「致知2012.1」に「苦難は人生の肥やしとなる」との記事がある。東大先端科学技術センター教授福島智氏へのインタビュー記事である。福島氏は3歳で右目を、9歳で左目を失明。18歳で聴力も失った全盲ろうの方です。全盲ろうの方が大学の常勤教員になるのは世界でも例のないことだそうです。
ある時、友人に送った手紙に「この苦汁の日々が俺の人生の中で何か意義がある時間であり、俺の未来を光らせるための土台として、神が与えたもうたものであることを信じよう。信仰なき今の俺にとってできることはただそれだけだ。俺にもし使命というものが、生きる上での使命というものがあるとすれば、それは果たさねばならない。そしてそれをなすことが必要ならば、この苦しみの時をくぐらねばならないだろう。」と。この苦難には意味がある。苦難こそが肥やしだと。
母親が、コミュニケーション手段として「指点字」(左右3本ずつの指を点字タイプライターに見立てて点字を打つ)を思いつき、これで人とのコミュニケーションがとれたということで勇気と希望が蘇ったということはあったが、やはり大きな生きる力は、ポジティブな考え方だと思う。「修業」とは、何らかの苦悩を伴いながら自分を高みに連れて行こうとする営みのことと福島氏は言う。
松下幸之助氏などの著名な経営者も、森信三氏など偉大な先哲にしても、苦難、逆境の中で、人生をポジティブに生きることによって大きな成功を収められている。人間には考え方次第で、その秘めたる力を発揮できる大きな能力があることに驚かされる。
3年ぶりのグランプリファイナル出場を果たし、久しぶりの世界一を期していた真央ちゃんが、「母危篤」の知らせに「欠場」の大きな決断をし、急遽日本に戻った。が、残念ながら最愛の母の最期を看取れなかった。その悲しみは如何ほどのものか。23日からの全日本選手権出場も危ぶまれている。母とともにフィギュアスケートに邁進し、今あるのも母親のお蔭との気持である故に、その悲嘆の大きさは思い知るすべもないが、今回の突然の出来事を早く克服して、世界一の真央ちゃんの姿を我々の前に披露してくれる日が来ることを願っている。
またまた 元気と勇気をいただきました。ありがとうございます。