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世界の王と荒川の不思議な出会い

私は子ども時代からの根っからの阪神ファンですが、王選手の人間的な魅力には心を惹かれます。

荒川コーチとの出会いがなければ、世界の王になれたか?これは必要条件ではありますが、十分条件ではない。彼の「素直さ」「感謝の心を忘れない純粋な心」、そして探究心、向上心が相まって今の王選手があると思います。「素な心」は松下幸之助さんはじめ成功した経営者の多くが、自らを成長させるために必須のスキルと言われています。(人間学を学ぶ月間誌「致知」より)

荒川コーチがいた故に世界の王になれた話は有名です。しかし、この二人の出会いは実に奇妙なのです。というか会うべき人に運命的に出会ったとでも言うのでしょうか。

王14歳(中学生)、荒川24歳(プロ野球選手ー毎日オリオンズ)の時です。荒川選手がとある草野球場に足を運んだ時、中学野球をやっていました。4番で右打ちで打っていた中学生に、次は左で打ってごらんと進めたそうです。それまで3打席凡退だったのですが、初めて左で打って2塁打だったそうです(なんと素直な!)。この選手が王だったのです。

王の素質を見抜き、早稲田実業高校への進学を両親にお願いに行ったそうですが、父親は息子にはエンジニアになって祖国中国のために頑張らせる、そのために両国高校から東大に進学させると言って頑なに反対されたそうです(兄は医者)。たまたま両国高校を落ちたため、やむなく早実に行ったそうです。

その後は皆さんご存知だと思います。そして川上監督のときに将来を期待され巨人に入団。しかし、2-3年は泣かず飛ばずで王も銀座で遊んでいたそうです。その時川上監督が外部から王を育てるために荒川を呼んだとの事、それから球場への行きかえりに荒川の自宅の畳部屋で地獄の特訓、そこで一本足打法を開眼したのです。特訓をはじめて、1年ほどは実績が出なかったそうですが、王は何も疑わずもくもくと荒川コーチの指示に従って畳が擦り切れるほど素振りを繰り返したのは有名です。荒川コーチが言っているのだそうですが、自宅でここまで出来たのは荒川コーチに子供がいなかったから。こんな運を呼び込むのも人間力。

荒川コーチ曰く、「指示した事を疑わず、素直に受け止めてくれた」王の素直さがあった故に、そして向上心と感謝の心を常に持ち続けた故に、荒川コーチも途中で投げ出さずに出来たとのこと。素直な心と感謝の心なくして荒川との出会いはなかったと思います。そして人との出会いの不思議さ!成功者から教わるものが多いですね。

感動3.0(続き)

4月1日よりJASIPAの特別顧問を拝命することになりました。微力ではありますが、JASIPA並びに会員企業様の発展のために寄与できればと思います。よろしくお願いいたします。

前々回の記事に「感動人間」と言う言葉を使いました。感動の語源は論語の「感即動(感じるから動ける)」だそうです。著名な思想家安岡正篤氏は「人は感動の度合いが大きいほど人間的な厚みが増し、その感動の量や感激の量が最終的な人格を作る」と述べています。その意味で社員には感動を求めていろんなことにチャレンジするようしつこく言っています。

今回は前々回の続きです。

感動(続き)「感動3.0」の中に「感動の方程式TM」として下記が挙げられています。

 期待>>実感=怒り、期待> 実感=不満、期待=実感=満足、期待<実感=感動、期待<<実感=感激、期待<<<実感=感謝

お客様との間で、心の関係性を保つには、満足以上の関係を目標とせねばなりません。しかし、いきなりジャンプして2段階も3段階も上を狙う事は止めた方がいい。ギャップの程度は101%を基本に最大でも120%程度までが持続可能な関係構築の範囲。脳科学的にもあまりにも大きな変化は相手は拒否反応を示すそうです。それにしても、昨年Ⅰ月のJASIPA交流会で田中克己さんが言われた「感動・感謝・感激の3K」と言った3つの関係がこの様な関係とは、納得いくと共に共感しました。やはり心のこもった“感謝”が最高の贈り物なんですね。

