先週10月23日(木)にJASIPA第48回定期交流会&10周年記念パーティを開催しました。100名を越える皆様にご参加頂き、大盛況となりました。やや窮屈な思いをお掛けした皆様にはお詫びするとともに、心よりの感謝を申し上げますm(_ _)m
今回はインターネット総合研究所 代表取締役、ブロードバンドタワー 代表 取締役会長兼社長CEOを務める藤原洋様に「ビフォーインターネット アフターインターネット IT産業のあり方」と題してご講演頂きました。次にざくっと印象に残っているところを纏めます。
インターネットは第1次産業革命=動力革命としてのエネルギー技術の革新、第2次産業革命=重化学工業革命としてのエネルギー技術の革新、に続く第3次産業革命=デジタル情報革命の重要なテクノロジーであるとして、その歴史を振り返り、その登場は社会を根本的に変えたと語ります。ちなみに藤原さんには『第4の産業革命』=エネルギー革命との著書もありますが、当日の聴衆に配慮し割愛されたものと思います。
日本の産業構造の変化にも切り込み、農林業、製造業がその割合を低下させサービス化、第三次産業化が進み、日本の四つの問題として、輸出依存型経済の崩壊、エネルギー自給率の低さ、食糧自給率の低さ、首都圏一極集中があり、インターネットが先導する様々な社会インフラの整備、付加価値サービス創出など、インターネットがが先導する新事業創出が必要であると説く。
インターネットによる大きな変化は通信業界に激震とイノベーションをもたらし、携帯鎖国の終焉とともに、日本の携帯電話産業は衰退し、米国では新興ベンチャー企業が自由化された情報通信市場を牽引した。旧電電ファミリーを中心とした通信キャリアの今後やベンチャーが育つ風土を今後の課題と檄を飛ばす。
今後のITサービスはインターネットデータセンター(Internet Data Center、iDC)、クラウドの活用がカギとなる。日本はブロードバンドなどにインフラが充実しているのに対して、教育、行政、医療等の公的分野でのICT利活用が韓国、米国、英国そして昨日まで出張に行かれていたオーストリアをなどと比べ遅れていると語る。
JASIPAの会員企業のようなSIを中心としたビジネスは2015年までは引く手あまたで繁盛するが、それ以降は下請けの中小IT企業はとても厳しくなる。大手SIerを頂点としたピラミッド構造から脱出して、クラウドベンダー、などとのフラットな協業・共創でのユーザ企業との直接取引こそが今後の方向性であり、モバイル、クラウド、ビッグデータ、ソーシャルメディア、4K,8Kなどに大きなビジネスチャンスがあると叱咤激励頂きました。
最初の自己紹介そして最後の方にもご自身の生き様などを話されてました。そのベンチャースピリットにもとても刺激的で素晴らしいご講演でした。藤原さんの生き様に興味のある方はこちら『デジタル情報革命の潮流の中で―インターネット社会実現へ向けての60年自分史』もとても刺激に満ちた本です。ご興味のある方はぜひ!
ご講演の後は懇親会になりますが、経済産業省久世課長、ウイングアーク1st内野社長などのご来賓挨拶なども、共通して下請けからの脱皮とユーザ企業との直接取引のお話がでました。JASIPAも「中小ユーザ企業のITは中小IT企業が受け持つ」との本来の目的を貫徹する方向での活動が活性化しそうです。
藤原さんの少年時代は人工物派(自動車など)か?自然派か?では自然派(ザリガニ、天文)だったそうです。で、私は何かと尋ねられたら人工音楽派(プログレ)でしょうか^^;当初ハードロックを聴いていた私が最初に聴いたプログレにイエスの危機があります。A面全てに渡っての一曲の構成、あきらにハードロックとは違ったリズム、シンセサイザーやメロトロンの斬新な音に夢中になりました。