並んでいるからだろう……」との事だが、騙されますね。「今年はせつでん、せつでんは年今」「一四九七十、十七九四一」「月木水土金、金土水木月」でも同じ現象が起こります(MSゴシック体、12ポイントで)。