101%の感覚事例ですが、著者の息子の入学手続きに行った時のこと。手続きを終え、担当の事務の方に「どうぞよろしく」と頭を下げ、担当の女性も「こちらこそ」と会釈をしたのですが、驚きはその後です。カウンター越しに事務室で仕事をしていた方全員がこちらに向かって一斉にお辞儀されたそうです。この方はメチャクチャ感動したそうです。こんな小さな心配りの積み重ねが大きな信頼と絆を創り上げるのです。「感動3.0」時代のマネージャーの役割は?ある著名なフランスの監督の話「私がやっているのは管理することではない。監督と言うのは助産婦だ。俳優はその内面に何かを持っているのに気づいていない。そういう時におしえてあげるのが監督だ。俳優が自分自身を見つけるのを手伝ってあげるのが仕事だ。」確かにNHKの大河ドラマの俳優を見ていると福山雅治の“龍馬”、上野樹里の“江”と難しい役柄ながらぴったりハマってくるから不思議です。

最後に、「永遠の客を作る」のシーンで、近江商人の「商売10訓」が紹介されています。その中に「無理に売るな、客の好むものも売るな、客のためになるものを売れ」というのがある。「売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永遠の客をつくる」というのもあります。まさに一生客(継続顧客)を作るための極意と感じ入りました。後者のサービス精神で大成功を収めたのが米国の靴のネット販売会社「ザッポス」です。1300%の成長率、リピートオーダー率75%、創業10年足らずで年間売上10億$突破。送料・返品無料、365日以内の返品可(屋外で歩いた靴以外はOK)、24時間無休のコールセンター(自前スタッフ)。まさに売った後の奉仕内容は、靴の常識を覆したものとなっていますね。

第3の奇跡は起こせる!日本人だから

今朝の日経「私の履歴書」に建築家安藤忠雄氏の記事がある。その中で

フランスの詩人ポール・クローデルは同じく詩人で友人のポール・ヴァレリーに「私はこの民族だけは滅びて欲しくないと願う民族がある。それが日本民族だ」と話したという。その日本は存亡の危機にある。今こそ第3の奇跡を起こすべく、日本は真に変わらなければならない。

と言う言葉がある。日本・日本人は世界から注目され、愛されている。がんばろう!日本!

第3の奇跡とは:明治維新の時、幕藩体制から近代国家を一気につくったこと。その素地は300を超える諸藩の教育体制だ。現在の一律な教育制度とは異なり、藩ごとの特色が打ち出され、学ぶ人の目的と個性を考慮した教育が行われた。熱意ある柔軟な教育が生みだした人材が新しい時代の扉をこじ開けた。

第2の奇跡は「敗戦と、数十年の間に復興し世界有数の経済国にまで発展したことだ。廃墟と化した地で大人たちが寝食を忘れて働き、子どもたちが元気に目を輝かせる姿を見て、海外から訪れた人々は「この国は必ず復活する」と口をそろえたという。

しかし、経済大国と言われ始めた1969年頃から実直な国民性が色あせて行く。人々は考えなくなり、闘わなくなった。経済的な豊かさだけを求め、生活文化の本当の豊かさを忘れてしまった。未来を担う子供たちは親の敷いたレールの上を走るのに精いっぱいで創造力を養うための貴重な時間を失っている。本来子どもは友だちと自由に、自然と戯れながら遊ぶ中で好奇心を育み、感性を磨き、挑戦する勇気や責任感を養う。今、子どもたちは過保護に育てられ、自分で考える体験が絶対的に不足しており、緊張感も判断力も、自立心もないまま成長し、社会を支える立場に立つ。正しい価値観で物事を決める事ができず、国際社会で立ち遅れている今の日本と、子どもの教育を取り巻く状況は決して無関係ではない。

人間性を育む教育を行い、自分なりの価値観をもつ「自立した個人」をつくり、家族や地域への愛情をもった日本人の国民性を回復しなければ、未来は見えてこない。

と嘆いている。

今回の大災害での日本人の行動に対して、海外からの日本に対する評価が一段と上がっている。冒頭のフランスの詩人の言葉にある日本の良さが、再認識され始めており、まさに「日本をダメにするな」との暖かい思いで、過去に経験のないくらい海外多数の国からの支援を受けている。

昨日「日本はなぜ世界で一番人気があるの(PHP新書)」を買った。詳しくは別途報告するが、英国BBC放送の調査では、海外からの日本に対する評価は世界で最上位にあるが、日本人による日本の評価が他国に比して低い(43%)という(主要国では60~85%はある)。

もっと自信を持とう、そして第3の奇跡を起こして、日本をもっとアピールしよう。それだけの力を日本は持っている。「日本人に生まれて良かった」を実感しよう!