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新大関「鶴竜」誕生!おめでとう!

今朝の朝日新聞の天声人語に「新大関鶴竜誕生」の記事が掲載されている。モンゴルから来た時の体重は65Kgしかなかったが今は148Kg。その昇進の口上「お客様に喜んでもらえるような相撲が取れるよう努力します」との飾らない言葉がいかにも鶴竜らしいと評判を呼んでいる。「お客様」という言葉が口上としては異例らしいが、ファンを日頃から大事にしている鶴竜が言った言葉だから説得力があるとの評だ。鶴竜は「お客さまがいないと相撲は成り立たない。関取になってからいろいろあって、親方(元関脇逆鉾の井筒親方)からもそう教えられた。」と言う。入門から62場所での大関昇進は、外国人では最も遅いらしい。その鶴竜が口癖なのが「コツコツ」とか。

「コツコツ」で思い出すのは、イエローハット創業者の鍵山氏の言葉である。致知出版社藤尾社長の「一途一心」の記事にこうある。

一途一心とはひたすら、ひたむきということである。
一つ事に命を懸けること、ともいえる。
あらゆる道、あらゆる事業を完成させる上で、
欠かすことのできない心的態度である。
物事の成就はこのコア(核)なくしてはあり得ない。
イエローハット創業者の鍵山秀三郎氏は、
ある時若い人たちから成功の秘訣を問われ、
「二つある」と答えて白板に、
「コツコツ」
――と板書されたという。
コツコツは一途一心と同義である。
その根底にあるのは無心である。
心に雑念妄念が入っては、人間、コツコツにはなれない。

相撲人気も鶴竜のお蔭もあり、回復の兆しだとか。史上初の6人大関。鶴竜はじめ、大関陣の頑張りを期待したい。

「我、いまだ木鶏たりえず」

この言葉は、ご存じの方は多いと思います。白鵬の連勝記録(63)がストップした時、この言葉が新聞にも掲載されました。白鵬が信奉してやまない双葉山が連勝記録(69)をストップした際、教えを請うた陽明学者安岡正篤にこの言葉を打電した言葉として有名です。

「木鶏」とは、「荘子」に出てくる話で、ある王が闘鶏づくりの名人に自分の闘鶏を託し、40日かけて「いかなる敵が来ても、木彫りの鶏のように動ぜず、徳力が充実している」姿にしたとの逸話から出てきた言葉です。大鵬も、双葉山から直接「木鶏」の話を聞き。双葉山のあまりの理想の高さ、気高さに身震いがしたそうです。白鳳もこの心境を目指しているのです。平幕力士であろうと、苦手な相手であろうと、平常心で相撲がとれるように。

昨年5月、名古屋で全勝優勝しても天皇賜杯授与出来ず、涙を流した白鵬の姿が思い出されます。「致知2011.11号」に大鵬との対談記事が掲載されていますが、大鵬も「白鵬は、普通の日本人力士よりよっぽど日本の歴史や相撲の歴史を知っており、日本の伝統文化を守ってくれている」と言っています。「相撲や、武道は『心・技・体』が大切と言われますが、やはり心が一番上です。技を磨く、体を鍛える以上に、心を育てるのは難しい。勝つためには心が八割、技が二割、体はゼロじゃないか。」と白鵬は言う。

今年の日本オープンも終わりましたが、石川遼君は残念な結果でした。遼君も、『心・技・体』の心で悩んでいるのではないでしょうか。大関に昇進した琴将菊も、心の問題に悩み、東海大学の教授の教えを受けたり、写経に励んだりしたそうです。

人間学を学ぶ月刊子「致知」の読者が集まる会が全国各地(120地区以上)にあり、読者有志が月1回集まっている。「木鶏会」と称しているが、これを企業内で実施する「社内木鶏会」が広がりを見せている。昨年から「社内木鶏全国大会」が始まり、成功事例発表会&表彰式が行われている。今年の第2回大会は今週21日にホテルニューオータニで、5社の発表がある。第1回は1000名が集まり、会場全体の盛り上がりがすごかったと聞いています。人間力に関心を持ち、行動している方々の集いを私も一度見てみたく、参加することにしています(パーティもあります)。

白鵬は日本人以上に日本人となっていますが、我々日本人ももっと歴史を学び、古典に、先哲に、名経営者の言葉に学び、元気付けられ、自信を取り戻さねばと思います。グローバル化の進展は必然でしょう。日本人としての誇りを取り戻し、自信を持って堂々と世界に進出したいものです。