”スワーダ・アル・ムダファーラ”さんと”いとうまい子”さんの人生!

今年1月にサハル・ローズさんを紹介した。ひどい環境の中で育ちながら、今でも立派に日本でご活躍されている姿だ。今回紹介するのも、並の精神力では出来そうにないご活躍をされている女性の紹介だ。

まずは、8月21日のテレビ朝日の「徹子の部屋」に登場されたスワーダ・アル・ムダファーラさん。オマーン国籍を取得された日本人女性だ。一夫多妻の国で4度結婚して4度離婚!?年齢は明らかにされていないが、恐らく70歳前後と思われる。今から46年前に文化使節団としてオマーンを訪問。その後オマーンの女性に日本の心を教えるために何度かオマーンを訪問し、オマーンの男性と結婚。その後離婚、結婚を繰り返した。そして25年前に当時の夫に資金支援はしないと言われながらも私立学校を作り、校長になったという。最初は5人の幼稚園児だったのが今では高校までの一貫校となり800人の学生を有するオマーン有数の名門校となっているそうだ。この間、資金繰りに苦労し不渡りを出しながらも軌道に乗るまで困難な日々を振り返っている。現在は校長を退任し、青少年のライフコーチとしてご活躍だそうだ。オマーンでは、日本に対する憧れも強く、スワーダさんは、日本人としての証を残す活動の一環として学校を設立し、さらに継続して活動を続けられているという。

次は、致知9月号に掲載されている「恩返しで開いた人生の扉」とのタイトルで、芸能界で活躍のいとうまい子さんのほんとに驚く人生が語られている。記事のリード文は下記。(https://www.chichi.co.jp/info/chichi/pickup_article/2025/202509_itou/

18歳から芸能活動を続けてきた“いとうまい子”氏はいま、研究者、経営者、そして大学教授等々、八面六臂の活躍で注目を集めている。華やかなデビューから一転、「地獄の10年間」と振り返る不遇の二十代を乗り越えて、彼女はいかにして運命を切り開いてきたのだろうか。人生のターニングポイント、」そして自身を挑戦へと突き動かす思いに迫った。

18歳で芸能界に入り、役者を目指したが、童顔のせいか思いどおりの役柄に恵まれず、悩んでいたとき、飼っていた犬に教えられ、人生の生き方、考え方を変えたそうだ。頂いた仕事は、どんな仕事でも感謝の気持ちで臨むこと、さらに感謝だけではなく恩返ししたいとも思うようになったそうだ。高校を卒業してすぐ芸能界に入った自分は、無知、無教養で恩返しのすべもわからない状態。ということで45歳で早稲田大学に入学。まずは高齢化が進む現状を考え、予防医学を学び、その後事情があって、ロボット工学に。プログラミング経験もない中で、加齢に伴う筋肉や骨の衰えで思うように歩いたり、体を動かしたり出来なくなって要介護になってしまう問題に取り組み、正しいスクワット検出装置を開発し、国際ロボット展に出展。そのときある企業から声がかかり、開発したのが「ロコピョン」というスクワット運動を促すロボット。高齢者の方に2ヶ月試してもらったら30秒間に椅子から立ち上がれる回数が増えたそうだ。その後も早稲田大学で基礎老化学を勉強し修正課程から博士課程に進むことも出来たそうだ。都合15年間、60歳まで早稲田で勉強し在籍中に共同研究していた東京大学で分子構造の解析の研究中だという。今年には請われて情報経営イノベーション専門職大学教授にも就任とか。

芸能活動をやりながらの研究で、寝る間も惜しんで勉強したそうだが、その原動力は?本人の言では、芸能界で苦しいときも「本屋さんでもやるの?」と言われるくらい哲学の本など片っ端から読んで勉強したとか。本から勇気をもらい、自分がどう考えるかで人生は変わること、壁に直面してももうダメではなく、どう乗り越えるかを考えるように教わったと言う。20代の地獄の10年間、いろんな方のおかげで自分がいるのに、それを当たり前と思って感謝を忘れていたが、今は「嫌なことが起きても感謝」を自分に言い聞かせていると、いいことがどんどん起こるという。

あの童顔のスターが、童顔故に苦労した時代をバネに、全く未知の分野へここまで突き進めることを考えると、人生考え方一つで誰にでも開ける世界はあるのではと思わせてくれる。

健康長寿への挑戦

私のブログで再々登場する“人間学を学ぶ月刊誌「致知」”は、それぞれの分野の専門家の記事に学ぶことが多い。この“学び”が喜寿を過ぎた私の健康寿命にも影響を与えているかもしれない事を、致知9月号の脳専門家の対談で痛感した。

タイトルは「健康寿命への挑戦~脳はいくつになっても成長できる~」だ。リード文は、

日本は世界有数の長寿国だが、平均寿命と元気に生活できる健康寿命との間には、まだ隔たりがある。高次脳機能外来で脳疾患の患者を数多く社会復帰へ導いてきた築山節氏(北品川クリニック・予防医学センター所長)と、脳科学の知見に基づき人の才能を引き出す活動に取り組んでいる西剛志氏(脳科学者)にいくつになっても脳を成長させ、真の健康長寿を実現する道について語り合っていただいた。

