北京オリンピック開会式でのパラソルに描かれた世界の笑顔


2008年北京オリンピック開会式で世界の笑顔が2008本のパラソルで花開いたのを覚えていますか?これの企画をしたのは日本人なのです。世界平和のために自分を犠牲にしながら奉仕されているデザイナー水谷孝次さんの話です。

東日本大震災の被災者に対しても、笑顔を届けるイベントを行われており、いわき市では

家が津波で流されてしまったご夫婦が「震災後、初めてこんなに笑顔になった」と言ってくれ、あるおばあちゃんは涙を流して「ありがとう、ありがとう」と感動してくれた。

との事です。URL:http://www.merryproject.com に掲載されています。

その写真提供者は日本人デザイナー水谷孝次さんです。彼の「デザインが奇跡を起こす」(PHP研究所)という自叙伝を読みました。情熱さえあれば、仕事は決して裏切らない!思ったら飛べ!世界のポスター展を総なめにし、いま各界の注目を浴びる。いろんな評価が表紙に書かれています。

2008年8月8日北京オリンピックの開会式のラスト。競技場の中央に地球をイメージした巨大な球体がせり上がり、テーマソング「You & Me」が流れ始める。その時大型スクリーンに子供たちの笑顔が映し出されると同時に球体の周りで子供たちの笑顔をプリントした2008本の傘が次々と開かれた。1本1本の傘に水谷さんが危険を賭して出会い、会話をし、撮影した全世界の子供たちの笑顔がプリントされている。夜空に2008発の花火があがる。

このとき、北京への旅費、写真提供料など一切お金は出なかったそうです。しかし、水谷さんは、世界に笑顔をまき散らし、大勢の人がそれを見て感激してくれたことが最大の報酬と言われています。

水谷さんは今は60歳前ですが、電子工学を学びつつ、フォークソングに凝り、プロになることも考えた時もあったが、その音楽界のポスターを作りながら自分はデザイナーになるとの意志を持ったとの事。意志を持つと、それに向かって自ら有名なデザイナーを頼って上京し、断られながらも次々とデザイン事務所を変わりつつ、技術を磨いたそうです(他のデザイナーが捨てたごみ箱の紙を持ち帰って勉強した)。いわば自分で自分の道を切り拓く行動のお手本のような方です。セイコー、ワコール、サントリー、全日空などのポスターで名を馳せつつ、いろんな賞を総取りしつつも、自分の生き方を常に眺め、真に社会のためになる生き方を追求した結果「ソーシャル・デザイン」の概念を考え、そして笑顔に辿り着いた。いろんな所で笑顔を取り、写真集にし、展示会をやっているうちに、それを見た人々が笑顔を見せる、そんな相乗効果に、自分の進む道を確信。「MERRY プロジェクト」と名付けてアフリカの原住民、ブラジルの貧民街などで全世界の子供たちの写真を撮り続けた。10年間で25カ国3万人以上の笑顔を集められたそうです。2005年の愛知万博にも出展。

今は赤十字、JICA,企業とも連携しながら、貧しい国の子供たちへの支援(学校建設など)を行っておられます。まさに世界平和のために自分を犠牲にしながら邁進されている。世の中にこんな人がいるんだと感動しました。まさに世界の人を相手にした「利他の心」の実践者ですね。

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