イタリア旅行~その1ベネツィア~

1年半近く行けなかった海外に3月6日~15日に家内と行ってきた。我々が参加したツアーは16名だった。ベネツイアまでアリタリア航空で直行。ベネツィア、ミラノ、フィレンチェ、ローマに連泊しながら南下し、ローマから同じく直行便で東京に帰ることになる。春にはまだ早く、北イタリアは相当寒いことを覚悟していたが、ミラノ等も最高温度10数度もあり、暑さを感じるくらいの気候となった。何度も来ているツアーメンバーが多かった(買い物?)がこの季節でこんな暖かいのは初めてとの事だった、通して天候も良く今回の旅行中は全く傘も不要で、日傘が必要なくらい太陽がまぶしい日々だった(写真でお分かりになると思う。

イタリアでは(特にローマは)、紀元前時代のローマ創設時代からの遺跡が残され、当時の城壁や道路の整備、水道の整備まで進んでいたことは驚きだ。日本の弥生時代に相当する時代には娯楽の場「カラカラ浴場」まで作られ今もその面影をはっきり残している。それでは何度かに分けてイタリア旅行を紹介していきたい。まずはベネツィアから。


 

ヴェネツィアは、5世紀頃、ゲルマン族の進入から逃れるために、当時湿地帯であった場所に街を作ったのが始まりといわれている。中世にはベネツィア共和国の首都として栄えた都市で、「アドリア海の真珠」などの別名をもつ。以降海洋国家として隆盛を極めた。しかし、15世紀になって大航海時代になったことも有り、ナポレオンの侵略で崩壊した。確かに今でも海中に埋め込んだ木の補強がかかせず、地盤沈下や地球温暖化で消滅の危機にさらされていると言う。ベネツィア到着が23時頃だったが、水上タクシーで狭い水路を見事な櫓さばきでホテルの前まで連れて行ってくれた。ホテルは市の中心「サンマルコ広場」のすぐ近くで翌日の観光はほんとに楽が出来た。社員1枚目の右中ほどの横線が水につかった線、2枚目は左側にホテル)

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いよいよイタリアの土地に降り立って初めてのベネツィア観光。ホテルを出て2分も歩けばサン・マルコ広場。その奥に世界遺産サン・マルコ大聖堂が聳える。828年にアレキサンドリアから運ばれて聖マルコの遺骸を安置する場所として礼拝堂を建て、一度消失しているがベネツィア隆盛の11世紀から15世紀にかけて再建。その時の内部を飾る金色を基調としたモザイクガラスは見事だ。床のモザイク模様もすばらしい。

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サン・マルコ広場に立つ高さ98.6メートルの鐘楼に登った(エレベーターあり)。鐘楼の下では順番待ちの人達をカモメが慰めてくれていた。ヨーロッパの街並みと同様赤い屋根と海の景色が素晴らしかった。サンマルコ広場を囲む街並み、サン・ジョルジュ島とそこにある17世紀建立の「水辺の貴婦人」と言われる。サン・ジョルジュ・マッジョーレ教会など。

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ベネツィア本島を分断する大運河にかかる最も古く400年以上も使われていると言うリアルト橋(現在補修中)。そこからゴンドラや、水上バスが行きかうベネチアらしい光景に巡り合える。

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サン・マルコ大聖堂の並びにはベネツィア共和国総督の城ドゥカーレ宮殿がある。その宮殿と牢獄を繋ぐ「ため息の橋」が有名だ。

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折角だから「ゴンドラ遊覧」に乗ったが、写真を撮ろうと動くと船のバランスを崩すため怒られ、ただ黙って回るだけで、今後は一切乗る気はしない。港には水上タクシー、ゴンドラなどがひしめき合っている。昼はベネツィア映画界などで来た北野武や本田なども行く店でイカ墨パスタを食べた。

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休日に遊びに来てもらえるカーディーラー(ネッツトヨタ南国)

先日「最高の感動サービスに徹するレクサス販売店」(http://okinaka.jasipa.jp/archives/2441)としてレクサス星が丘を紹介し、以前には「12年連続顧客満足度ナンバーワンに輝く経営」(http://okinaka.jasipa.jp/archives/476)でネッツトヨタ南国を紹介した。「PHP松下幸之助塾2015.3-4」の松下幸之助経営塾での講義録としてネッツトヨタ南国の現取締役相談役横田英毅氏の話が掲載されている。お客様の感動を生み出す組織づくりとして「社員の“満足”ではなく”幸せ“をめざす」とのタイトルだ。1980年に設立されてから、来店者数が前年を下回ったことがない。トヨタ販売会社の中で、‘99年の調査開始以降顧客満足度全国1位を維持、’02年には自動車業界初の日本経営品質賞を受賞。

大切なことは、大切なことを、大切にすることである

禅問答のような言葉だが、横田氏が講演でよく使う言葉だ。「あなたはこの1ヵ月、この1年何を大切にしてきたか?」と聞かれて答えに戸惑う人が多いのではと指摘する。売上や利益を挙げる人がいるかも知れないが、それが社員の“幸せ”、すなわち“生きがい”、“働き甲斐”なのかと問いかける。横田氏は“満足”と“幸せ”を分けて考えることを提唱している。すなわち、“満足”とは、力、富、モノ、称賛、便利さなど、追い求めるもの、何らかの形で見えやすいもの。“幸せ”とは、人との連帯、見返りを求めない行動、感謝の心など、追い求めるものではなく気付くもの、目に見えにくいもの、道徳的なもの。幸せになると、満足も手に入りやすくなるが、逆に満足を追い求めると幸せは遠ざかっていく。それが心のメカニズムと横田氏は言う。そして、

