フォーチュンでデンマーク大使館訪問

Pocket

異業種交流会「フォーチュン」でデンマーク大使館を訪問した。代官山駅前の森の中にある立派なビルだ。何時もは香港に駐在しているそうだが、デンマーク外務省Invest in Denmarkアジアパシフィック部長のヘンリック・ブラント・ジェンセンさんからデンマークの話を聴いた。

一応大使館のホームページとWikipediaを予備知識として読んで出かけた。デンマークはかってスウェーデン、ノルウェー、そしてイングランドを支配したカルマル同盟の盟主を務める大国だった。スウェーデンとの300年に亘る抗争や幾多の戦争に敗れて、今の小国になった。ユトレヒト半島に位置し、ドイツとは地続きで、周りを海を隔てているものの近い距離でオランダ、スウェーデン、イングランド等のかって一度は戦って負けた国々に囲まれた「地政学的に非常に厳しい位置」にある人口は僅かに5百万人強の小国だ。

1億2千万もの人口を抱えながら、1千万人人口が減ったとうろたえている日本とは過酷な歴史の経験が違う。一人頭のGNPでは世界有数であり、レゴ、オーディオのBang&Olusen、風車のVestas、海運企業マルスクなど世界的な企業も沢山ある。労働時間は週間37.5時間で日本の平均的な残業時間と同じだ。日本ではその上に不法な闇のサービス残業が常態化している。(要するにデンマークは生産性が高いのだ)。

プレゼンテーション風景(プレゼン終了後に、デンマークチーズとデンマークビール「カールスバーグ」が出た。チーズはとても美味しかった。)

陶器のロイヤルコペンハーゲンや銀器のジョージ・ジャンセンなども有名だ。家具や内装のデザインや建築でも秀でており、パリのデファンスにあるグラン・アルシェやシドニーのオペラハウスはデンマーク人の設計によるものだそうだ。ジェンセンさんからは他にも沢山のお国自慢を聞かされた。よほど自分の国を誇りに思っているのだなと思った。日本の外交官にこの様な芸当が出来るのか心配だった。心配することはないか。絶対にやらないから。彼は民間から外交官になったようだ。日本にはその様な制度はない。大学卒業と同時に「外交官試験」に受かり、外交官にならないといけない。細い細い一本道だ。これが彼らのプライドの源泉であり、かつ弱みの源泉でもある。

デンマークは高福祉国家として有名だ。税金は何と62%だそうだ。5%の増税で大騒ぎしている国とは大違いだ。国に対する国民の信頼感の大きさの問題だ。今だって役人や政治家は無駄遣いをしているのに増税などもっての外だ。埋蔵金や警察の「へそくり」などで官や政治への信頼ベースは何処にもない。

デンマークは1990年以来、エネルギー対策を先取りし、国の経済は10%成長したのに電力消費は一定。風力発電が普及しており2025年にはCO2排出50%削減、2050年には100%削減を掲げている。

この間北海で油田が発見され、石油の輸出国になっている。CO2削減制作で先行したがゆえに、Vestasなどが風力発電の分野で世界市場の40%を押さえている。坊ちゃん政治化がCO225%削減を唐突に国際会議で言い出し、原発の不始末でCO2削減がママならない日本とは大違いだ。政治家も輸入した方が良いのでは・・・日本が学ぶべきはデンマークかも知れない。多分残念ながら学べないと思うが・・「JAPAN as NO1」などとおだてられ、日本は天狗になり学ぶ力を失った。

会議後に近くのイタリアンレストラン「IVY PLACE」で懇親会を開いた。大使館のアタッシェにも出て頂いた。

1件のコメント

  1. ジョルス住吉

    デンマークといえば、2010年6月24日の南アフリカW杯の日本vsデンマークの試合が忘れられませんね。私もそのとき、大使館行きました→http://jasipa.jp/blog-entry/5370

コメントは受け付けていません。