経済産業省がGDPの70~80%を占める日本のサービス産業の生産性向上、効率化を狙って作った「サービス産業生産性協議会」主催の『SPRINGシンポジウム2011』が17日にあった。この協議会の主体的な活動は、
- JCSI(日本版顧客満足度指数)による、業界横断評価および結果の公表活動
- イノベーションや生産性向上に役立つ先進的な取り組み(ベストプラクティス)を行っている企業表彰制度『ハイ・サービス300選』活動
の二つである。前者は2009年度から始め、2010年度と2回にわたって50位まで公表されています。後者は既に270社近く表彰されており、残り30社程度の状況にあります。これも公開されています。
今回は「ハイ・サービス300選」の中で興味深かったのが大垣共立銀行です。2005年度にもダイヤモンド社が行った顧客満足度調査「つきあいたい銀行ランキング」において大手銀行を抑えて全国一位に輝いています。表彰のキャッチフレーズは「顧客目線のサービス提供で、銀行CS全国一位を獲得」。異業種研修でコンビニの店長を経験した行員6人が‘銀行は入りづらく、楽しいこともなく、銀行の都合を優先した店舗づくりをしている’と感じたことから、外観からサービスまでコンビニの特徴を取り入れた店舗を作ったのです(コンビニプラザ半田)。層別ブース(高齢者向け和風ブースなど)の設定、無料喫茶コーナー、雑誌コーナー、トイレ(普通防犯上銀行店舗にはない?)設置に加えて、相談したい店員も指名(予約)できるという、全国から見学者が絶えない店舗だとのことです。他にも、休日も開設の店舗(エブリデープラザ)や、バスによる移動店舗、離婚関連専用ローンなどまさにお客様目線を徹底したサービスを心がけ、実践しています。一時は社名が長い、地方色が濃いなど社名変更の希望が行員からも出ていたそうですが、今ではブランド名も挙がり、行員のモラルは上がり、新人採用も優秀な人たちで埋まるそうです。
今朝(20日)の日経新聞の記事が目に留まったのですが、大垣共立銀行では海外に進出する企業対応のため、海外研修でシンガポールに入社4年目の女性を1年間派遣するということです。
上場企業90%が企業理念に「お客様第一」に類した表現を上げているが、具体的に行動している企業は10%程度と言われています。大垣共立銀行のように、徹底したお客様指向は見習うべきものが多いのではないでしょうか。