「初めて管理職になったあなたへ~成功へのガイダンス~」という広告記事を4月16日の日経朝刊で見た。人事・教育コンサルタント高城幸司氏(セレブレイン社長)からの新任管理職へのメッセージだ。
管理職の役割として「部下を気持ちよく働かせる」として、部下のマネージメントにはリーダーシップ力が必要と説く。管理職はリーダーとして目標を設定し、方向性を示して、部下にやらせる。PDCAのサイクルで継続的に部下に仕事をさせることがマネージメント。そのためには一人ひとりが納得できる目標設定が大事になる。部下とコンセンサスを得るためにトコトン話し合うことが不可欠と言う。
さらに、今の時代は“俺についてこい”と言う「徒弟型マネージメント」ではなく、部下と一緒に走る「伴走型マネージメント」と主張する。組織の目標を決めたら、進む方向と範囲を示し、後は自由にやらせる。よくできたときは褒め、悩んでいる時は相談にのる。事例として駅伝3連覇を成し遂げた早稲田大学渡辺康幸監督のマネージメントを出す。
新しい時代の管理職像をしっかり学んで、スキルアップをして欲しいと、「管理職のルール8か条」を挙げている。
- 1.部下への命令はその根拠や意図を明確にして、論理的かつ具体的に指示する。
- 2.部下が業績をあげられるようにサポートする。自分は黒子に徹して、部下に手柄を。
- 3.できない部下、やる気のない部下にも役割を与え、モチベーションを高めていく。
- 4.現場には無理難題と思われがちな会社の目標も自分なりの言葉に変えて部下に伝える。
- 5.部下が目標を達成するためのプロセスを管理。目標数字ではなく、具体的な行動を指し示す。
- 6.数年後の組織の明確なゴールイメージを与える。実現可能で継続性のある目標を示す。
- 7.意思決定のルールづくりも重要。自分の下した意思決定とその理由を説明できる。
- 8.「会社のために」を言い訳にしない。不祥事が起こっても会社は守ってくれない。
今の時代、以前にも増して中間管理職の意識・行動の重要性が言われている。いろんな方々の意見を聞きながら、自分の考えに昇華させていきつつ、自分の部下の能力を最大限に発揮させていくリーダー力を磨いていくことが求められている。
話しは変わるが、高城氏は、元リクルート社員だが、同じ日の日経2面に「業を起こすリクルートの子供たち」の連載が始まった。その中で、リクルートは「退社を卒業と呼び、30代で転職、起業するのが当たり前」と言う。先月1997年入社組のほぼ半数の55人が集まったそうだが、そのうち半分は辞めていて、個人事業主を含めて3人に一人が社長だったとの事。ある人は「リクルートは日本最強のビジネススクール」と呼ぶ。楽天、ソフトバンク、LINEなど成長中の企業には必ずと言っていいほど枢要なポジションに「元リク(リクルート出身者の通称)」がいると言う。これもリクルート創業者の江副浩正氏(今年2月逝去)の理念に沿ったものだそうだ。