先週土曜日(9日)の朝日新聞朝刊にこんな見出しの記事が目に留まった。さらにタイトルに「日本、悪化止まらず」とあり、思わず半信半疑で記事を読んだ。
日本の子ども(18歳未満)の貧困率は14.9%で、先進35か国の内悪い方から9番目の27位。国連児童基金(ユニセフ)がこんな報告書をまとめた、とある。2000年12.2%、2005,2007年が14.3%と、年を追うごとに上昇しているとか。さらに報告書では、日本の子どものための公的支出が対GDP比1.3%で35か国中下から7番目に低かったとある。日本より相対貧困率が高い国は、経済危機・金融不安のスペイン、ギリシャ、イタリア、あとは東ヨーロッパと世界に冠たる格差社会の国アメリカだけ。思っていたよりひどい状態と言える。
貧困率の定義:全国民の年間の可処分所得を少ない方から並べ、中央の金額(2009年は一人世帯で224万円)の半分の水準(貧困線、09年は112万円)に満たない人の割合。
国民健康保険証がない“無保険”の子どもが3万人以上いたり、公立小学校に通いながら、お金がないために修学旅行に行けない子どもも多数いる。そのような貧困状況にある子どもたちは、十分な教育を受けられず、いい仕事にもつけないというデータもあるそうだ。一方、北欧をはじめ、多くの先進国では、親の生活状況にかかわらず、子どもが貧困にならないための政策を実行し、子どもの貧困を削減するために日々努力しているそうです。残念ながら,日本では“子どもの貧困”という認識が、弱いのかもしれません。少子化が進み、人口減少が止まらないわが国だからこそ、「すべての子どもが健康で幸せな環境で成長していける」そんな国を目指して、一人一人が考え,行動する時との問題提起と捉えたい。
『各国の子どもの貧困率』
ルーマニア25.5%,米国23.1%,ラトビア、ブルガリアと続き、スペイン17.1%,ギリシア16.0%,イタリア15.9%,リトアニア15.4%、日本。英国12.1%,フランス8.8%,ドイツ8.5%,スイス8.1%,スウェーデン7.3%,デンマーク6.5%,ノルウェー6.1%,オランダ6.1%,フィンランド5.3%,アイスランド4.7%