人に感謝でき、利他を一所懸命考えられる人が集まれば、コミュニケーションやチームワークが良くなる。最終的に業績を挙げられるのは、幸せな人の集団だ。

値引きのようなお客さまを満足させるサービスは、お客様の要求レベルがエスカレートしやすく、常にお客様の期待を超えなくては満足に至らない。一方で、“感動”は同じことの繰り返しで十分効果があると言う。そして、

当たり前の事を人並みはずれた熱心さで実行すること、これが凡人と非凡人の違いである(ネッツトヨタ南国の社訓)

ここで言う凡人は「やらされている人」、非凡人は、内側からの動機で仕事をしている人を言う。自分の内側から湧き上がるような動機を持っている社員が、群を抜くサービスを提供し、お客さまに感動をもたらす。満足はアニュアルや上司の指導で提供できるが、感動は一緒に感動できるような感性の高い社員でないと提供は難しい。「幸せである人の集団であるかどうかのチェックリスト」を提示する。

  • ・成長の実感があるか?
  • ・自分で考えて仕事をすることが出来るか?
  • ・自由に意見が言えるか?
  • ・自分の努力が評価されているか?
  • ・職場の人間関係、上司と部下の関係はいいか?
  • ・コミュニケーション、チームワークは良いか?
  • ・お客さま、同僚、ビジネスパートナーから感謝されているか?
  • ・所属している組織に誇りが持てるか?

一般的な企業では、上記の4~5項目が“x”となり、メンタルヘルス問題発生企業では6~7項目が“x”とのことだ。ネッツトヨタ南国では、5割の社員がすべて“○”、1個だけ“x”が3割、2個“x”が2割だと言う。自分で考え、自ら学び、感動できる人材、いわゆる「自律型感動人間」の育成を目指して、現状を把握するために上記チェックリストの活用は意味あることと思う。

吉田松陰の教えを尊び経営に活かす都田建設蓬台社長!

前回のブログで紹介した、都田建設代表取締役蓬台浩明氏が出版された「吉田松陰の言葉に学ぶ生きざま」(現代書林、2015.1)。本の帯には「あなたの心に火をつける松陰の熱い言葉37」との言葉が躍る。

本の「はじめに」で、吉田松陰の素晴らしさを要約されている。その第一は「志を持つことの大切さ」と言う。蓬台氏自身も志を持つことの重要さに深く気付き、経営者を目指すことが出来たそうだ。「仕事」をあえて「志事」と呼ぶ。「武士道精神」にならい、いつでも志を持って命がけで事にあたるとの意味だ。そして、経営者になった今、松陰先生の教えである「天才教育」を意識して社員教育に力を入れている。「天才教育」を親や学校、経営者が行えば、子供達や社員はもっと才能を発揮して、やがてそれぞれが「志事」に燃えるような人材に育つと主張する。実際、都田建設では社員1人ひとりが自分の才能を発揮して活き活きと輝きながら働き、社長である蓬台氏から見てもほれぼれするほど一生懸命に必死に「志事」に燃えてくれていると言う。吉田松陰の「天才教育とは?」。

天の才を生ずる多けれども、才を成すこと難し(講孟箚記より)

蓬台氏なりに次のように訳されている。「どんな人間も一つや二つ、素晴らしい能力”天(の)才”を持っている。その素晴らしい能力を大切に育てていけば素晴らしい人間になる。これこそが人を育てる上で重要なのだ。

蓬台氏が支持する帝王学の師匠・徳山暉純先生曰く「吉田松陰とは生徒たちの先天的能力を引き出す”先生”であり”理解者”だった」と。「吉田松陰は名コーチだった」と蓬台氏は言う。

そのコーチングとは、まず相手としっかり話し合うことから始まる。身分や貧の差などは関係ない。生徒たちの目を見て心を探り、輝く才能や隠れた素質を見つけ出す。そして、本人にそのことを気付かせ、ともに磨き合っていく。周りにも教えていくーまさに相手主体の方法だ。尊敬して師と仰ぐ松陰先生に、ここまで大切にしてもらえば生徒たちの士気も上がるに決まっている。その気持ちこそ、吉田松陰先生の教えが生徒たちに深く浸透した最大の要因だ。蓬台氏は、親や教師、また社会の中で指導者になった場合、指導する者たちがいかに、相手の天才を引き出すか?これが重要ではないでしょうか?と言う。

師道を興さんとならば、妄りに人の師となるべからず、また妄りに人を師とすべからず。必ず真に教ふべきことありて師となり、真に学ぶべきことありて師とすべし(講孟箚記より)

【現代語訳】指導者の立場になった場合に、心得ておくべきことがあります。それが、軽い気持ちで人を指導してはいけないと言うことです。真剣に人を教えることが出来てこその指導者であり、組織の頂点に立つ指導者こそ、真剣に学び、学びながら指導するべきなのです。

いい上司は、弱みより強みに注目して、それを育てる人」こそ部下との信頼関係が醸成でき、都田建設のような”生き生きと輝きながら働ける職場作り”のための大切な要因ではないだろうか。「強みに注目せよ!」リーダーこそ肝に銘ずべきテーマだ。