フェイスブックで復興プランを議論(続き)

日本を創り継ぐプロジェクトの開催と参加者募集開始

 ~ 若者による、震災後の日本の未来をデザインする取り組みを8月に実施~   主催:株式会社NTTデータ、株式会社野村総合研究所   http://www.shin-shakai.com/fcd2011/

6月27日に「フェイスブックで復興プランを議論」とのタイトルで予告しました件で、具体的な応募プランが発表されました。対象は16~25歳の意欲ある若者で、募集期間が7月7日~17日です。募集後のスケジュールも書かれています。

日本を若者の熱き自由な発想で復興させる!是非応募を!

釜石の奇跡(東日本大震災)

最新の人間学を学ぶ月刊誌「致知」8月号の記事に「釜石の奇跡はかくて起こった(平時に備えるリーダーこそ危機を超える)」というのがあった。「釜石の奇跡」とは、釜石市立の小・中学校14校では、当日学校の管理下にはなかった(休暇など)5人を除く児童・生徒約3000人が全員無事だったことを言う。ある3階建ての小学校では、3階の窓に車が突っ込んでいる姿が残っているが、そのような状況下で全員無事だったことが奇跡と言われるゆえんである。

このような事がいかにして起こったのか?現群馬大学の片田敏孝教授(防災学)が、100年前の明治三陸大津波の被害(釜石では6500人のうち4000人が死亡)をニ度と起こさないために2004年から市民の防災に関する意識の向上ならびに行動をまずは釜石をモデルに実践してきた成果としてアピールされている。効率的な意識改革はまず子供から(子どもが親になればどんどん意識は拡大して行くとの考え方で10年計画で推進)ということで、まずは小中学校を対象に指導されてきた(小中学生を通じて親への浸透も図った)。過去におきた震度6程度の地震でも避難率は実際2%にも満たない、そんな状況であったそうだ(気仙沼でも)。

当日、部活中の中学生がハザードマップでは浸水想定区域外にあった小学生〔3階に車が突っ込んでいる小学校〕を誘い、手を引っ張って高台に逃げる。その姿を見た近所の大人連中も慌てて一緒に逃げる。普通は親は子供が心配で学校に迎えに行くが、日頃の指導で親も子供を信頼して、まずは逃げることを推奨。すべての人は「率先避難者になれ(他人の命を心配せずに自分の命を守りぬけ)」と叩き込まれた行動をとった。東北地方には、「津波てんでんこ」という言い伝えがあるそうだ。津波が来たらてんでんばらばらに逃げないと家族や地域が全滅してしまうとの事らしい。しかし、この教えに基づく行動はそう簡単ではない。身近な人を気遣い、結果的に全員危機に瀕することになりやすいが、危機時にはまず逃げろが正しい事が「釜石の奇跡」では証明された。

人間は危機管理に弱い動物である。非常ベルがなったら、すぐ行動(避難)できますか?「その状況下において最善を尽くせ!」との教育を受けた中学生は、停電で校内放送も出来ない中、部活動中であったが、すぐに地震に反応し、隣の小学校に飛び込み、小学生を連れて避難した(訓練済み)。

この弱さを克服するには、平時での真剣な訓練の徹底しかない?「釜石の奇跡」は、東京も例外ではない大地震対策として教えるものは多い。

コ・クリエーション戦略

‘これからの時代は、企業側の視点だけでは不十分で、顧客をはじめ、すべての関係者と「共同」でイノベーションを行う事が求められる’というのは、「生き残る企業のコ・クリエーション戦略」の本(徳間書店、2011.4.30発行)の著者ミシガン大学のラマスワミ教授など。

参加型プラットフォームを構築することで、上記イノベーションを行うことを「コ・クリエーション」と呼ぶ。

その事例として挙げられるのが、ナイキとアップルで共同開発した「NIKE+(ナイキプラス)」。これは靴につける高性能センサーとiPhoneなどに内蔵された無線受信機からなり、ジョギングのデータを記録、分析出来るという。また「NIKE+」のウェブ上で、コーチや有名アスリートと交流もできる。このシステムにより、ナイキはランニングシューズのシェアを10%増やしたそうです(47%→57%)。しかも広告費を55%減らして。

スターバックスは「マイ・スターバックス・アイディア」というウェブサイトを立ち上げ、顧客から商品開発や店舗デザインなどのアイデアを集めている。このシステムは、会社の急拡大により経営陣が顧客視点をわすれてしまったため、急遽創業者がCEOに返り咲き、創業時の「顧客に価値ある体験を提供する」とのスターバックス精神に戻るために作ったシステム。常連客の好みをカードに登録し、次の来店時はそのカードを提示すればすぐ好みのものが出せるとのアイデアも顧客から出されて実現したそうだ。

日本のクラブツーリズムも、200以上のテーマクラブを作り、お客様の声を吸い上げているそうだ。各テーマにフレンドリー・スタッフを専属につけ、新たなツアー、既存ツアーの修正などの価値ある新たな体験に関するアイデアを引き出しているとか。

トヨタとセールスフォース・ドットコムの提携も、特定車種に関するメーカー・販売店・顧客のソーシャルネットワークのためのプラットフォーム作りと言われているから、コ・クリエーション戦略のようですね。

この戦略のメリットは、まさに顧客(ユーザー)視点の徹底である。以前の「いいものを作れば売れる」との企業の論理は通用しない(サムスンのビジネスモデルが好事例)。如何に顧客を製品開発に巻き込めるか、これからの企業戦略にとって参加型プラットフォームは大いに注目すべきものと思います。