「致知」カテゴリーアーカイブ

感動の渦!社内木鶏大会

昨日ホテルニューオータニで、1200名の参加のもと、2回目の社内木鶏全国大会が開かれた。これは、人間学を学ぶ月刊誌を発行している「致知出版社」が昨年から開催している大会である。致知を教材にして、社長と社員が一体となって社員の人間力を高める活動を展開している企業の発表会である。この活動とは、社内で月1回、全員が致知のある記事に関して事前に書いてきた感想文を小グループに分かれて発表しあい、お互いに評価しあう1時間程度の場を言う。これを「社内木鶏会」と呼んでいる(「木鶏」の意味はhttp://jasipa.jp/blog-entry/6893を参照)。この会のポイントは「美点凝視」。すなわち、感想文を聞いて、発表者のいいところを見つけ褒めることだそうだ。

今回は、南は宮崎県から北は岩手県から、5社の発表があった。ある会社では、社長に権限が集中し、社員は社長の指示待ちとなり、結果的に仕事の効率が落ち業績悪化。これでは将来がないと悟った社長が一念発起、社員を信頼し社員に任せるために、社員の自立化をめざし「社内木鶏会」を始めた。しかし、社員の最初の反応は、今まで読んだこともない雑誌を読まされ、拒否反応が多数を占めたそうだ。社長の指示なので仕方なくやっているうちに、社長の意図も分かり、自らの人間的成長に気付き、目の色が変わっていったとか。他の会社も、同じような経緯で、社長の強い思いで実施し、成功をおさめられている。

社員代表の後に社長も発表し、最後は参加社員全員で決意表明をして終わるが、「社内木鶏会の」の効果(いずれも昨年始めた会社ばかりで2年もたっていない)として言われたことを列記する。

  • 社長が社員の才能に気付く(誰にでもいい所はある!)
  • 発表ないしはコメントしているうちにその質の向上に誰もが目を見張り、多面的な見方ができるようになることに驚く。
  • 管理職の人は、部下の良いところに気付き、謙虚な気持ちで部下と接触するようになる。
  • お客様に接する態度が変わり、お客様の心を早い段階でつかめるようになる。
  • 自分を支えてくれたすべての人、モノに感謝の気持ちが持てる。
  • 他人を慮るようになる。
  • 社長の思いが社員に伝わりやすくなる。

結果として、どの会社も業績が急回復したそうだ。まさに「企業は人なり」を実感した。現在では、急速に広がり、現時点全国で600社、19000人が取り組んでいるそうだ。

このような活動は、稲盛和夫氏、牛尾治朗氏、北尾吉孝氏、渡部昇一氏など著名な経営者、学者、思想家に加えて岡田武史氏、松岡修三氏、米長将棋名人など各界の方々からの支援を受けながら、「社員が変わる、企業が変わる、日本が変わる」との高邁な目標を持って33年間続けられている。5社の発表のあと、致知出版社の藤尾社長のほとばしる情熱とご見識のご披露があったが、またの機会に報告したい。会場は感動の渦だった。

「我、いまだ木鶏たりえず」

この言葉は、ご存じの方は多いと思います。白鵬の連勝記録(63)がストップした時、この言葉が新聞にも掲載されました。白鵬が信奉してやまない双葉山が連勝記録(69)をストップした際、教えを請うた陽明学者安岡正篤にこの言葉を打電した言葉として有名です。

「木鶏」とは、「荘子」に出てくる話で、ある王が闘鶏づくりの名人に自分の闘鶏を託し、40日かけて「いかなる敵が来ても、木彫りの鶏のように動ぜず、徳力が充実している」姿にしたとの逸話から出てきた言葉です。大鵬も、双葉山から直接「木鶏」の話を聞き。双葉山のあまりの理想の高さ、気高さに身震いがしたそうです。白鳳もこの心境を目指しているのです。平幕力士であろうと、苦手な相手であろうと、平常心で相撲がとれるように。

昨年5月、名古屋で全勝優勝しても天皇賜杯授与出来ず、涙を流した白鵬の姿が思い出されます。「致知2011.11号」に大鵬との対談記事が掲載されていますが、大鵬も「白鵬は、普通の日本人力士よりよっぽど日本の歴史や相撲の歴史を知っており、日本の伝統文化を守ってくれている」と言っています。「相撲や、武道は『心・技・体』が大切と言われますが、やはり心が一番上です。技を磨く、体を鍛える以上に、心を育てるのは難しい。勝つためには心が八割、技が二割、体はゼロじゃないか。」と白鵬は言う。

今年の日本オープンも終わりましたが、石川遼君は残念な結果でした。遼君も、『心・技・体』の心で悩んでいるのではないでしょうか。大関に昇進した琴将菊も、心の問題に悩み、東海大学の教授の教えを受けたり、写経に励んだりしたそうです。

人間学を学ぶ月刊子「致知」の読者が集まる会が全国各地(120地区以上)にあり、読者有志が月1回集まっている。「木鶏会」と称しているが、これを企業内で実施する「社内木鶏会」が広がりを見せている。昨年から「社内木鶏全国大会」が始まり、成功事例発表会&表彰式が行われている。今年の第2回大会は今週21日にホテルニューオータニで、5社の発表がある。第1回は1000名が集まり、会場全体の盛り上がりがすごかったと聞いています。人間力に関心を持ち、行動している方々の集いを私も一度見てみたく、参加することにしています(パーティもあります)。

白鵬は日本人以上に日本人となっていますが、我々日本人ももっと歴史を学び、古典に、先哲に、名経営者の言葉に学び、元気付けられ、自信を取り戻さねばと思います。グローバル化の進展は必然でしょう。日本人としての誇りを取り戻し、自信を持って堂々と世界に進出したいものです。

今朝の日経に愛読誌「致知」の全面広告!

当ブログでもよく記事を引用させていただいています人間学を学ぶ月刊誌「致知」の全面広告が今朝の日経新聞4面に掲載されています(明日の読売新聞にも掲載されるそうです)。発刊33年を記念しての広告です。「人間学を探求して33年。いつの時代にも仕事にも人生にも真剣に取り組んでいる人はいる。そういう人たちの心の糧になる雑誌を創ろう」というのが創刊理念とあります。

広告に是非目を通して頂きたいのですが、その中の記事の一部を紹介しておきます。仏法の「無財の七施」(財産が無くても誰でも七つの施しが出来る)の紹介です。

  • 一は「眼施」―――やさしいまなざし。
  • ニは「和顔悦色施」―――慈愛に溢れた笑顔で人に接する。
  • 三は「言辞施」―――あたたかい言葉。
  • 四は「身施」―――自分の体を使って人のために奉仕する。
  • 五は「心施」―――思いやりの心を持つ。
  • 六は「床坐施」―――自分の席を譲る。
  • 七は「房舎施」―――宿を貸す。

そして、この「無財の施」の事例が二つ挙げられています。(日本電産永守社長が表紙の10月号の致知は、当記事とは無関係です)。

現在読者数は9万人近く。わが社(NSD)でも、サロン形式で、記事の紹介をしていたのですが、何人かは「致知」の読者になってくれています。JASIPAの会員にも読者はおられると思いますが、是非一度致知出版社のホームページも覗いてみてください。37000人が読んでいる無料のメールマガジンも申し込めます。

日本の伝統とも言える「おもてなしの精神」、「他人をおもいやる心」などは、今回の震災で気付かされた「絆」を形作る大きな要素であり、またこれが世界でも珍しい1国1文明を作り上げてきた日本文明の礎とも言えます。各界各分野で一道を切り開いてこられた方々の体験談を通して、人間力向上にもっと目を向けませんか。