この対談は、「如何に健康寿命を延ばすか」がテーマで、要点だけを下記する。

  • 脳の働きと運動は不可分で、健康でなければ脳も働かない。その健康のためには運動で、その基本は歩くこと、1日8000歩でいいから、これを習慣化すること。脚には6割の筋肉が集まり、下肢の血液を心臓に戻す働きがあって“補助心臓”と呼ばれている。(築山)
  • 脳にある海馬という記憶を司さどる部位の活性化のためには、いろんな場所を歩くことが重要。同じ場所を歩くにしても右側と左側を交互に歩くことも意味あり(西)。
  • 食事は朝食が一番大事。朝食をとることで、体内時計が整い、消化や吸収と言う働きが起こり体全体の活動を始める。生活リズムの安定も重要。朝同じ時間に起きて、昼間はしっかり活動し、夜は同じ時間に寝る(築山)。
  • 毎日日誌を書くことも、脳の体性感覚野の活性化や、ドーパミンと言うやる気にかかわるホルモンの分泌を促しストレス軽減にも役立つ(西)。
  • いつまでも学び続ける事。テレビや新聞、本を通じて新しい情報を仕入れ続ける。「もう歳だから・・・」「歳を取ると・・・」などは禁句。
  • 主観年齢(実年齢より若い気持ち)を持つ人は血管年齢も若い。ある実験では、高齢の女性には白髪を染めてもらったら、血圧まで若いころの数値に戻ったという結果もあるそうだ。役柄によって肌の状況が実際に違うという女優もいる(西)。
  • 運動と睡眠は認知症予防にも効果的。昼寝も大切で30分以内の昼寝は認知症リスクを50%下がると言う。ただし1時間以上だと逆に上がる(築山)。

漫然と生きていると、年齢以上の年を取り、健康寿命を短くする。生涯現役が理想だが、自分の力の4%くらい高いところに生きがいを見つけると、やる気にかかわるドーパミンが出るとの事で、肩の力を抜いて楽しみながら挑戦を続けることで、いつまでも脳を成長させ、健康長寿が実現できるそうだ。

日本の平均寿命と健康寿命の差が男性8.49歳、女性が11.63歳。いずれも世界で最も長いそうだ。私は“ピンピンコロリ”を理想とすると常日頃から思っているが、この差をゼロにすることでもあり、ぜひとも築山先生と西先生の提言を真剣に考えてみたい。

熱中症は”脳”の病気です!

今年は梅雨明けを待たずに異常な暑さに見舞われ、熱中症に見舞われる人が急増している。報道関係でも熱中症に関する注意勧告がされている。このような中、表記「熱中症は”脳“の病気です」との題名で、兵庫医科大医学部特別招聘教授の服部益治先生が書かれている記事に目が留まった。家内が読んでいる「婦人公論8月号」の記事だ。熱中症は老若男女誰でもかかる病気でもあり、特に高齢の人は注意が必要と思っていたが、脳の病気となると年にかかわらず注意が必要と考え、ブログで当記事を紹介することとした。

服部先生曰く「脳卒中や脳症と同様、熱中症は脳細胞を壊し、死に至ることも。死を免れても、意識障害やまひなど、重度の後遺症が生涯続くこともある。」と。さらに「脳が最も熱に弱い機関だからです。人間は一定の体温の範囲内でしか生きれない恒温動物。40度を超えると脳細胞が破壊される危険が生じる」とも。だから、発熱すると、おでこを冷やすのは間違いで、脳に流れ込む熱い血液を冷やすことが先決で、頸動脈(首の両側)、両脇、鼠径部を冷やすことが大事とも言われている。

熱中症に至るメカニズムは、熱にあたって体温が上がると体は発汗し、その汗が蒸発する時の気化熱を利用して体温を下げ、脳を守る。が、体内の水分が不足していると発汗が出来ず体温上昇を止められず、結果的に熱い血液が脳へ流れ熱中症を引き起こす、と言われる。

熱中症対策としては、まずは水分の補給。夜眠る前に200ml、朝起きたら200mlを飲む。昼間は1時間に一度は軽くコップに1杯(100ml)の水分を取る。その際、緑茶やコーヒーなどのカフェイン飲料は利尿作用があるため、水分補給は水か麦茶が最適と言う。一度に大量の水を飲むと脳が「洪水が起きた:」と判断し、利尿作用を発動するため要注意。あくまでこまめな水分補給が大切。

60歳を超える高齢者には特別注意!筋肉は貯水タンク、しかし筋肉量が少ない高齢者は体内に水分を溜めにくいため、常に少し脱水気味であることを認識しつつ、こまめな水分補給を勧められている。

他にも、朝食にはバナナ、牛乳、ヨーグルトがお勧め、汗をかいたら濡れタオルで拭く、経口補水液や塩飴も推奨されている。それぞれの対策にはその理由も合わせて推奨されている。

欧州からは40度超えも聞こえてくる。日本でも北海道(一部)でも酷暑(35度超え)が。7月29日には、兵庫県丹波で40,12度の過去最高温度を記録した。

これからもますます酷暑の夏が予想される。是非とも脳の病気である熱中症にかからないよう常日ごろから対策を日常化するよう努力したいと切に思う。

冲中一郎