コマツウェイが参考になる!(コマツ相談役坂根氏)


今月の日経「私の履歴書」に登場されているのは、コマツ坂根正弘氏だ。11月5日にも「弱みより強みを磨こう」(http://okinaka.jasipa.jp/archives/217)との題で記事の紹介をした。27日の記事には坂根氏が発案されたコマツウェイの事が記されている。1980年代に独裁的な社長のために経営が混乱し、このままでは会社が壊れるとの危機感を抱いた経験をもとに、「トップが変わっても、経営の基本線としてこれだけは踏襲してほしい」との想いで、コマツウェイをまとめられたそうだ。マネージメント編には、「取締役会の活性化」をはじめとして、5本の柱があり、その一つが

ビジネス社会のルールを順守すること

だ。法令違反や不祥事を無くそうとの趣旨だが、単に言葉だけでは何も変わらないと、「報告の順番はバッドニュースが先」の原則を立て実行させた。コマツの事業責任者や子会社のトップは毎月1回報告書を社長に提出するが、そのレポートの一番上に「バッドレポート」を書かせることにしたそうだ。二つ目は

常に後継者を考えること

だ。この話は上記ブログでも紹介しているが、工場長や部長などに毎年1回「自分の次」と「次の次」について、誰を適任と考えているかを社長に報告し話し合うことを義務化している。

双方とも理念だけではなく実行の伴う施策を一緒に実施させている点が「さすが」と思う。私もJASIPAの経営者サロンはじめ、いくつかの企業で話をさせて頂いているが、テーマは「お客さま第一の風土を如何に創るか」だ。上場企業のほとんどが企業理念や基本方針などに「お客さま第一」を掲げているが、実行に移している企業は大目に見ても1割程度と言われている。「お客さまへの付加価値提供」が第一義のIT業界(サービス業)で、真にお客さまの為を思ったサービス提供ができているか、信頼関係が構築できているかを自省し、会社全体で行動に移すことが出来れば,ますます激しくなる競争社会で勝組になれる可能性が広がるものと思われる。「理念」と「行動」を一体化することの重要性を、コマツウェイは示している。

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